突然!ネタばれしても委員会
第5回
『メランコリア』
ここはネタばれオンリーのコーナーです。
これから観る方は、観てから読んでくださいね。
『メランコリア』
2011年度作品
監督:ラース・フォン・トリアー
原題:Melancholia
配給:ブロードメディア・スタジオ
キャスト:キルティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカル
スゲールド、ジョン・ハート、シャーロット・ランプリング、キーファー・
サザーランド、ウド・キアー、ほか
小惑星が地球に激突し、人類は死滅します。この映画、人によりいろんな捉え方を
されていて面白い。僕がこの映画に対して共感を覚えた部分について、言及したもの
が今のところ見つからない。なら、書く意味はある。
ジャスティン(キルティン・ダンスト)は物事を見通す能力がある。彼女は地球以
外には生物がいないと断言している。小惑星が地球と衝突し、地球が惑星としての死
を迎えることを見通している。彼女の言う通りだとすると、全宇宙が死の世界に包ま
れることになる。
知的生命体との遭遇は映画や小説で何度も描かれてきた。でも、実際は地球以外に
知的生命体はいないと思うんだ。いると思いたがるのは希望的観測。知的生物が誕生
するための環境条件は厳しく、地球は全宇宙の中でまれな恵まれた環境を持っている。
地球のような恵まれた条件を持つ天体はまだ発見されていない。
地球が死に、全人類が死滅したとするどうなるか。宇宙全体が残ってもそれを認識
する主体が存在しないことになる。それがどういうことなのかはよくわからない。わ
からないけど恐ろしい事態になるのではないか。意識も認識も存在しない世界。広大
な死の世界の広がる空間。それは恐ろしい。
この映画はそうしたことを強く主張してるわけでない。ほのめかしただけ。それに
誰も気づいてないのか。僕には、人類はもっと危機意識を持てと示唆しているように
見えたのだが。
2012.3.26 |