突然!ネタばれしても委員会
第16回
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
ここはネタばれオンリーのコーナーです。
これから観る方は、観てから読んでくださいね。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
2016年度作品
監督:岩井俊二
配役:黒木華、綾野剛、Cocco、原日出子、毬谷友子、和田聰宏、金田明夫、
りりィ、野間口徹、紀里谷和明、ほか
配給:東映
この映画、肝心な部分を明らかにしないまま終わっている。皆川七海(黒木華)
をハメて離婚に追い込んだのは誰なのか。
単純に考えれば安室(綾野剛)ということになるだろうが、動機がない。七海
を自分のものにしようとするわけでもない。騙して金を巻き上げるでもない。実
行したのは安室でも、依頼した人物がいるはず。
思い当たったのは、真白(Cocco)。確認するため、映画をチェック。しかし
七海が真白に初めて会ったのは七海の離婚事件のあとだった。振り出しに戻った。
誰が安室のうしろで糸をひいてるんでしょう。七海の結婚相手は違うだろう。
相手の母親の可能性は消せないが、安室自身がその可能性を口にしている。その
ことが可能性を消している。自分の依頼者が七海を陥れたと七海に喋るはずない。
安室も怪しげだ。七海の結婚相手がマザコンだったという調査結果も作り物く
さい。離婚前に真白が七海を知っていたという線はないのかと、今もその可能性
にしがみついている。七海が真白の館で住み込みのメイドを始めたのは、真白の
差し金なのは間違いない(それすら明示していないが)。だから最初から真白の
計画だった、ということになればすっきりするのだが。
結局のところ、背景事情について確実なことは何一つ判明せず。もちろん話を
書いた岩井俊二は背景を描いてるんでしょう。まあこの人が論理で描いてる気は
しないんだけど。正解を誰か知りませんか?
ネット上にはいろんなこと書いてる人いるね。どう解釈しようと自由だけど。
安室はいかにもうさんくさいが、悪党じゃない。
2016.12.5 |