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クラシックが使われている映画  映画に使われたクラシック音楽  映画に使われた賛美歌・国歌・伝承曲・大衆楽曲

■クラシック&民族音楽用語辞典■

美濃三鈴
美濃三鈴さん   

用語の意味、わかります? 僕の認識は7割程度かな(苦笑)。 update 2024.1.27

               
        ぬ ね      
           る   
アーティキュレーション
 articulation(英)
調音。各音の切り方や、音と音のつながりなどで、演奏上の様々な音楽的表情を表現すること。
愛称 → 通称
アイネ・クライネ・ナハトムジーク
 Eine kleine nachtmusik(独)
意味は「小夜想曲」。英訳すると a little night music。有名なモーツァルトのセレナード第13番につけられた愛称(通称)。昔どこぞの音楽評論家が「あーいいね。でもちょっと、クライネ」とダジャレてました。
アヴェ・ヴェルム・コルプス
 Ave verum corpus(ラテン)
ローマ・カトリック教会の聖体賛歌。「めでたし、処女マリアから生まれたまいしまことの御体よ」の意。
アヴェ・マリア
 ave Maria(ラテン)
「マリアに幸いあれ」という祈りの文句。アベリアという白くて愛らしい花のことを俗に「アベマリアのマ抜け」という。
アカペラ
 a cappella
(伊・ラテン)
伴奏抜きの歌唱。意味は「礼拝堂風に」。「カペラ」は英語の「チャペルchapel」。
あご当て(顎当て、チンレスト)
 chin rest cover(英)
シュポア(シュポーア)が1820年ごろに作ったといわれている、ヴァイオリン、ヴィオラの補助器具。これにより、左手は楽器を支える必要がなくなり、自由な動きが可能になった。
アコースティック
 acoustic(英)
楽器の音が電気的に増幅されていないこと。アコースティック・ギターは略してアコギ。アコギを弾く人のことをアコギな人という。
アコーディオン
 accordion(英)
蛇腹式の楽器の一種。昔は手風琴という呼び名もあった。同類にバンドネオン、コンサーティナがある。鍵盤式を鍵盤アコーディオン、あるいはピアノ・アコーディオンといい、ボタン式をボタン・アコーディオンという。ボタン式のほうが素早いキー移動ができるという特徴がある。
アダージェット
 adagietto(伊)
速度標語で、「アダージョよりやや速く」。
アダージョ
 adagietto(伊)
速度標語で、「ゆるやかに演奏せよ」。
アッフェットゥオーゾ
 affettuoso(伊)
発想記号で、「愛情を込めて、情趣豊かに」。
アド・リブ
 ad lib(ラテン)
「自由に」の意。アド・リビトゥム(ad libitum)の略。即興で演奏すること。インプロヴィゼーションとも。
アナリーゼ
 analyse(独)
曲の解釈。演奏者が原譜から作曲者の意図を読み取ること。あるいは勝手な解釈をして作曲者の意図をぶち壊すこと。
アニュス・デイ
 Agnus Dei(ラテン)
通常のミサでは第五段。平和の賛歌。意味は「神の子羊」。「神の子羊よ」の句で始まる。
阿呆陀羅経(あほだらきょう)
 ahodara-kyou
元々は大道での歌唱パフォーマンス。巷談や時事風刺、笑いや諧謔を取り混ぜ、単調な七七調や八八調のリズムでえんえんと続けられる。
アラゴネーズ(アラゴネーサ)
 Aragonaise(仏)
スペインのアラゴン地方の舞踏。ビゼーの『カルメン』の曲で知られる。
アラベスク
 arabesque(仏)
片足で立ち、足を90度以上に開いて上げ、手を前後または前にのばすバレエのポーズ。またはアラビア風の装飾的な曲。
アラルガンド
 allargando(伊)
クレッシェンドしつつ速度を落とすこと。
アランフェス
 Aranjuez(スペイン)
スペイン中部にある離宮の名称。
アリア
 aria(伊)
 arie(独)
 air(仏・独)
演奏会用に作曲された抒情的な小歌曲や器楽曲、またはメロディーの強調された楽章。あるいはオペラの聴かせどころの独唱部分。詠唱。エール。エア。 → エア
アリオーソ
 arioso(伊)
叙唱風伴奏つきアリア。または「歌うように」を意味する発想標語。あるいはアリアとレチタティーヴォとの中間的な曲・楽章。バッハのチェンバロ協奏曲第5番第2楽章が有名。
アルス・ノヴァ
 ars nova(ラテン)
「新しい技法、新しい芸術」の意。14世紀のフランスに現われた、当時の感覚としては新しい傾向の音楽。
アルゼンチン・タンゴ
 tango Argentino
アルゼンチンとウルグアイで花開いた音楽。ラプラタ川流域で発展したことから「ラプラタ・タンゴla Plata tango」という呼び名もある。 → タンゴ → コンチネンタル・タンゴ → バンドネオン
アルト
 alto(伊)
女声最低声域。コントラルトと同義。アルトの意味は「低い」ではなく「高い」。コントラルトは「高くない」の意(笑)。
アルペジオ(アルペッジョ)
 arpeggio(伊)
分散和音の一種。ひとつの和音を低音から高音へとハイスピードで奏すること。語源は「ハープを弾く」。
アルマンド
 allemande(仏)
ドイツ起源のゆるやかな二拍子の舞曲。
アルルカン
 arlequin(仏)
ピエロ同様、道化のキャラクター。アルレッキーノarlequino(伊)またはハーレクィンharlequin(英)とも。
アレグリア
 alegria(スペイン)
アンダルシア地方の舞曲。フラメンコの中で最も華麗で、難しい踊り。
アレグロ・ノン・トロッポ
 allegro non troppo(伊)
速度標語で、「快速に、だが速すぎないように」。allegro ma non troppoも同じ。アレグロ・アッサイallegro assaiは、「非常に速く」。
アレルヤ → ハレルヤ
アンコール
 encore(英)bis(仏)
アンコールはフランス語だが、フランス語でアンコールはビスという。
演奏会終了後の追加演奏。演奏が良かろうと悪かろうと関係なく行われる儀式。拍手でおまけ演奏をセコく要求する観客に対し、入場料のぶんは演奏したと胸を張れるならさっさと帰れ。
アンセム
 anthems, anthem(英)
賛歌・祝歌・聖歌・交唱賛美歌。国歌はNational anthem。
アンダンテ
 andante(伊)
速度標語で、「歩くくらいの速度で」。
アンティフォナ
 antiphona(ラテン)
 antifona(スペイン)
 antiphon(英)
交唱。二つのコーラスが交互に詩編を歌うこと。
アンドロ
 An Dro
ブルターニュの伝統的な民族舞踊。一列になって踊る輪舞。
Anh.
 Anhang(独)
「付録」の意。バッハの作品で、偽作とされたものや楽譜が残ってないもの、断片のみが伝わってるものに「Anh.xxx(xxx=一連番号)」と番号をつけて整理されている。
EP
 extended playing(英)
アナログ記録による1分間45回転のレコード盤。通常は17センチ盤で、17センチシングル、またはシングル盤とも呼ばれる。30センチEP盤もある。extendedは「(時間が)延長された」の意。昔のSPとの比較で録音の長時間化が達成されたことを意味する。
イクスプレッシヴ
 expressive(英)
「表情を豊かに」という指示。顔で演技をしてはいけません。
遺作
 posthume, posth.(仏)
生前に発表されなかった作品。未完成のものも含まれる。
イリアン・パイプス(イーリアン・パイプス、イラン・パイプ、イルン・パイプ、ユーリアン・パイプ、イラーン・パイプ)
 uilleann pipes, uilliean-pipe
(アイルランド)
アイルランドのバグパイプ。uilleannの日本語表記は多いが、現地ではたいていイリアン、イランと発音されている。右腕を使ってふいごで袋に空気を送り込み、左腕で袋を押さえてパイプから音を出す。世界的にも珍しい「吹かない管楽器」。
インテルメッツォ
 intermezzo(伊)
幕間歌劇(まくあいかげき)。間奏曲という意味もある。 → 間奏曲
インプロヴィゼーション
 improvisation(英)
即興演奏。 → アド・リブ
ヴァイオリン
 violin(英・スペイン)
 violine(独)
 violon(仏)
 violino(伊)
ヴァイオリン属の最高音部を受け持つ楽器。あごあてはベートーヴェンの時代に発明されたそうな。それ以前は右手で支えながら弦を押さえるという相当無理なことをやっていたらしい。
ヴァルス valse(仏) → ワルツ
ヴィヴァーチェ
 vivace(伊)
速度標語。「速く、生き生きと」。
ヴィオール
 viol(英)
 viola(伊)
 viole(仏)
ヴィオール属の弦楽器のこと。古楽器としてヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・ダモーレなどが知られる。弦の数は定まっていないが、5から7ぐらいまで、さまざま。共鳴弦を持つものもある。
クラシック音楽が王侯貴族のサロンから大衆向けのコンサートホールへと大規模化していくのにしたがい、音量が乏しいヴィオール属は、弦楽器の中心的な地位をヴァイオリン属に取って代わられてしまった。
ヴィラネル
 villanelle(仏)
田園詩による歌。ポール・デュカスやエヴァ・デラックァ、ベルリオーズなどによるものが知られている。
ヴィルトゥオーソ
 virtuoso(ラテン)
名人芸。超人芸。超絶技巧。
ヴィオラ・ダ・ガンバ
 viola da gamba(伊)
ヴィオール属の弦楽器の代表的なもの。ヴィオラほど小さくはなく、チェロ程度。ヴァイオルviolとも。gamba=足。
ヴィブラート
 vibrato(伊)
音を上下に震わせること。弦のヴィブラートは時に美しく、耳に心地よいが、声楽のヴィブラートはしばしば騒音と化す。音程の不確かさをごまかす場合すらある。貧乏揺すりのような派手なゆすり方を、特徴的な歌手の名をとって「伊◯京子病」と呼ぶことがある。
ウィンド・オーケストラ
 wind orchestra(英)
各楽器の厳密な編成が定められた吹奏楽団。「ウインド・オーケストラ」と表記されることが多いが、厳密には誤植。
ウード
 oud
アラブの琵琶。リュートの原形。
ヴェスペレ(ヴェスペラ)
 Vespera(ラテン)
聖務日課の中の晩課(晩祷)。夕べの祈り。またはそのための歌。
ヴォカリーズ
 vocalise(仏)
 vocalization(英)
 Vokalise(独)
 vocalizzo(伊)
 Вокализ(露)
一つの母音のみで歌う歌い方。母音唱法。声楽の含まれないヴォカリーズも存在する。
エア(エール)
 ayre, air(英)
もとは16世紀末から17世紀にかけての英国の歌曲。「歌」の意味で、ゆったりと歌うような曲をさす。組曲の中では旋律的な小曲にあてる。日本では主として口パクの形態模写のことをさす。 → アリア
エイサー 沖縄県と奄美の芸能で、夏に集団で踊る。太鼓が重要な役割を果たすことが多い。
エクストラヴァガンザ
(ストラヴァガンザ)
 extravaganza(英)
 stravaganza(伊)
狂想曲。奇抜な趣向を凝らした音楽。意味は「風狂」。
エコセーズ
 ecossaise [écossaise](仏)
19世紀に流行した2拍子系の速い舞曲。意味は「スコットランドの」。
エスタンピー
 estampie
13〜14世紀の舞曲形式の一つ。「足を踏み鳴らすestamper」からと言われる。
SP
 standard playing(英)
アナログ記録による、1分間だいたい76から82回転の大昔のレコード盤。最も一般的なのは78回転。片面に10分程度しか入らなかった。
エスプレッシオーネ → コン・エスプレッシオーネ
エチュード(練習曲)
 etude [étude](仏)
練習用に作られた曲だが、その範囲にとどまらず、優れた作品もある。
エトワール
 etoile [étoile](仏)
元は「星」の意味で、花形スター。バレエ団では最高位のダンサーをさす。
MD
 mini disk(英)
ソニーが開発したデジタル記録による音楽記録媒体。2.5インチ(6.5センチ)のディスク。オーディオで何度も上書き録音可能。生存競争に敗れ、早くも絶滅危惧種に成り果てている。
LP
 long playing(英)
アナログ記録による1分間33回と三分の一回転のレコード盤。通常は30センチ盤で、17センチLPもあった。
エレジー
 elegy(英)
 Elegie(独)
 elegie [élégie](仏)
 elegia(伊・西)
哀歌・悲歌・挽歌ともいう。哀しみの色を帯びた曲。好色の色を帯びるとエロジーと呼ばれる。
エロイカ
 Eroica(伊・英)
意味は「英雄」。ベートーヴェンの交響曲第3番の愛称(通称)。ただし『英雄』のほうが一般的。
円舞曲 → ワルツ
オーケストラ
 orchestra(英) orchestre(仏)
管弦楽あるいは管弦楽団。語源はギリシャ語の「踊る場所 orchéomai」。
オーケストラピット
 orchestra pit(英)
客席の前方、陰になってる、楽団員が演奏する空間。オケピと略す。
オーセンティック
 authentic(英)
正統的な。
オード
 ode
自然の事象にことよせて高揚した精神をうたう叙情詩。
Op → 作品番号
オケピ → オーケストラピット
オスティナート
 ostinato(伊)
一つの音型を、同一声部、同一音高で執拗にくり返すこと。
音のモアレ
 moire of sound
ミニマル・ミュージックの表現手法の一つ。ほぼ同じ長さの二種類の短いフレーズ二つをくり返し並走して奏でることにより、音声パターンのずれがモアレ・サウンドを生成する。スティーヴ・ライヒが『ピアノ・フェイズ』『ヴァインオリン・フェイズ』『エリクトリック・カウンター・ポイント』『ドラミング』などで試みている。一柳慧の『ピアノ・メディア』もその一例。 YouTube - Piano Media モアレが生じ始めるのは後半の3:40あたりから。
オブリガート
 obbligato(伊)
「助奏」の意。独唱・独奏に加えて奏される、伴奏以外の楽器パート。古い意味では、楽曲に不可欠で省略できない声部のこと。ポルトガル語のオブリガードObrigado(ありがとう)とはなんの関係もありません。
オペラ
 opera(伊・英・仏)
歌劇。型にはまり、硬直化したミュージカル。
オペレッタ
 operetta(伊) operette(仏)
喜歌劇、軽歌劇とも言われる。オペラが高尚になりすぎると、庶民向けな軽いものがもてはやされ、一大ジャンルとして発展した。
親指ピアノ
 Thumb-Piano(英)
アフリカで生まれた民族楽器。両手で持ち、親指で金属の爪をはじいて演奏する。代表的なものにウガンダのカリンバKalimba、タンザニアのリンバLimba(イリンバIlimba)、コンゴのサンザSanza、ジンバブエのンビラMbiraがある。
オラトリオ
 oratario(伊)
宗教的内容をもつ長い物語を、独唱・合唱・管弦楽のために劇的に構成した作品。聖譚曲。
オルケスタ・ティピカ
 Orquesta Típica(西)
「(タンゴの)典型的な楽団」を意味するが、典型があるようで存在しない。タンゴの世界での、典型に対する強迫観念が生み出した言葉とも言える。
音階 → ドレミファソラシ
オンド・マルトノ
 Ondes martenot(仏)
電子鍵盤楽器。フランスのマルトノが発明。キーボードをつけたものもあるが、和音は弾けない。
ガイヤルド
(ガリアルド、ガリアード)
 Gaillarde(仏)
1400年ごろ、フランスに広まった歴史的舞曲。三拍子の急速な踊りで、途中の付点音符リズムのところで跳躍をしたり、華麗な足さばきを披露したりするなどした。
カヴァティーナ
 cavatina
歌詞の反復のない単純な形式の独唱歌曲。
ガヴォット
 gavotte(仏・独・英)
 gavotta(伊)
17〜18世紀のフランスの舞踏曲。快適優美な曲風。
カウンターテナー(カウンターテノール)
 countertenor
ファルセット(裏声)で女声と同じ声域を歌う男声の声域。
歌曲(リート)
 lied, gesang(独) song(英)
独唱の小曲で、一般的にピアノの伴奏がつく。日本の歌曲には流行歌との区別があいまいなもの(荒木よひさの『四季の歌』とか)もあり、わらべ歌(童謡)として親しまれているもの(大中恩の『サッちゃん』など)があり、学校唱歌として歌われてきたもの(滝廉太郎の『花』など)もある。 → 唱歌
楽劇
 musikdrama(独)
ワーグナーによって創始されたオペラの形式。音楽と演劇と文学と美術の総合芸術をめざすはずが、ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスによっていくつかの冗漫な音楽が生まれただけで歴史を閉じる。
楽章
 movement(英)
大きな曲の一区切り。mov.と略す。
カストラート
 castorato(伊)
去勢歌手。16〜18世紀イタリアの風習で、変声期前に男性歌手を去勢してソプラノを歌わせるという、中国の宦官制度を笑えない蛮習。
カチャーシー 沖縄県(及び奄美の一部)の芸能。指笛を吹き鳴らし、速いテンポで踊る。『唐船ドーイ(とうしんどーい)』『六調節』など。
合奏協奏曲 → コンチェルト・グロッソ
カッワーリー
 qawwali
インドやパキスタンのイスラムの宗教歌謡。現在では宗教色が薄れ、大衆音楽のジャンルとして定着している。
カデンツァ
 cadenza(伊) kadenz(独) cadence(英)
曲の終了まぎわにソロが妙技を披露するよう設けられた華麗な装飾的部分。基本的に演奏者の即興だが、作曲者が用意することもある。
カドリーユ(カドリール)
 quadrille(仏・英)
18世紀から19世紀にフランスを中心として流行した、男女が方陣を作って踊る舞踏用の舞曲。方舞とも。
哀しみの聖母 → スターバト・マーテル
カノン
 Canon(英) Kanon(独)
 canone(伊)
追走曲・追復曲。先行する旋律を後続の旋律が一定の関係で模倣しつつ追いかける作曲技法。
カプリチオーソ
 capriccioso(伊)
意味は「気まぐれに」「幻想的に」。
カプリッチオ、カプリッチョ、
カプリッツィオ、カプリス、
カプリース
 capriccio(伊)
 caprice(仏) Kapriccio(独)
形式にとらわれない自由な曲。狂想曲。奇想曲。
カホン(カホーン)
 cajon [cajón](西)
ペルー発祥の箱型打楽器。またがって叩く。名前はスペイン語で「箱」の意味。
ガムラン
 gamelan
インドネシアの打楽器中心の合奏、およびその楽器。
ガラ
 gala(伊)
「大宴会」の意。イヴェントを意味するようになっているが、大イヴェントとは限らず、そこそこのものであってもガラと称する風潮がある。
カリヨン
 carillon(仏)
多数の鐘を鍵盤か機械仕掛けによって鳴らす楽器。組鐘、カリオン、カリロン、カンパネッタ、ベルともいう。
カリンバ
 kalimba
親指ピアノとも呼ばれるアフリカの楽器。 →親指ピアノ
カルミナ・ブラーナ
 Carnima Burana(ラテン)
「ボイエルンの歌(ボイレン歌集)」の意。バイエルン地方の修道院Benedikt Beurenで発見された写本につけられた、中世ヨーロッパの世俗歌謡集。約200篇あるうち、カール・オルフが1937年、24篇に曲をつけた。詩はすべて古典ラテン語の長短詩ではなく、中世ラテン語の強弱詩。
カルメン
 Carmen
色キチガイのジプシー女。言葉をかえると、自由で恋多き女。原作はプロスペル・メリメ。
カンカン
 cancan, can-can(仏)
19世紀後半に流行ったダンス。スカートを足で高く跳ね上げて踊る。フレンチ・カンカンとも。語源は「うわさ話、陰口」。
カンシオン
 cacion [cación](西)
スペインの歌。ではあるが、クラシカルな歌曲よりもやや流行歌的な色合いがある。
間奏曲
 act tune, interlude(英)
 zwischenakt(独)
 intermezzo(伊)
幕間(まくあい)に演奏される小曲。あるいはそんな雰囲気の独立した小曲。 → インテルメッツォ
カンタータ(交声曲)
 cantata(伊)
17〜18世紀の声楽曲の一形式。
カンタービレ
 cantabile(伊)
「歌うように」を意味する発想標語。
カンツォーネ
 canzone(伊)
広義にはイタリアのポピュラー歌曲全般をさす。狭義にはナポリの民謡・歌謡曲を母体に外国の影響を受けて20世紀初期に生まれた標準語の歌謡曲のことをいう。
カンテレ
 kantele
フィンランドの民族楽器。チター族の楽器で、箱形のハープを横にしたようなもの。
カンパネラ
(カンパネッラ、ラ・カンパネラ)
 campanella(伊)
意味は「鐘」。曲のタイトルによく使われる。
奇想曲(カプリース)caprice → カプリッチオ
器楽曲
 instrumenta music(英)
一般に楽器をソロで演奏する形式の曲をいうが、広義では声楽曲の対意語で、室内楽曲を含む。
キャロル → 賛美歌
狂詩曲 → ラプソディー
協奏曲(コンチェルト、競争曲)
 concerto(伊)
現在では、ソロ楽器と管弦楽が合奏する形式の曲とされる。過去においては意味がもっと幅広くとられ、「音が響きあう曲」ぐらいの意味で使われた。
共鳴弦
 sympathetic strings, under string(英)resonanzsaiten(独)cordes sympathiques(仏)corde di resonanza(伊)
弦楽器に使われるが、弓で弾かない弦。音の共鳴振動を利用し、一定の振動音に共鳴させることにより、音に装飾を与える。
清しこの夜(聖しこの夜)
 stille nacht, heilige nacht(独)
 silent night. holy night(英)
フランツ・グルーバー(Franz Xaver Gruber オーストリア 1787.11.25-1863.6.7)作曲の聖歌。作詞はヨセフ・モーア。『マグダレーナ 「きよしこの夜」誕生秘話』という映画に逸話が紹介されているが、実際にはなかった潤色も多い。
キリエ
 kyrie(ラテン)
通常のミサでは第一段。意味は「哀れみ」。「主よ、哀れみたまえ」の句から始まる。
クーラント(クラント)
 courante(仏)
フランスの舞曲。しばしば組曲に取り入れられた。
具体音楽
 Music Concrete(英)
現実音を素材にして作られた音楽。ポール・ドレッシャーの『ウォーター・ドリームス』『アザー・ファイア』など。
口三味線
 scat(英)
楽器演奏を口で真似ること。リルティングliltingと言うこともある。
組曲(パルティータ)
 partita(伊)
 suite(仏・独・英)
いくつかの曲を組み合わせて一つの曲としたもの。いろんな様式の舞曲を組み合わせることが多い。冒頭に序曲をつけることもある。過去には組曲全体を序曲と呼ぶこともあった。
グラーヴェ
 grave(伊)
速度標語で、「重々しくゆるやかに」。
クラヴィア(クラヴィーア)
 klavier(独)clavier(英)
鍵盤楽器の総称。ラテン語のclavis(鍵)から。
クラヴサンclavecin → チェンパロ
クラッピング・ミュージック
 clapping music(英)
手拍子による音楽。スティーヴ・ライヒ作曲の、タイトルもそのまんまの『クラッピング・ミュージック』がある。
グラン・パルティータ 大組曲。
グリッサンド
 glissando(伊)
音階をなめらかに滑らせるように演奏する奏法。
グレゴリオ聖歌
 cantus gregorianus(ラテン)
 gregorian chant(英)
ローマ・カトリック教会で修道士や聖歌隊によって歌われる単旋律の典礼聖歌。7〜8世紀ごろに各地方の聖歌を集めて統一した。 → 聖歌
クレズマー(クレッツマー)
 Klezmer
東欧系ユダヤ民謡を起源に持つ音楽。結婚式など、祭礼のダンスの伴奏音楽に始まり、職業音楽として広まっていった。クレズマーというのは音楽家を意味するイディッシュ語だが、彼らの音楽そのものを意味するようになった。
クレド
 credo(ラテン)
通常のミサでは第三段。信仰宣言。意味は「信仰」。「われは信ず、唯一の神」の句から始まる。
グレン・グールド
 Grenn Gould
伝説的な天才ピアニスト。人嫌いのライブ嫌いでスタジオ録音に専念し、人前から姿を消す。録音中の鼻歌は録音技師泣かせで有名。1932年生まれ。1982年没。
グローリア(グロリア)
 gloria(ラテン)
通常のミサでは第二段。または多声ミサの第2楽章。歓喜をあらわす。意味は「栄光」。
クロマティック
 chromatic(英)
 chromatique(仏)
 cromatico(伊)
 chromatische(独)
半音の。半音階の。
ケイリー(ケーリー)
 ceilidh, ceili [céilí]
(アイルランド)
アイルランドやスコットランドの伝統的なダンスパーティー。もともとはゲール語で「人の集まり」を意味した。ケリー・ジョークで知られるケリーKerryはアイルランドの地名で、無関係。
劇伴(げきばん) 演出効果のために映画などに流される伴奏音楽。映画に使われるものは映画音楽という。映画の中の現実として流れる曲は背景音楽と呼ばれ、劇伴とは異なる。
月光
 mondschein(独)
 moonlight(英)
ベートーヴェンのピアノソナタ第14番の愛称。詩人のレルシュタープが第1楽章を「スイスのルツェルン湖の月光にきらめく波間にただよう小舟のようだ」と形容したことから一般に広まったとされる。
ケッヘル
 Ludwig von Kochel(独)
オーストリアの音楽研究家で、モーツァルトの全作品を年代順に並べて整理したという、奇特な人物。作品番号のK.はケッヘルのイニシャル。ケッヘル番号(ケッヘルナンバー)と呼ばれる。ちなみにヘッケルはカササギのキャラクターである。
ゲネプロ
 Generalprobe(独)
 general probe(英)
ゲネラルプローベの略。公演直前の通し演奏。
ケルト音楽
 Celtic traditional music(英)
ケルト文化圏の伝統音楽、または伝統音楽に根ざした新作のポピュラー音楽。本場はアイルランド、スコットランド、ウェールズだが、フランスのブルターニュ、スペインのガリシア、カナダ、米国のアパラチアなどもケルト音楽圏といえる。アイルランドの音楽家は、本家本元という意識があるのか、自分たちの音楽を「ケルト」と呼ばれるのを嫌い、「アイリッシュ」と呼ぶ。
弦楽四重奏曲
 streich quartett(独)
 string quartet(英)
ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1の編成の室内楽曲。独奏曲のピアノソナタを別にすると、室内楽では最も多く作曲された。
検校(けんぎょう) 盲人の公的な役職である位階の一つ。音楽の演奏や作曲を営む者が多かった。著名な音楽家に八橋検校(やつはしけんぎょう)がいる。明治維新後、門人の位階は廃止された。
幻想曲(ファンタジー)
 fantasy(英)Fantasie(独)
夢想的な雰囲気の曲。
現代音楽
 contemporary music(英)
昔の音楽。わけわからん曲を書いて家が建ったという、作曲家にとっては夢のような時代の音楽。
交響楽団
 symphonic orchestra(英)
本来は交響曲を演奏するための楽団を意味するはずが、現状は管弦楽団と名称の差異化をはかっているにすぎない。
交響曲(シンフォニー)
 symphony(英)
 symphonie(独・仏)
 sinfonia(伊)
ハイドンが考案した管弦楽のためのソナタというべき、大規模な楽曲。
交響詩
 symphonic poem, tone poem(英) symphonische dichitung(独)
標題音楽の一。リストが創始。詩的・絵画的イメージを表現する管弦楽曲。
行進曲(マーチ)
 march(英)
行進に用いられる曲。または行進を描写した曲。まれに、行進するにはふさわしくない、ゆったりした曲に「行進曲」と名前がつけられている。
小唄
 
三味線弾き語り音楽の一つ。端唄よりも俗謡に近い軽みがある。
コーダ(終曲)
 coda(英)
楽曲・楽章などの最終部分。終結部。 → 終曲finale
コーニー
 corny(英)
感傷的で通俗的な流行歌のこと。
黒人霊歌(スピリチュアル)
 negro spiritual(英)
「ゴスペル Gospel music」とも言う。アフリカ音楽の感性と欧米の賛美歌の精神性とが融合して生まれた、米国黒人の独自の音楽世界。
五重奏曲
 quintet(英)
五つの楽器の合奏による室内楽曲。
ゴスペル → 黒人霊歌
コメディア・デラルテ
 commedia dell'arte(伊)
即興の仮面喜劇。
子守歌(子守唄)
 lullaqby(英)
 berceuse, berceur (berceurse)(仏)
 Wiegenlied(独)
愛情をもって子供をあやして寝かしつける歌。ララバイ、ベルスーズ、ヴィーゲンリート。日本の伝承歌としての子守歌は子守女が歌う労働歌であり、欧米の子守歌とは大きく意味が異なる。
コラール
 choral(独・仏) chorale(英)
 corale(伊)
ドイツのプロテスタントにおける賛美歌。のちにオルガン曲としても作られた(オルガン・コラール)。
ゴルトベルク
 Goldberg(独)
J・S・バッハの弟子。バッハのゴルトベルク変奏曲をカイザーリンク伯爵の不眠治療のために演奏した。ゴルトベルク変奏曲は眠たい曲ではない。
コルレーニョ(奏法)
 col lengo(伊)
バイオリン属の演奏方法のひとつで、弓の木の部分で弦を叩いて演奏すること。
コロラトゥーラ
 coloratura
オペラで使われる素早い技巧的な節回し。
コン・エスプレッシオーネ
 con espressione(伊)
発想標語で「表情を豊かに、感情をこめて」。
コンクール
 concours(仏)
フランス語圏と日本でしか通用してないらしい言葉。英語はコンテストcontestもしくはコンペティションcompetition(日本語ではコンペ)。
コンサーティナ
(コンチェルティーナ)
 concertina(英・伊)
両手で持って弾く手風琴の一種。小型のボタン・アコーディオンのようなもの。
コンセール
 concert(仏)
バロックの小編成の合奏スタイル、または合奏曲。
コンソート
 consort of instruments, consort(英)
「合奏」のこと。16世紀から17世紀にかけてイングランドで使われた用語。
コンチェルト → 協奏曲
コンチェルト・グロッソ
 concerto grosso(伊)
 Concerti Grossi
合奏協奏曲。弦楽器を中心に、チェンバロを加えた編成で、合奏と独奏が交互に演奏される。
コンチネンタル・タンゴ
 European tango(英)
ヨーロッパのタンゴ(ヨーロピアン・タンゴ)。「コンチネンタル・タンゴ」は和製英語。南米のアルゼンチン・タンゴと区別するための呼び名。メインの楽器であるバンドネオンも種類が違う。今ではタンゴといえばアルゼンチン・タンゴ。コンチネンタルはすでに忘れ去られようとしている。 → バンドネオン
コンティヌオ → 通奏低音
コントラルト contralto → アルト
コントルダンス
 kontretanz(独)
 contredanse(仏)
17〜18世紀に流行した民族舞踊風の舞曲。
コンピレーション盤(コンピ盤)
 compilation disk(英)
過去作のおいしいとこだけ切り貼り寄せ集めの安易な企画盤。
コンマス
 con-mas(和)
コンサート・マスターconcert masterの略。オーケストラ第一ヴァイオリンの首席奏者。オーケストラの顔的存在で、ヴァイオリン独奏を受け持つこともある。
よく似た言葉のコンマツは、『番頭はんと丁稚どん』の大村崑が演じた丁稚の名前。間違えやすいので注意が必要だ。
サウンドトラック(サントラ)
 sound track(英)
映画フィルムの端っこにある録音用の細い部分のこと。昔8mmで、サウンドとサイレントのフィルムをしげしげ見較べたことがあります。サウンドトラックという一本の筋がありました。映像がデジタルに完全移行しても、音楽ディスクに「サウンドトラック」という言葉は残りそうです。
作品番号
 opus(ラテン)
後世の研究家がつけた、あるいは楽譜出版会社がつけた、作曲家ごとの作品の一連番号。作曲順とは限らない。Op.xx(xxは一連番号)という形で表記する。Op.以外の表記もある。モーツァルトはK.(ケッフェル番号)。バッハはBWV.(シュミーダー番号、バッハの作品目録Bach Werke Verzeichnisの頭文字)。ベートーヴェンのOp.のついてないのはWoO(作品番号を持たない作品 Werke Ohne Opuszahlの頭文字)。ハイドンはHob.(ホーボーケン番号)。ヴィヴァルティはRV.(リョーム番号)。シューベルトはD.(ドイチェ番号)。ごく一部を挙げるにとどめる。K.やD.は年代順。BWV.やHob.は体系的分類。複数の体系の番号が並記されることもある。
サパテアード
 zapateado(西)
フラメンコの足踏み鳴らし踊り。またはその舞曲。サラサーテのスペイン舞曲集の中の曲が有名。
サラバンド
 sarabande(仏)
17〜18世紀に流行したゆるやかな速度の三拍子の舞曲。あるいはそれを様式化した器楽曲。
サルヴェ・レジナ
(サルヴェ・レジーナ)
 Salve regina
「幸いなるかな女王」の意。キリスト教聖歌のアンティフォナ(交唱)のうちの一つ。
サルスエラ
 zarzuela(西)
スペイン語による、スペイン独自のオペラ・オペレッタ。語源は「キイチゴ、イバラzarzas」にあるが、マドリッド近郊のサルスエラ宮殿で催されたことから名づけられている。
戯れ唄(ざれうた)
 funny songs, comic songs(英)
1970年代あたりからは「コミックソング」と呼ばれるようになった日本の俗謡。替え歌の多くは戯れ唄とも言える。歌謡曲や民謡、ポピュラーソングにも戯れ唄が混じる。独特の節回しと合いの手が混じるものが多い。
サンクトゥス
 Sanctus(ラテン)
通常のミサでは第四段。意味は「聖者」。感謝の賛歌。「聖なるかな」という句で始まる。
三重奏曲
 trio(英)
三つの楽器の合奏による室内楽曲。
サントゥール
 santur
イランを起源とする打弦楽器。二本の木のスティックで弦を打ち鳴らす。
サンドゥンガ
 sandunga(西)
メキシコ、テュアンテペク地方の民族舞踊。これをタイトルにした『ラ・サンドゥンガLa Sandunga』という物悲しい歌もある。
賛美歌・讃美歌
 hymn, psalm, canticle(英)
 carol(英)
キリスト教の神をたたえる歌。讃歌。聖歌。 → 聖歌
ジーグ(ジグ)
 gigue(仏)
17〜18世紀に流行した三拍子系の舞曲。組曲の最終楽章に置かれた。
『G線上のアリア』
 Air auf der G-Saite(独)
 Air on the G String(英)
J・S・バッハの管弦楽組曲第3番の第2曲エアにつけられた愛称。原曲は二長調だが、ハ長調に移調するとG線1本で弾けてしまうことが知られ、愛称がつけられた。
CD
 compact disk(英)
デジタル記録による音楽記録媒体で、最大74分間記録できる。この上限はベートーヴェンの第9交響曲を一枚に収めるために設定されたといわれている。通常は5インチ(12センチ)で、それより小さいサイズがミニCDとして流通している。CDが登場した初期には、再生が完了してから盤を裏返した人もいた。
ジェンベ(ジャンベ)
 Djembe
アフリカの太鼓。ゴブレット型で、上の広い面に皮を張っている。
指揮者
 conductor(英)
オーケストラの棒振りで交通整理役。
詩曲
 poeme [poème](仏)
詩情あふれる曲。ショーソンのヴァイオリンと管弦楽のための曲が有名。他にスクリャービンもピアノ曲を多数作っている。
ジグ
 jig(英)
八分の六拍子、または八分の九拍子の舞曲。ジーグ(ジグ)gigue(仏)とは別物。 → ジーグ
四重奏曲
 quartet(英) cuarteto(西)
四つの楽器の合奏による室内楽曲。

七五調
日本の詩歌でよく使われる音数律。7・5・7・5というくり返しの語数で歌われる。
シチリアーナ(シチリアーノ、シシリエンヌ)
 siciliana (siciliano)(伊)
シチリアの舞曲。フォーレやレスピーギ、バッハ(偽作?)、ヘンデル、クライスラー、マスカーニによる曲が知られる。
室内楽曲(室内楽)
 chamber music(英)
少人数で演奏される音楽で、一般に声楽曲は除外される。
シナウィ
 sinawi, sinawe(韓)
朝鮮のシャーマニズム世界の音楽。神がかりとなった巫子が歌う。
ジプシー
 gypsy(英)
ヨーロッパの非定住民族。インド北部から連れてこられた音楽技能集団と見られる。語源は「エジプト人egyptian」。フランス語はジタンgitan、ボヘミアンbohenien [bohénien]、マヌーシュManouche。スペイン語ジターノgitano。ドイツ語チゴイネルzigeuner。イタリア語ジンガロzingaro。自分たちではロム、ロマ、ロマニチェル(全て「人間」の意)と呼ぶ。最近ではロマニーromanyとも呼ばれる。
詩編(詩篇)
 psalm(独・英)
 psaum(仏)salmo(伊)
 tehillim(ヘブライ)
旧約聖書「ダヴィデの詩編」150編の歌詞による教会音楽。サーム、テヒリーム。
島唄 奄美群島(鹿児島県)で歌われる民謡。沖縄県の民謡を含めて称することもある。
シャコンヌ(チャコーナ)
 chaconne(仏)
 ciaccona(伊)
 chacona(西)
スペイン起源の舞曲。一定の和声進行で展開される変奏曲の一種。
謝肉祭
 carnaval(スペイン)
 carnival(英)
カトリックで肉食を禁じる四旬節の前に、肉食と告別するために催される祭り。カーニヴァル。カルナヴァル。
シャン・ノース
 Sean-nós(アイルランド)
ゲール語で"Old Style"という意味。アイルランドの古いスタイルを守っている歌唱法。主として無伴奏。または踊りのスタイル。
シャンティ
 shanty / shantey / chantey(英)
船乗りたちが作業しながら歌う舟歌・船頭唄のこと。
ジャンベ → ジェンベ
終曲
 finale(伊・英)
組曲などで最後の曲として使われることがまれにある。 → コーダ
十二音音楽(ドデカフォニー)
 dodecaphony(英)
調性を否定した音楽。すぐにすたれた。
シュミーダー番号 → 作品番号
唱歌 学校で教わる歌。文部省唱歌、学校唱歌とも。日本だけの特殊な分類呼称。初期は外国の歌に詞をつけたものもあったが、のちには日本人が作曲した。教育的な配慮が求められるため、お行儀のいい歌がほとんど。明治期のものは作者が不明の曲が少なくない。
ショーロ
 choro [chôro](ポルトガル)
ブラジルの都市化された民族舞踊。ヴィラ=ロボスによって形式が確立された。
序曲
 overture(英)
歌劇などの開幕に先立って演奏される管弦楽曲。あるいは組曲などの冒頭につけられる曲。
抒情歌(叙情歌)
 lyrical song(英)
唱歌や童謡など、日本人にとって懐かしさを感じさせる優しい歌の総称。外国由来の歌も含まれる。
ジンクシュピール
 singspiel(独)
意味は「歌の演劇」。歌入り芝居。
シンセサイザー
 synthesizer(英)
電子楽器の一種。電子音楽合成装置electoric musical synthesizerの略。音色など音の諸要素を演奏者自身が制御することができる。鍵盤楽器の形態が一般的だが、ギターや管楽器の形態のものや、シークエンサーなど外部からのMIDI(ミディ)信号で制御するものもある。
ジンタ 町回りの宣伝楽隊。ズンタッタといった音からのネーミングだというのが通説。
シンティー
 sinti
ドイツのロマ(ジプシー)の音楽。
神童
 prodigy(英)
凡人の妬みの対象となり、「毒殺された」だの「気が狂った」だのと、後々まで話のネタにされる哀れな人。
シンフォニア
 sinfonia(伊)
組曲や歌劇の序曲として用いられ、交響曲の原形となった。
シンフォニー → 交響曲
新民謡 大正以降に創作された民謡調の歌。『ちゃっきり節』『島原の子守唄』『安里屋ゆんた』など。
吹奏楽
 wind instrument music(英)
軍楽隊の音楽を起源とし、管楽器に打楽器や弦楽器を加え、大規模ないし中規模の楽団編成で演奏される音楽。けっして「軽佻浮薄で騒々しいだけの音楽」ではない。
スウィング
 swing(英)
ジャズ演奏の躍動的なリズムを形容する用語。同じ言葉でも野球の場合はスイングと、いささか乱暴な表記をする。
スキャット
 scat(英)
意味のない音による歌唱。声を純粋に楽器として使う。ヴォカリーズや口三味線もこれに含まれる。
スケルツァンド
 scherzando(伊)
曲想を表す標語で、たわむれるように、軽快に。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番第3楽章など。
スケルツォ
 scherzo(伊)
三拍子のスピーディーで快活な曲または楽章。諧謔曲。
スコチナー
 skocna
チェコの民族舞曲の一種。
スコルダトゥーラ
 scordatura(伊)
変則調弦あるいは特殊調弦ともいう。弦楽器で、本来の音程と違う音にチューニングすること。
スターバト・マーテル
 Stabat mater(ラテン)
「悲しみの聖母」とも呼ばれる。Stabat mater dolorosaをつづめたもので、Stabat materだけなら、意味は「たたずむ聖母」となってしまう。詩は13世紀イタリアの修道士ヤコボ・ダ・トーディが書いたと言われる。ペルゴレージ、アルヴォ・ペルト、パレストリーナ、ハイドン、ロッシーニ、ドヴォルザークなど、多くの作曲家が曲をつけている。
スタッカート
 staccato(伊)
音と音のあいだを切って演奏すること。「レガート」の対語。stacc.と略記。楽譜では符頭の上下に「・」をつけて指示。
ステップ・ダンス
 step dance(英)
上半身を動かさず、足だけで踊るダンス。手を動かさないタップダンス、みたいなもの。
ストラヴァガンザ → エクストラヴァガンザ
スピッカート
 spiccato(伊)
弦から少し弓を浮かせて上から落とすような感じで、タタタタッと軽く叩くようにして演奏する奏法。
スリップ・ジグ
 slip jig(英)
アイルランドのステップダンスの一つ。足を滑るように動かすことから名づけられている。
スルナイ(スールナイ)
 surnai [su ̄rnai], surnay
(アラビア)
中東のダブルリード管楽器。近縁の楽器はアジア各地および地中海地域に多種多様に存在する。ポルトガル経由でチャルメラという名称が伝わった楽器はスオナ(哨吶さないso-nai)。 → チャルメラ
聖歌
 hymn, sacred hymn(英)
 hymnus(独)
キリスト教では典礼で用いられる歌。賛美歌。 → グレゴリオ聖歌 → 賛美歌
セギディーリャ
 Seguedille [Séguedille](仏)
 Seguidilla(西)
スペインのアンダルシア地方の三拍子の踊り。ビゼーの『カルメン』の曲で知られる。
セクエンツィア
 sequentia
続唱。「聖母マリア7つの悲しみの祝日」のミサにおいて用いられる。『スターバト・マーテル』もこれに含まれる。
絶対音感
 absolute hearing(英)
音の高さを正確に認識する能力。演奏家にとっては、楽器により、あったほうがいい場合と、ないほうがいい場合とがある。音楽家にとって必須の能力ではない。
セット・ダンス
 set dance(英)
アイルランドの伝統的なダンスの一つ。八人一組で踊る。
セレナード
(セレナーデ、セレナータ、小夜曲)
 serenade(独・仏・英)
 serenata(伊)
「夕べの音楽」の意。娯楽的・祝典的性格の組曲。
旋回舞踏
 sema
世界各地に見られる、スカートを広げて、ただひたすらにクルクル回る舞踏。スウェーデンのポルスカもその一つ。
前奏曲(プレリュード)
 prelude(英) volspiel(独)
 prelidio(仏) preludio(伊)
歌劇のそれぞれの幕が開く前に演奏される曲。あるいは前座を卒業して独立した自由な小曲。
旋律名
 tune (tune name)
チューン、もしくはチューンネームと呼ばれる。賛美歌の旋律の名称。賛美歌は同一歌詞で曲が異なる場合、曲名を旋律名とすることがある。
ソウセツカー
 sousedska
ボヘミアの民族舞曲の一種。
俗謡 → 戯れ唄(ざれうた)
即興曲
 improvisation(英)
ピアノ用小品の一種。即興で演奏される曲ではない。
ソナタ(奏鳴曲)
 sonata(伊)
楽曲形式の一つ。あるいはその形式を含む曲種の一つ。ソナタ形式がどこにもないソナタ(モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番など)もあり、区別してドナタ?と呼ぶこともある。
ソナチネ(小奏鳴曲)
 sonatine(伊)
小規模なソナタ。『ソナチネ』という映画が外国と日本に一本ずつあるが、ともに意味的なつながりはない。TVドラマで『冬の恋歌(ソナタ)』というタイトル表記もあったが、韓国語タイトルが『冬恋歌』で、日本語タイトルが『冬のソナタ』。ソナタと恋の歌は関係ない。
ソプラノ
 soprano
女声の最高声域。
ソレアレス
 soleares, 単数形はsolea(西)
アンダルシアの舞曲。「孤独soledad」のアンダルシア訛りに由来する。
ターフェルムジーク
 tafelmusik(独)
意味は「食卓の音楽」。テレマンの曲が有名。
対位法
 Kontrapunkt(独)
独立性の強い複数の旋律を調和させて楽曲を構成する作曲技法。コントラプンクト。
ダ・カーポ
 da capo(伊)
「はじめから、もう一度、再び」の意。曲の先頭に戻って演奏をくり返す指示記号。略号D.C.。
タクスィーム(タクシーム)
 taqsīm(アラビア)、taksīm〈トルコ〉
アラブやトルコの、独奏楽器による即興演奏。
タブラ
 tabla
インドの小太鼓。
タブラトゥーラ(タブラチュア)
 tablatura(伊・スペイン)
 tablature(英・仏)
 tabulatur(独)
五線譜を用いず、文字や数字、記号を使っていた昔の楽譜の表記法(記譜法)。楽譜表。
タランテラ(タランテッラ)
 tarantella(伊)tarentelle(仏)
ナポリのテンポの早い舞曲。
ダルシマー
 dulcimer(英)
梯形の打弦楽器。ハンマーで弦をたたいて音を出す。ハンマー・ダルシマーhammer dulcimerとも。
タンゴ
 tango
アフリカ西海岸の黒人が南米ラプラタ地方にもたらした音楽「カンドンベ」を起源に持つ音楽。20世紀に入ってアルゼンチンで隆盛を極め(アルゼンチンタンゴ)、ヨーロッパへと波及した(コンチネンタルタンゴ)。現在はバンドネオンをメインに演奏されることが多い。
短調
 Moll(独)
短音階の旋律。悲しげな旋律になることが多い。
チェルニー(ツェルニー)
 Carl Czerny(独)
オーストリアの作曲家。ピアノ練習曲集が教本として愛用されている。
チェンバロ(ハープシコード)
 cembalo(伊)
ピアノの前身で、音の強弱はつけられない。クラヴサンclavecin(仏)とも。
チクルス → ツィクルス
チター(ツィター)
 Zither
板状のボディに弦が平行に張られたシンプルな撥弦楽器。弦の数は一定していない。
チャコーナ → シャコンヌ
チャルダッシュ(チャールダーシュ、チャルダーシュ)
 Csardas [Csárdás](ハンガリー)
四分の二拍子のハンガリーの民族舞踊。ゆっくりした導入部から、一転してテンポの速い旋律へ転換するところに特徴がある。モンティの曲が知られる他、リストの狂詩曲第2番の一部などに使われている。
チャルメラ(チャルメル)
 (ポルトガル) charmera
ヨーロッパの木管楽器の一種。日本の屋台で使われるチャルメラは中東起源の中国の楽器、スオナーであり、名称と一致していない。屋台チャルメラの音程は、ソラシーラソ、ソラシラソラーという簡単な旋律で、素人でも即日で吹ける。
チャンター
 chanter(英)
歌い手。聖歌隊員。あるいはバグパイプの主唱管。
チューン → 旋律名
長調
 Dur(独)
長音階の旋律。明るい旋律になることが多い。
ツィクルス
 Zyklus(独)
連続演奏会のこと。チクルスとも。
ツィゴイネルワイゼン(チゴイネルワイゼン、チゴイナーワイゼン)
 zigeunerweisen
意味は「ジプシーの旋律」。
ツィンバロン
 cimbalom
ハンガリーのサントゥール風の打弦楽器。
通称
 nickname(英)
「愛称」とも。人の口に上ることの多い著明な曲につけられる名前。呼び習わす際の利便性が主目的ながら、音楽ディスクメーカーの営業方針にも左右される。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のように、一人の作曲家の同一楽曲形式の曲が唯一の場合は通常つけない。日本人は通称好きのようで、海外では通用しない通称が多数ある。
通奏低音(コンティヌオ)
 basso continuo(伊)
 thoroughbass(英)
与えられた数字付きの低音の上に即興で和音を補いながら伴奏声部を完成させる技法。数字付きのバス。低音をだらだら鳴らしてるという意味ではけっしてない。
ディアトニック
 diatonic(英)diatonische(独)
 distonique(仏)
全音階の。
ディーヴァ
 diva(伊)
「女神」の意。オペラの花形歌手。プリマドンナ。歌姫。
DVD
 digital versatile disk(英)
デジタル記録による多用途の記録媒体。5インチ(12センチ)のディスク。映像の記録媒体として使われることが多い。versatile=多用途
ディヴェルティメント(嬉遊曲)
 divertimento(伊)
編成の小さい器楽合奏曲の一種。
ディエス・イレ
 Dies Irae(ラテン)
「怒りの日」の意。レクイエムの重要な一節。
ティン・パン・アレー
 tin pan alley(英)
元はニューヨーク、マンハッタンの地名。地名での表記は各単語の語頭が大文字。この地にひしめいていた音楽会社での試演が、鍋釜を叩きまくってるような賑やかさであったことからついた名前。同名の日本の音楽バンドはよく知られている。バンド名の場合も単語の語頭は大文字。
ティン・ホイッスル
 tin whistle(英)
ティン・ホイッスル
指穴6コの、金属製のシンプルな構造の縦笛。リコーダーと違い、裏側には穴が空いてない。ホイッスル、もしくはウィッスルと略すこともある。ニ調が一般的だが、ハ調などの笛もある。ニ調の場合、最低音はレで、2オクターヴ以上吹ける。低音域のロウ・ホイッスルもある。
テオルボ
 Theorbo(英)
 Theorbe [Théorbe](仏)
 Tiorba(伊)
リュート族の撥弦楽器。バロック音楽で主に通奏低音楽器として使われた。
テ・デウム
 Te Deum(ラテン)
神の恵みを感謝する祈りの歌。
テノール(テナー)
 tenor
男声最高声域。
テルミン(テレミン)
 theremin(ロシア)
電子楽器の一つ。ロシアのレオン・テルミンLeon Termenが発明。手を触れないで演奏するという、トンデモな楽器。テルミン博士とテルミンを描いたドキュメンタリ『テルミン』がある。
伝承曲
 tradition music(英)
作者不明の曲。作者を確認もせずにtraditionalと表記している例が多いので、注意。伝承歌はtraditional song。tradと略すと、海外では通じない可能性が高い。
ドイチェ番号 → 作品番号
ドゥーブル
 double(仏)
中間部や最後に置かれる変奏部分。
トゥッティ
 tutti(伊)
すべての奏者、または歌手が演奏に参加すること指示する用語。全合奏。総奏。同一旋律となると「ユニゾン」となる。
ドゥムカ
 Dumka
「哀歌」と訳される。ポーランドに起源を持ち、 緩急2つの部分、哀愁をおびた部分と情熱的な部分から構成される。叙事的民謡。
童謡
 nursery rhyme(英)
大正時代以降、子供向けに作曲された歌。狭義では伝承歌としての(作者不明の)わらべ歌と区別されるが、広義ではわらべ歌を含むこともある。また、学校で教わる唱歌とも、厳密には区別される。唱歌にくらべ、題材、曲調とも制約がないため、ヴァラエティに富む。子供向けに限定した歌は、日本以外ではあまり作られていない。質・量ともに豊富な日本の文化コンテンツとして、今後の活用が期待される。
トゥルディオン(トルディオン)
 Tordion
16世紀の前半に盛んになったフランスの舞曲です。アテニャンの曲が知られている。
トッカータ
 toccata(伊)
自由な形式による鍵盤曲。
ドデカフォニー → 十二音音楽
都々逸(都都逸) 七・七・七・五の音数律で読まれる定型詩。江戸時代の初世都々逸坊扇歌が始めたと言われている。
トナ(トーニャ)
 tona, toná, toña(西)
伴奏も踊りもない、歌だけのフラメンコ。
トラッド(トラディショナル)
 trad. (traditional)(英)
各地域の伝統的な音楽。もしくは伝統的な音楽をベースにした音楽。
トランスクリプション
 Transkription(独)
 transcription(英)
楽曲を他の楽器による演奏に編曲すること。
トリオ・ソナタ
 trio sonata
二つの旋律楽器と通奏低音によって演奏されるソナタ形式の曲。
トリル
 trill
装飾音の一種。二度以上の高低の音を交互に速く弾くこと。顫音(せんおん)。
トルディオン → トゥルディオン
トレパーク
 трепак(露)
 trepac [trépac](仏)
ロシアやウクライナの四分の二拍子の激しい農民舞曲。ロシア舞曲とも呼ばれる。『くるみ割り人形』の中の曲がよく知られている。
ドレミファソラシ
 Do, Re, Mi, Fa, Sol, La, Si
音階の呼び方の代表的なもの。イロハニホヘト、CDEFGABなど、いろいろある。起源はヨハネ賛歌の歌詞の各行最初の音を取って並べたUt, Re, Mi, Fa, Sol, La, Si。レはレモンではなく、Resonare。/td>
トレモロ
 tremolo(伊)
同一音の急速度の反復。ふるえるような装飾音。震音ともいう。音程の不確かな弦楽器奏者がふるわせてごまかすことがあるが、これは不審音という。
トロイメライ
 traumerei [träumerei](独)
シューマンのピアノ曲のタイトル。意味は「夢見ること」。
ドローン
 drone(英)
持続低音。単音で変化のない長い音。演奏者が居眠っているわけではない。空を飛ぶ機械も同じ「ドローンdrone」。
トンボー
 tombeau(仏)
哀悼曲。元の意味は「墓」。
七重奏曲
 septet(英)
七つの楽器の合奏による室内楽曲。
ニッケルハルパ
(ニッケル・アルパ)
 nyckelharpa
スウェーデンの土着楽器。ドローン(持続音)用の4弦と、弓奏しない12本の共鳴弦と、弦を押さえるための鍵盤を持ったフィドル(ヴァイオリン)。14世紀頃より作られたとされている。
ノヴェレッテ
 novellette(独)
意味は「短い小説」。ロマンティックで物語を語るようなピアノ小品。
ノエル
 noel [noël](仏)
クリスマスの歌。 クリスマスソング
ノクターン
(夜想曲、ノクチュルヌ)
 nocturn(英)nocturne(仏)
ジョン・フィールドが創始し、ショパンが名作を数多く作曲したピアノのための小品。静かで叙情的な曲。
ノルディック・トラッド → 北欧トラッド
ハーディ・ガーディ
 hurdy-gurdy(英)
古い民族楽器。バロック音楽から乞食の物乞いにまで広く使われた。棹のない弦楽器で、ふいごで空気を送り込む。最近また見直されて復活してきている。フランス語ではヴィエル・ア・ル、スペイン語はビオラ・デ・ルエダ。
ハープシコード harpsichord(英) → チェンパロ
バーレスク
 burlesque(仏)burlesca(伊)
 burlesk(独)
滑稽物のショー。音楽入りの風刺喜劇。
バーレッタ
 burletta(伊)
音楽入りの道化劇、茶番劇。
ハイランド・パイプ
 highland pipes(英)
スコットランドのバグパイプ。口で袋に空気を送り込み、袋を押さえて音を出す。
パヴァーヌ(パヴァン)
 pavane, pavan(仏)
16世紀に流行したゆるやかな二拍子系の宮廷舞曲。あるいは独立した器楽曲。
端唄
 
三味線弾き語り音楽の一つ。江戸時代の短い歌謡の総称。
バウロン(ボーラン)
 bodhran
ボズラン、ボワランともいう。片面に山羊革を張った太鼓。民族音楽に使用される。
ご当地のアイルランドでは、バウロン奏者は嫌われ、セッションでは白い目で見られるそうです。場とタイミングをわきまえず大きな音を出し、無粋に鳴らす輩が少なくないということで。貧乏なバウロン奏者が一人亡くなった時、葬儀費用すらないので、仲間のミュージシャンがパブで1シリングずつのカンパを集めたことがありました。一人のフィドラーが「何のカンパだ?」と聞いたので、「バウロン奏者が一人亡くなったので、葬儀のために1シリングずつの集めてるんです」と言ったところ、フィドラーは2シリング放って、「これでバウロン奏者を二人葬ってくれ」と、言ったとか。
バガテル
 Bagatelle(仏・独・英)
ピアノの小品。原意は「つまらないもの」。
バグパイプ
 bagpipe(英)
風笛。ヨーロッパを中心とした各国の民族音楽で用いられる楽器。袋に息を吹き込むタイプが主流だが、アイルランドではふいごで空気を送り込むイーリアン・パイプス(イルンパイプ)uilleann pipesが使われている。 → イリアン・パイプス → ハイランド・パイプ
ギリシアのバグパイプはツァンブーナtsambouna、ハンガリーのバグパイプはドゥーダdudaという。
バス
 Bass
人声中、最も低い音の声域。
パストラル(パストラーレ)
 pastorale (pastoral)(英)
牧歌。舞曲風の田園的なのどかな曲。
パスピエ
 passepied(仏)
ブルターニュに起源を持つ17〜18世紀の古典舞曲。ドビュッシーが『ベルガマスク組曲』に入れているほか、バッハが管弦楽組曲に取り入れている。
パソドブレ
 Paso doble(西)
闘牛とフラメンコをイメージした舞曲。『マカレーナの聖処女』がよく知られている。
八重奏曲
 octet(英)
八つの楽器の合奏による室内楽曲。
パッサカリア
 passacaglia(伊)pasacalle(西)
 passacaille(仏)passacalia(独)
スペイン起源のゆるやかな三拍子の舞曲。組曲に取り入れられ、終曲として用いられた。
初音ミク
 Hatsune Miku
クリプトン・フューチャー・メディアの音声合成・デスクトップミュージック用のボーカル音源。またはそのキャラクター。ヤマハのボーカロイド(ボカロ)に対応した音源。
バディネリ(バディヌリ)
 badinerie(仏)
意味は「からかい」。ユーモラスで陽気な速い楽章の名称に用いられた。
パ・ド・ドゥ
 pas de deux(仏)
バレエで男女が一対になって踊る踊り。
ハバネラ
 habanera(西)
意味は「ハバナの」。二拍子系の舞曲。
バヤン(バヤーン)
 Bayan
ロシアやウクライナの民族楽器。ボタン・アコーディオンと形状が似ている。ソフィア・グバイドゥーリナがいくつかの曲で使用。それを映画監督のヨルゴス・ランティモスが『聖なる鹿殺し』で、ホラー演出の効果音として利用した。
バラード
 ballade(仏)
ゆったりしたテンポの曲。
バラッド(譚詩曲)
 ballad(英)
物語性のある歌曲や器楽曲。
バラライカ
 балалайка(露) Balalaika(英)
ロシアの弦楽器。共鳴胴が三角形をしている。
バリトン
 bariton
テノールとバスの中間声域。
バルカローレ
 Barcarolle(仏)
ゴンドラの舟歌。あるいはそれに由来する器楽曲や声楽曲。バルカロール。オッフェンバックの歌劇『ホフマン物語』が有名。
ハルダンゲル・ヴァイオリン
(ハーディングフェーレ)
 Hardanger Violin, Hardingfele
ノルウェーの民族楽器。通常、4本弦の下に4〜5本の共鳴弦(アンダーストリング)のあるヴァイオリン。
パルティータ
 partita(伊)
楽曲形式の一つで、組曲。 → 組曲
ハルモニウム
 harmonium(英)
西洋の古いリードオルガン。右手で鍵盤を弾き、左手でふいごを動かして空気を送り込む。民族音楽・ポピュラー音楽にも使われる。
バレエ
 ballet(英・仏) ballett(独)
 balletto(伊)
歌のない舞踊劇で、西洋の古典的な伝統芸能。発音は「バレー」だが、知的レヴェルの低い体育会系のヴァレーボールvolleyballが「バレー」と称して動かないため、便宜的に「バレエ」と表記している。
ハレルヤ(アレルヤ)
 hallelujah, halleluiah(英)
 alleluia(ラテン・仏・伊)
 halleluja(独)
ヘブライ語源で「主をほめたたえよ」。「あ〜した天気にしておくれ」と唱える。
バロック音楽
 baroque music(英)
17世紀初めから18世紀中ごろまでの西欧の音楽。その前のルネサンス時代よりも楽曲形式が急激に多様化した。baroqueは、もとは「形の悪い真珠」のフランス語。
挽歌(輓歌)
 Threnody(英)
人の死を悼む歌。
晩課(晩祷) → ヴェスペレ
パンソリ
 pansori
朝鮮半島の民俗芸能。太鼓の伴奏と、歌による語りを主体とする。
バンドネオン
 bandoneon
アコーディオンの仲間で、左右にボタンがある。広げる時と縮める時とでそれぞれのキーの音の高さが違う。アコーディオンより金属的な響きがある。アルゼンチン・タンゴで用いられるバンドネオン・ディアトニコbandoneon diatonicoと、コンチネンタル・タンゴに用いられるバンドネオン・クロマティコbandoneon cromaticoがある。
バンドワゴン
 bandwagon(英)
パレードの先頭をゆっくり走る、派手に飾り付けられた楽隊車。
ハンマー・ダルシマーhammer dulcimer → ダルシマー
ピアノ
 piano(英・仏・伊)
ピアノフォルテpianoforteの略。前身のチェンパロと違って、ピアノ(弱い音)もフォルテ(強い音)も自由に出せる鍵盤楽器。2003年9月23日に神戸市の松方ホールで、チェンパロ・フォルテピアノ・ピアノの鍵盤楽器三種を弾き分けるリサイタルがあったらしい。ピアノフォルテとフォルテピアノは何がどう違うの?
ピアノ・アコーディオン
 piano accordion(英)
鍵盤アコーディオン。ボタン・アコーディオンと対比させて言う場合の呼称。
ピアノ五重奏曲
 piano quintet(英)
弦楽四重奏曲にピアノを加えた編成の室内楽曲。
BWV → 作品番号
ピツィカート(ピチカート)
 pizzicato(伊)
ヴァイオリン属の弦楽器の弦を指で弾く奏法。たいがいは弓を持つ右手で弾くが、弦を押さえる左手で弾く奏法もある(サラサーテの『サパテアード』など)。
標題音楽
 programmed music(英)
自然現象や詩的情趣・絵画的対象などを描写した音楽。ふさわしい標題がつけられている。ドビュッシーの『海』など。その対極にあるのがライヒの『18人の音楽家のための音楽』などの、無味乾燥なタイトル。
ピリオド楽器
 period instrument(英)
作曲当時に使用されていた楽器。オリジナル楽器とも。
ヒルビリー
 hillbilly(英)
米国アパラチア山脈南部に伝わる民謡。
ファド
 fado(ポルトガル)
哀切感ただようポルトガルの民衆歌謡。
ファランドール
 farandole(仏)
プロヴァンス起源の舞曲。ビゼーの『アルルの女』第2組曲の4曲目が有名。
ファルセット
 falsetto
裏声、仮声、またはその技法。
ファンダンゴ
 fandango(西)
スペインの舞曲。軽快な三拍子で、ギター、カスタネット、タンバリンなどで伴奏される。
ファンドレイザー
 fundraiser(英)
オーケストラ・ファンドレイザーを略していう。寄付集めのプロ集団のこと。資金fundをかさ上げraiseするということ。オーケストラはごくごく少数を除き、寄付と援助がなければ成り立たないという存在矛盾を抱えている。
ファンファーレ
 fanfare(独・仏)
儀式や祭典の合図に用いられる、三和音だけ使ったトランペットの信号。
フィドラー
 fiddler
フィドル=ヴァイオリンだが、フィドラーとヴァイオリニストとではニュアンスが異なる。フィドラーには侮蔑的あるいは自虐的な意味合いがある。譜面がないと演奏できないのがヴァイオリニスト。譜面を読めないのがフィドラー。酒を飲んでしまうと演奏できないのがヴァイオリニスト。酒がないと演奏できないのがフィドラー。『屋根の上のバイオリン弾き』は、正しくはヴァイオリニストではなく、フィドラー。
フィルハーモニー
 philharmonie(独) philharmonic(英)
「音楽愛好」を意味する。フィルは「好む」という意味。オーケストラ名に使用され、日本では「〜フィル」と略す。大阪フィルハーモニー管弦楽団は大フィルだが、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をベル・フィルとは呼ばない。
フーガ(遁走曲)
 fuga(伊) fugue(英)
主題とその模倣が交互に現われる、対位法による多声音楽の形式。
ブーレー(ブーレ)
 bourree [bourrée](仏)
速い二拍子系のフランス舞曲。組曲に取り入れられる。
フォリア → ラ・フォリア
ブギウギ
 boogie-woogie(英)
「ブギ」と略されることもある。ピアノで演奏されるブルースを意味するが、概念が定まっているとは言えない。宇崎竜童の曲はピアノに関係なさそうだし、『シャコタン・ブギ』に至ってはその概念は理解不能。
舞曲
 tanzmusik(独)
 musique de danse(仏)
 dance music(英)
舞踊のための音楽。だが、舞踊とは無関係に組曲の楽章として多く用いられた。種類は数多い。数えてはいないけど、数百種ぐらいか。
ブズーキ
 bouzouki
ギリシャ起源の撥弦楽器。胴はマンドリン型。
ブラヴォー(ブラーヴォ)
 bravo(伊)
「うまいぞ、すごいぞ」という意味。演奏家をうまく乗せることでよい演奏を引き出せるので、誇張ではあっても「すごい、すごい」と言ってあげることは大事。
フラウト・トラヴェルソ
 flauto traverso(伊・英・独)
フルートの前身となる木管楽器。トラヴェルソはイタリア語で「横の」。横型フルートという訳語があるが、そもそもフルートは横型。
フラッシュモブ
 flash mob(英) flashmob(英)
ネット上や口コミで呼びかけた不特定多数が公共の場に集まり、通りすがりを装ってダンスや演奏などの輪へ徐々に加わっていくパフォーマンス。
フラメンコ
 flamenco(西)
スペイン南部のアンダルシア地方に伝わるジプシー系の民謡と舞踏。ギターを伴奏にした情熱的で激しい踊りが特徴。
ブランデンブルク
 Brandenburg(独)
ドイツの地名でもあるが、バッハから協奏曲の献呈を受けた伯爵の名前。
ブランル
 branle, branles(仏)
16〜17世紀に流行した舞曲。「振動」という意味がある。
フリアント
 furiant
チェコの民族舞曲の一種。3拍子で書かれるが、変則的なリズムと急速なテンポを併せ持つ。
プリマドンナ
 prima donna(伊)
歌劇団の中の第1位の女性歌手。主役を務める女性歌手。けっして、「鈍なプリマ」ではありません。
ブルーグラス
 bluegrass music(英)
米国アパラチアに入植したアイルランド人が、アイルランド音楽をベースにしてアコースティック楽器による音楽を発展させた、その音楽ジャンル。カントリー・ミュージックの源流の一つ。
プレリュード → 前奏曲
フレンチ・カンカン → カンカン
プロ
 professional(英)
「プロフェッショナル」の略。ミュージシャンのプロとは、人前で演奏しても恥ずかしくないレヴェルの人。お客様から料金をいただいてもいい人。それで生計を立てている人という意味ではない。世間的な平均より実入りがいいとは限らず、一般人より有名とは限らない。演奏活動で持ち出しのほうが多くても、プロ。演奏は一流でも、知識的には怪しい人が多いので、プロの言ってることをなんでもかんでも真に受けちゃいけない。
ブロックフローテ → リコーダー
平均律
 temperamewnt
オクターヴを平均的な音程に等分割した音律。十二平均律が一般的。
ベルガマスク(ベルガマスカ)
 bergamasca(伊)
 bergamask(英)
 bergamasque(仏)
イタリアのベルガモ地方で生まれた旋律。あるいは19世紀の8分の6拍子の速い舞曲。ドビュッシーのベルガマスク組曲はそれらの意味とは無関係にベルガモの農民を描出している。
ベルカント
 bel canto(伊)
意味は「美しい歌」。艶のある音色と響きの美しさを特徴とする歌唱技法。
ヘルベルト・フォン・カラヤン
 Hervert von Karajan(独)
独善的であこぎな音楽売人。ただし音を小器用にそろえる能力は一級品。貴族風の「フォン」は箔づけのための詐称。一般的には「帝王」と呼ばれる。
変奏曲
 valuation(英)
主題をいろんな方法で変化させて別作品に仕立て上げるリサイクル音楽。
ホイッスル → ティン・ホイッスル
ホーボーケン番号 → 作品番号
ボーカロイド
 VOCALOID
ヤマハが開発した声楽の音声制作ソフト。
ホーミー(ホーメイ)
 Khoomei, xoomei, xoomii [xöömii]
ロシア連邦トゥバ共和国に伝わる喉歌。アルタイ山脈周辺地域で広く伝わっている。
ボーラン → バウロン
ホーンパイプ
 hornpipe(英)
速い動きを伴う活発な舞曲。「角笛」という意味では使われていないようだ。
北欧トラッド
 Nordic traditional music(英)
北欧の伝統音楽、または伝統音楽に根ざした新作のポピュラー音楽。ノルディックともいう。ケルト音楽との違いがよくわからないという人には、「ケルトは少々音程が怪しくてもノリでイッてしまう音楽。北欧はそのへんをピシッとキメてしまう音楽」と説明することにしています(むちゃくちゃアバウト)。
ポコ・ア・ポコ
 poco a poco(伊)
「少しずつ」の意。
ボサノバ(ボサ=ノヴァ)
 bossa nova(ポルトガル)
ブラジルのサンバを都会風に垢抜けさせたもの(アバウトすぎ!)。
ホタ
 jota(西)
スペイン北部の民俗舞踊・民謡。
ボタン・アコーディオン → アコーディオン
ホモフォニー(和声音楽)
 homophony(英)
一つの旋律が主になり、他の旋律が従属する形で演奏される音楽。参照→ポリフォニー、モノフォニー
ホラ
 hora
ルーマニアの民族舞踊の一つで、スピーディーな動きが特徴。曲としてはディニクの『ホラ・スタッカート』、作曲者不詳の『口笛ホラ』がある。
ポリフォニー(多声音楽)
 polyphony(英)
 polyphonie(独・仏)
複数の旋律がからみ合い、平等のウェイトを持って奏される音楽。参照→ホモフォニー、モノフォニー
ポルカ
 polka(独・英)
チェコの民俗舞曲。速いテンポの二拍子の舞曲。
ポルスカ
 Polska
16世紀のポーランドの影響を受けた、多くのバリエーションを持つスウェーデンの旋回舞踏。 → 旋回舞踏
ボレロ
 bolero(スペイン)
スペインの舞踊につける舞曲。現在ではラヴェルの代表作を指すことが一般的。
ポロネーズ
 polonaise(仏) polonez(ポーランド)
ゆるやかな四分の三拍子のポーランドの舞曲。ボロネーズはパスタなので間違えないこと。
マザー・グースの歌
 Mother Goose Nursery Rhymes(英)
英国の童謡詩集。ナンセンス詩とも呼ばれ、節をつけて歌われるものが多い。
マズルカ
 mazurka, mazurek(ポーランド)
ポーランドの民族的な踊りにつける舞曲。ポーランド語では「マズレックmazurek」。ポーランドの土着の民族音楽を指すときは「農村マズルカ」と称される。
マタイ受難曲
 Matthauspassion(独)
マタイ福音書によるキリストの受難をテーマにした宗教音楽。
マドリガーレ(マドリガル)
 madrigale(伊) madrigal(英)
14世紀イタリアの詩に基づく多声楽曲。あるいは主として無伴奏の重唱による芸術的な多声歌曲。
マニフィカート(マニフィカト)
 magnificat(ラテン)
ルカ福音書1章のマリアの賛歌から歌詞をとった聖歌。
マヌーシュ
 Manouche(仏)
フランス中部以北からベルギー、オランダなどに暮らす非定住民族の通称。マヌーシュ・スウィングはスウィング・ジャズをジプシー的センスで解釈した音楽のことで、ジャンゴ・ラインハルトによってスタイルが確立された。関西ではカフェ・マヌーシュというグループが活動している。 →ジプシー
マ・メール・ロワ(マ・メール・ロア)
 Ma mère l'oye(仏)
「ガチョウおばさん」の意。ラヴェルがおとぎばなしを題材にして作った曲として知られる。
マラゲーニャ
 malaguena [malagueña](西)
スペインの舞曲の一種。「マラガ風の」という意味。アンダルシアのマラガ近郊に伝わるファンダンゴの一種。レクオーナやアルベニス、タレガ、ラヴェルらが曲集に取り入れている。
マリアッチ
 Mariachi(西)
メキシコの音楽を演奏する楽団のこと。ソンブレロにチャロというおなじみのスタイルで陽気に演奏。
マリンバ
 marimba(英)
アフリカ起源の木琴。個々の音板に共鳴管がついている。
マレット楽器
 mallet instruments(英)
マリンバやヴィブラフォンのように木づちでたたいて演奏する楽器。マレットはばち(木づち)のこと。
ミサ曲
 missa(ラテン・伊) messe(独・仏) mass(英)
ミサ典礼文の中で教会暦によっても変化しないミサ通常式文を作曲したもの。キリエ・グロリア・クレド・サンクトゥス・アニュス‐ディの5楽章形式をとることが多い。
ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)
 missa solemnis(ラテン)
カトリック教会の歌唱ミサ。
ミゼレーレ
 miserere(ラテン)
「哀れみ給え」の意。アレグリの曲で有名。
ミニアチュール
 miniature(英)
小曲のこと。"Overture Miniature"で「小序曲」。
ミニマル・ミュージック
 minimal music(英)
短い旋律の反復によって陶酔感や浮遊感を作り出す音楽。代表的な作曲家にスティーヴ・ライヒがいる。
ミュージカル
 musical(英)
オペレッタが米国に入って変容をとげたもの。歌うお芝居から歌って踊るお芝居となり、よりヴィジュアル化し、オペレッタが下火になった現在でも新作が作られている。
ミュゼット
 musette(仏)
もとはパグパイプの一種。田園ふうな趣の三拍子の古典舞曲。現在ではパリのカフェやバーのダンスミュージック。ダイハツの三輪自動車は、ミゼット。
ミロンガ
 milonga
アフリカの黒人奴隷とともに新大陸へやって来た歌と踊り。のちに白人によって洗練された民謡調の音楽となり、さらにそののちタンゴへと変遷していく。
ミンストレル
 menestrier(仏) minstrel(英)
中世の吟遊詩人、吟遊楽人。白人が黒人に扮して歌ったり踊ったりするのもミンストレルという。
民族音楽
 ethnic music(英) traditional music(英)
多くは作者不明の、地域ごとに発生した音楽で、世界中どこにでも存在する。
ミンネザング
 Minnesang(独)
12世紀から14世紀にかけて、ドイツの宮廷で行われた騎士の恋愛歌。
ミンネゼンガー
 minnesanger(独)
ミンネザングのミュージシャン。
無窮動
 mouvements perpetuels(仏)
 Perpetuum mobile(英)
 moto perpetuo(伊)
速い動きの同一音型が最初から最後まで間断なく続く曲。常動曲。
無言歌
 lied ohne worte(独)
歌曲のスタイルで書かれた器楽小曲。
メサイア
 Messiah(ヘブライ)
旧約聖書で出現を待望された救世主。本来は「メシア」だが、救世主が飯屋では有り難みが薄いので、日本では「メサイア」の表記が一般的。曲はヘンデルのオラトリオが有名。
メゾ・ソプラノ
 mezzo soprano
ソプラノとアルトの中間声域。
メヌエット
 menuett(独) menuet(仏)
 minuet(英) minuetto(伊)
四分の三拍子の優雅な舞曲。
木管楽器
 a woodwind instrument(英)
初期は木製であった管楽器の総称。現在、量産タイプは金属製か樹脂製がほとんど。
モテット
 motet(英・仏) motette(独)
 mottetto(伊) motetus(羅)
中世・ルネサンスで、宗教的な声楽曲をさすが、時代ごとに変遷してゆく。
モデラート
 moderato(伊)
中ぐらいの速さにという、速度標語。
モノフォニー(単旋律音楽)
 monophony(英)
たった一つの旋律によって奏される音楽。参照→ホモフォニー、ポリフォニー
夜想曲 → ノクターン
ユーフォニウム
(ユーフォニアム)
 euphonium(英)
主として吹奏楽に用いられる低音域の金管楽器。テューバの兄弟分。
ユニゾン
 unison(英)
全員が同じメロディーを歌うか、演奏すること。斉唱・斉奏とも。トゥッティも全員参加だが、一斉に同じというわけではない。
ユモレスク(ユーモレスク)
 humoresque(仏)
 Humoreske(独)
 umoresca(伊)
軽やかな気分の滑稽味のある小曲。ドヴォルザークの曲が有名。
ヨナ抜き音階 長音階の4番目(ファ)と7番目(シ)を抜いた「ド・レ・ミ・ソ・ラ」の五音階。日本的なメロディを生み出すのに用いられた。「ヨナ」は、明治時代の初め、音階を「ヒ・フ・ミ・ヨ・イ・ム・ナ」と呼んだことによる。
ヨハネ受難曲
 Johannes Passion(独)
ヨハネ伝福音書によるキリストの受難をテーマにした宗教音楽。
ヨハン・セバスチャン・バッハ
 Johann Sebastian Bach(独)
1685.3.21-1750.7.28 ドイツの作曲家。「ヨハン」は新約聖書のヨハネのドイツ語読み。「セバスチャン」はギリシャ語のσεβαζ「畏敬の念」から。「バッハ」はドイツ語の「小川」。バッハさんは小川さんです。
夜のガスパール
 gaspard de la nuit(仏)
ベルトランの散文詩。そのイメージを元にラヴェルがピアノ曲を作曲。ガスパールは男性の名前。または「ねずみ」の意。ちなみに筒井康隆の小説は『朝のガスパール』。
四手のための
 für 4 Händen / zu vier Händen(独)
つまり二人のピアニストのための。「三手のための」という曲も、少ないながらもあります。
ラールゴ → ラルゴ
ライナー・ノーツ
 liner notes(英)
ディスクのジャケットにある解説文。
ラ・カンパネラ → カンパネラ
ラグタイム
 ragtime(英)
ジャズの一要素となったピアノ演奏スタイル。シンコペーションのきいたリズムに対する名称。
ラグリマ、ラクリメ
 lagrima(スペイン)lachrimae(ラテン)
意味は「涙」。曲のタイトルによく使われる。『ラグリマ』は山岸凉子の漫画のタイトルに。
ラナート
 ranad ek (ranad)
タイの古典楽器である木琴。映画『風の前奏曲』で日本にも紹介された。
ラバーブ(ラバーバ)
 rabab (rababa)
イスラム圏のリュート型弦楽器の総称。
ラ・フォリア
 la folia [folía](スペイン)
 la folia(ポルトガル・伊)
 la folie(仏)
元は「気違いざた」というような意味の、イベリア半島起源の三拍子の舞曲。のちに舞曲から離れて和声と旋律の定型として広まる。多くの作曲家の手になるが、コレルリのヴァイオリン・ソナタ第12番がとりわけ有名。
ラプソディー(狂詩曲)
 rhapsody(英)Rhapsodie(独)
自由で幻想的な楽曲。狂想曲。
ラメント
 lament(英)lamento(独)
 lamentazione(伊)
死者を悼む音楽の総称。哀悼を表した詩や歌、楽曲。哀歌、嘆き歌、悲歌、挽歌。
ララバイ → 子守歌(子守唄)
ラルゴ(ラールゴ)
 largo(伊)
速度標語で「非常にゆっくりした速度で」。「表情豊かに」の意味もつけ加えられる。
リート
 Lied(独)
ドイツ語によるロマン派芸術歌曲。広義には歌曲全般をさす。
リール
 reel(英)
きわめて速いテンポの舞曲。「上海帰りのリールー」と言ってるリールは"little"。
リガーチュア(リガチュア)
 ligature(英)
スラーで連結された音符。もしくは、リードを固定する金具。
リコーダー
 recorder(英)
縦型フルート。リードのない縦笛の一種。ドイツ語はブロックフローテBlockflote [Blockflöte]。
リゴードン
 rigaudon, rogodon(仏)
17、18世紀に流行した、二人で踊る舞踏・舞曲。
リチェルカーレ
(リチェルカータ)
 ricercare (ricercata)(伊)
「ri = 再び」「cercare = 求める、捜しだす」。楽曲様式の一つで、主題を模倣し、変形または装飾させて展開させていく曲。バッハの『音楽の捧げ物』をじっくり聴いて理解してください。
リハーサル
 rehearsal(英)
演奏会の一部分だけを練習すること。通しで練習するのは「ゲネプロ」。
リブレット
 Libretto(伊)
オペラの台本、歌詞。
リベラ・メ
 libera me(ラテン)
赦祷式の答唱の冒頭句。「死から解放し給え」の意。
リュート
 lute(英) laute(独)
 luth(仏) liuto(伊)
 laud [laúd](西) luit(蘭)
撥弦楽器。洋梨型の共鳴胴とフレットを持つ棹からなる。アラビア語のアル・ウドai'ud(ウード)を起源に持つ。
リョーム番号 → 作品番号
リルティング
 lilting(英)
口三味線(くちじゃみせん)のこと。適当に母音と子音を組み合わせて歌う。スキャットに近い。意味は「うきうきした」。
輪唱
 round, troll(英)
同じ旋律を、一定の間隔を置いて次々重ねて歌ってゆく唱法。『かえるのうたがきこえてくるよ』みたいなの。
リンバLimba → 親指ピアノ
レガート
 regato(伊)
音のあいだを切れ目なく演奏すること。
レクイエム(レクィエム)
 requiem(ラテン)
死者のためのミサ。鎮魂曲。鎮魂ミサ曲。
レチタティーヴォ
 recitativo(伊)
歌劇で話すように歌う部分。あるいは歌わないで喋る部分。作曲家に支払われるギャラが少なくなると、レチタティーヴォ部分の比率が増大する。叙唱ともいう。
レドヴァ
 redowa(仏)、redova(伊)
ボヘミア起源のダンス曲。
練習曲 → エチュード
連弾
 a duet performance on the piano(英)
二人のピアニストが二台ではなく、一台のピアノ(またはピアノ以外の鍵盤楽器)を同時に演奏すること。経済的な事情によるものではなく、演奏形式として。二台使って演奏するのは「ピアノ二重奏」もしくは「ピアノ・デュオpiano duo」。なお、ピアノ二重奏は、ピアノ三重奏などのように、ピアノ一台+他の楽器の演奏を意味しない。
レント
 lento(伊)
速度標語で「ゆっくりと」。
レントラー
 Landler [Ländler](独)
オーストリアのランデル地方を起源とするゆるやかな舞曲。ざっくりシンプルに「ドイツ舞曲」と訳されることも。
六重奏曲
 sextet(英)
六つの楽器の合奏による室内楽曲。
ロマ → ジプシー
ロンド
 ronde(英・仏・伊)
反復主題部と挿入部が交互に現われる音楽形式。
ロンドー
 rondeau(仏)
独唱と合唱によるリフレインが交互にくり返される歌曲。輪舞曲。
わらべ歌(わらべうた、童歌)
 a children's song(英)
作者不明のまま、子供の間で伝承される歌。広義の童謡に含まれる。 → 童謡
ワルツ(円舞曲)
 waltz(英) walzer(独)
 valzer(伊) valse(仏)
三拍子の優美な舞曲。ごく稀に歌詞がつく(『美しき天然』)。

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