極楽page(トップページ)

クラシックが使われている映画(映画タイトル別)

映画に使われたクラシック音楽(作曲家・曲別)

映画に使われた賛美歌・国歌・伝承曲・大衆楽曲

当ページ https://funakoshiya.net/musik/unused.htm

映画に使われていない名曲あれこれ   

いまだ映画に使われていない音楽から、名曲をよりすぐりました。
 こんな曲もあるのですから、使ってみてください、映画関係者さん。
from: 2017.2.6  


ジュゼッペ・タルティーニ Giuseppe Tartini 1692.4.8-1770.2.26 イタリア
 12のソナタと1曲のパストラールよりパストラール イ長調 Pastorale la maggiore Op.1-13

 ヴァイオリン曲。こんな名曲がまだ映画にないとは。呆れてしまう。


ジャン・フランチェスコ・マリピエロ Gian Francesco Malipiero 1882.3.18-1973.8.1 イタリア

 マリピエロの曲を使った映画が今のところゼロというのに驚いた。代表曲に何があるか。交響曲やオペラ、ピアノ協奏曲がたくさんある。何が代表曲と言えるんだろう。僕の乏しい音楽的な知識では断定できません。

 とりあえず弦楽四重奏曲第1番を聴いてみてください。


フェリックス・メンデルスゾーン Felix Mendelssohn-Bartholdy 1809.2.3-1847.11.4 ドイツ

 弦楽四重奏の4つの小品 Op.81

 「アンダンテ」「スケルツォ」「カプリッチオ」「フーガ」の4曲。メンデルスゾーンの室内楽は「地味」というイメージがありすぎですが、この曲などは偏見を取り除くのにはいいかと。ビギナーでも安心して聞けます。


スティーヴ・ライヒ Steve Reich 1936.10.3- 米国

 ミニマルミュージック『6台のマリンバ 6 Marimbas』

 『6台のピアノ』の改作ヴァージョン。どちらも映画に使用されていない。

 ライヒの代表作が何になるかは主観によって変わるのでなんとも言えない。個人的には『6台のマリンバ』を推したい。この曲を聴くと瞑想状態になるのです。聴きながら自己暗示をかけて仕事モードに突入するのです。


吉松隆 Yoshimatsu Takashi 1953.3.18- 日本

 ピアノ組曲『プレイアデス舞曲集 Pleiades Dances』

 吉松隆の曲はまだ映画では使われていない。けっして使いにくい音楽ではない、と思うのだが。

 舞曲集は第1集から第9集まである。

第5集より『前奏曲の映像』『暗い朝のパヴァーヌ』『午後の舞曲』『傾いた哀歌』
『夕暮れのアラベスク』『真夜中のノエル』『ロンドの風景』(演奏者不明)


ハインリッヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー Heinrich Ignaz Franz von Biber 1644.8.12-1704.5.3 オーストリア

 16のソナタ 16 Sonaten(『ロザリオのソナタ集 The Rosary Sonatas』)

 ヴァイオリン・ソナタ集です。ビーバーもまた映画から完全に黙殺されている作曲家。

 ラスト16曲目の"Sonata of the Guardian Angel"と題された曲はパッサカリアpassacagliaとも呼ばれる。聴くならここ。

少々長いのでパッサカリアだけ。Performer:ガブリエレ・ヴンシュGabrielle Wunsch


ディオニシオ・アグアド Dionisio Aguado y García 1784.4.8-1849.12.29 スペイン

 ギター独奏曲『華麗なロンド Trois Rondo Brillants』Op.2

 軽快で洒脱で美しいメロディ。ギターの代表的名曲です。知らなきゃモグリの音楽ファン呼ばわりされてもしかたないぐらい。

performer: Giacomo Susani


ジャン=フィリップ・ラモー Jean-Philippe Rameau 1683.9.25-1764.9.12 フランス

 クラヴサン曲集第5組曲第7曲〈未開人 Les sauvages〉

 映画界が見落としている名曲の一つ。鍵盤曲ですが、オーケストラヴァージョンもあります。

 原題のソバージュ(フランス語)には野蛮とか野生的とかいう意味があります。タイトルに似合わない垢抜けた曲調です。

スピーディーな演奏で、短い。


ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach 1685.3.21-1750.7.28 ドイツ

 ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ(全6曲) BWV.1014-1019

 バッハの頂点といっても過言ではない名曲集。この中で映画に使われているのは第3番の第3楽章のみです。よさが広く知れわたってないんじゃないかと思いたくなる。
 6曲の中の4番(BWV.1017)を。ヴァイオリンとピアノのペアで。
 ヘンリク・シェリングとヘルムート・ヴァルヒァの演奏はなぜか抹消されてしまいました。


エルネスト・ナザレー(エルネスト・ジュリオ・ジ・ナザレ)  Ernesto Júlio de Nazareth (Ernesto Nazare) 1863.3.20-1934.2.4 ブラジル

 ピアノ曲『オデオン Odeon』

 ナザレーの代表曲で、最もポピュラーな曲。不思議なことに、この曲が映画に使われず、これ以外では複数の彼の曲が使われている。

ここはギターのヴァージョンで。


米国の歌『灯台守 The Golden Rule』

 ポピュラーな歌なのに情報が乏しく、大半が間違って伝えているという悲しむべき曲。賛美歌『天なる神には』を原曲としてたり(少し似てるが別の歌)、唱歌集などではいまだに英国の曲としている。しっかり確認することなく、間違った情報をコピペするウェブ世界の情けない悪習!

 日本語詞の作詞は勝承夫です。ですが、日本発のYouTube投稿はすべて原曲に関して間違って表記をしてるので、外します。韓国語版です。


レイナルド・アーン Reynaldo Hahn 1874.8.9-1947.1.28 フランス

 歌曲『クロリスに À Chloris』 詩:テオフィル・ド・ヴィオーThéophile de Viau

 海外のテレビでは1本、使用例があるようですが、現物を確認してません。それ以外、映画もアニメも使っている例が見つからない。アーンの代表作で、静かな名曲です。

 歌はスーザン・グラハムSusan Graham。伴奏のピアノはロジェ・ヴィニョールズRoger Vignoles。


ジュゼッペ・タルティーニ Giuseppe Tartini 1692.4.8-1770.2.26 イタリア

 ヴァイオリン協奏曲 D.45 ニ短調 第2楽章 Grave

 タルティーニをもう一曲。この人は『悪魔のトリル』しかないような誤解でもあるのか、他の名曲が見過ごされている。ちょっと聴いてよこの厳かな名曲を。

6:41

ヘンリク・ヴィエニャフスキ(ヴィニャフスキ) Henryk Wieniawski 1835.7.10-1880.4.12 ポーランド

 『カプリッチョ・ワルツ(奇想円舞曲)Capriccio-valse』Op.7

 ヴァイオリン曲といえばこれもまた。魅力的なヴァイオリン曲を一つ、忘れ去られないよう置いておかねば。

 ヤシャ・ハイフェッツJascha Heifetzの演奏で。


ヘロニモ・ヒメネス Jerónimo Giménez 1854.10.10-1923.2.19 スペイン

 サルスエラ Zarzuela『テンプラニカ La tempranica』より〈サパテアード Zapateado〉

 サルスエラはスペインのオペラです。ヒメネスも映画に使われた曲がありません。サパテアードは魅力的と思うんですけど。

 同じサパテアードでも、サラサーテのはちょくちょく使われています。  ビクトリア・デ・ロサンヘレスVictoria de los Angelesのライブ映像があります。1分43秒と短いです。


ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach 1685.3.21-1750.7.28 ドイツ

 クラヴィア小品集『4つのデュエット 4 Duets』BWV.802-805

 バッハの名曲の中では知名度が低そうなので、特にあげておくことにします。

 ズザナ・ルージチコヴァーZuzana Růžičkováのチェンバロで。


アルカンジェロ・コレッリ(コレルリ)  Arcagelo Corelli 1653.2.17-1713.1.8 イタリア
 ヴァイオリン・ソナタ第11番Op.5-11

 バッハより少し前の時代の作曲家。『ラ・フォリア La folia』や『クリスマス協奏曲 La notte di Natale』のような通称のあるものは映画に使われるが、ないものは軽視される。

 コレッリはゆったりした楽章から入る曲が大半なので、とっつきにくいんでしょう。

 ヴァイオリン・ソナタ第11番の第2楽章のみという演奏。誰が演奏してるのか、皆目不明です。

 ちなみこの曲、第5楽章は一つだけ使用例あり。


ジョン・ダウランド John Dowland 1563-1626.2.20 英国

 世俗歌曲『女心をつかむコツ Fine knacks for ladies』

 要するに流行歌です。陽気な歌。

 perform by: The DwsChorale


マヌエル・デ・ファリャ Manuel de Falla 1876.11.23-1946.11.14 スペイン

 スペイン舞曲 第1番(歌劇『はかない人生 La vida breve』から)

 ファリャはバレエ組曲『恋は魔術師』しか映画に使われていません。

 いろいろあれど、ギターとチェロのヴァージョンで。

 ギター:イョラン・セルシェルGöran Söllscher チェロ:ジャン・ワンJian Wang


ピーター・フィリップスPeter Philips『半音階的パヴァーヌへのガイヤルド』

 ハープシコードの曲ですが、ギターで。ファビオ・ザノンFabio Zanonの演奏。

 ピーター・フィリップスも映画世界では黙殺されています。

 見当たらないので自分で投稿しました。


織田英子の『ザッパイ(元気あふれる)』(1996年)

 サクソフォーン4重奏楽譜 東回りの風

 オリママの作曲部屋

 この曲だけの投稿がなかったので、簡単な映像を入れて投稿してしまいました。


エミリオ・プホール(プジョル) Emilio Pujol 1886.4.7-1980.11.15 スペイン

 ギター曲『トナディーリャ Tonadilla』

 プホールも映画での使用例がありません。

 Performed by Kristinn Árnason


ポール・リード Paul Reade 1943-1997.6.7 英国

 組曲『ヴィクトリア朝キッチン・ガーデン Victorian Kitchen Garden』

 Prelude, Spring, Mists, Exotica, Summerの5曲からなる。

 リードの曲も映画での使用が見当たりません。

 Clarinet: Bobo Yotzov
 Piano: Ogniana Sokolova


エドワード・エルガー Sir Edward Elgar

 『ミーナ Mina』

 心優しさが感じられる名曲。聴き込むにつれ、愛情が感じ取れるようになる。エルガーの遺作で、愛犬の名前だそうです。


パーシー・グレインジャー Percy Aldridge Grainger 1882.7.8-1961.2.20 豪→米

 『岸辺のモリー Molly on the shore』

 この曲が未使用で残っていたとは。大きな欠落です。

 映画に使うには用途が限られると思う人が多いかもしれない。僕個人は、用途の広い音楽だと思っています。

 ちなみにモリーは人間の女性のことだと思います(たぶん)。


ヨハネス・ブラームス Johannes Brahms 1833.5.7-1897.4.3 ドイツ

 ハイドンの主題による変奏曲 Variationen über ein Thema von Joseph Haydn Op.56a

 意外な曲が漏れてた。というより、これはそういうタイトルだったんだ、と気づいたというか。

 これは管弦楽版。ピアノ版はOp.56bです。


トルコの歌『ウスクダラ Uska Dara』

 意外にも映画に使用された例が少ない。知名度を考えればもっとありそうなのに。日本公開作では最近見つかった『猫が教えてくれたこと』(ジェイダ・トルン監督、2016年)のみ。

 歌としての完成度が最も高いおおたか静流のヴァージョンで。


アイレンベルク Richard Eilenberg『森の水車 Die Mühle im Schwarzwald』

 超有名曲で映画未使用が出てきました。

 米山正夫の曲に、まったく異なる同名の歌がありますが、こちらも未使用。

 モック木管五重奏団によるアンサンブルで。


ルドヴィコ・エイナウディ Ludovico Einaudi 1955.11.23- イタリア

 『予期せぬ日 Giorni dispari』

 エイナウディはまだこの曲が出てませんでした。ピアノの名曲。


作曲者不明の『あの瞳は今いずこに Dove son quei fieri occhi?』

 16世紀ぐらいのリュート曲です。

 『沈黙』(篠田正浩、1971年)のテーマ曲として使われている。もっと注目されていい曲だと思う。

 短い曲です。ギター演奏はパスカル・ラウルトPascal Rault


フリッツ・クライスラー Fritz Kreisler 1875.2.2-1962.1.29 オーストリア

 『シチリアーナとリゴードンSicilienne et Rigaudon』

 クライスラーは映画に使用されたのがわずか4曲のみ。

 ヴァイオリンの名品多し。もっと光を。


ドメニコ・ガブリエッリ Domenico Gabrielli 1651.4.15-1690.7.10 イタリア

 二つのチェロのためのカノンCanon for 2 cellos

 ガブリエッリも映画での使用例がありません。

 2分余りと、短いです。


クライスラー『ベートーヴェンの主題によるロンディーノ』

 原曲はロンド ト長調 Rondo WoO.41

 ベートーヴェンとは名ばかりのオリジナルかと思われた曲ですが、原曲がありました。原曲を凌駕した名曲です。

 アルトゥール・グリュミオーArthur Grumiauxのヴァイオリンとイストヴァン・ハデュIstvan Hajduのピアノで。


中世のクリスマス・キャロル『今日こそは声高く(この日に歌え)Personent hodie』

 明るく美しい歌。マイナーな存在として埋もれさせるには惜しい。


ポール・ドレッシャーPaul Dresher『ウォーター・ドリームス Water Dreams』

 具体音楽の一種です。伝説的な名曲。


ヨハン・パッヘルベルJohann Pachelbel

 チャコーナ(シャコンヌ)Ciaccona ヘ短調 T.206

 シャコンヌの名曲の一つが映画から見当たりません。