『プライベート・ライアン』
1998年度作品
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、マット・デイモン、トム・サイズモア、エドワード・バー
ンズ、バリー・ペッパー、アダム・ゴールドバーグ、ヴィン・ディーゼル、
ジョヴァンニ・リビシ、ジェレミー・デイビス、ほか
原題:Saving Private Ryan
配給:UIP
『プライベート・ライアン』は、スピルバーグの監督作品の中でベストの評価を与
えています。個々のシーンの演出や画面設計で非凡なセンスが噴出している。監督の
中でも、最も充実した仕事だったと言えるのではないでしょうか。
ここでそれらについて語り尽くそうというのではなく、ちょっと引っかかているポ
イントについて書きたい。冒頭の墓地で、老人が第二次世界大戦を回想する。そこか
ら回想の中のオマハビーチでの、ミラー大尉(トム・ハンクス)を中心とした中隊の
戦いのシーンに移る。
シーンつながりから観客は、墓地の老人がミラー大尉だと認識するわけです。ここ
が違っている。老人は、終盤に登場するライアン二等兵であったことがラストで明か
される。意図的な欺きだが、冒頭シーンがつながらなくなるので、反則に等しい演出
だと思う。
もう一つ、これは編集ミスなんだけど、8人の小隊の中のカパーゾ二等兵(ヴィン
・ディーゼル)が戦死したあと、前線へ向かう小隊を遠景でとらえる短いシーンがあ
る。顔は見えないが、8人いるのはわかると思う。

僕の知る限りでは、映画のチョンボ集に挙げられたことはなかった。こんな明白な
ミスを誰も気づかなかった、ということがありうるだろうか。
このシーンのあとの戦闘でウェイド技能兵(ジョヴァンニ・リビシ)が死亡。ジョ
ヴァンニが序盤に戦死。なんて、狙ってないっすよね
2023.3.4 |