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Contents
・『おだやかな日常』
・最近の注目株 レア・セドゥ
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◎ 公開中の新作から……… 『おだやかな日常』 2012年度作品
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監督:内田伸輝
出演:杉野希妃/篠原友希子/山本剛史/渡辺杏実/小柳友/渡辺真起子/山田真
歩/西山真来/志賀廣太郎/寺島進/古舘寛治、ほか
配給:和エンタテインメント
内田伸輝監督は気になってたが、なかなか観る機会がなかった。新作は3・11地
震・津波・原発事故の直後の、人々の行動をドラマにしている。ドキュメンタリでは
ない。
舞台は東京だが、サエコ(杉野希妃)は放射能汚染に過剰反応して周囲から浮いて
しまう。不安を煽ってると周囲からののしられる。大半の人は「たいしたことないよ」
と言ってるものの、それは不安心理の裏返しで、不安を押し殺すため「たいしたこと
ない」と言い聞かせてるにすぎないことが後半わかってくる。
役者たちが芯の通った演技を見せるが、とりわけ第二の主役であるユカコを演じる
篠原友希子の腰の据わった演技に見とれた。今まで見たことないし、名前も知らない。
ドラマはドキュメンタリにない強さを見せることがある。おそらくこれは3・11
を扱った大量の映画の中でベストだろう。震災を扱って評価にゲタをはかせようとす
る心根の卑しい映画も多そうだが、これは震災を取り込んでドラマの生かすばねにし
ている強い映画だ。日本映画は今年の10月以来低調だったが、いい映画はあるとこ
ろにはあるもんだ。
ラスト近くで予期せぬ希望のエピソードが滑り込んでくる。不意をつかれ、感動し
た。エンドで流れるバッハのチェロ組曲1番プレリュードは、映画でよく使われるわ
りにはたいしたことない曲だと今まで思っていた。希望と再生の始まりを伝えるのに
はぴったりなんだと気がついた。いい選曲だ。
このあともう1本観て今年は終わりのつもりだったが、せっかくいい映画を観たの
だから、ここで締めにしたい。京都ではみなみ会館で1月11日まで上映してます。
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◎ これはどんなもんだろう、という映画
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『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』
1月25日全国公開 2012年度作品
監督:アン・リー 原作:ヤン・マーテル『パイの物語』
出演:スライ・シャルマ、イルファン・カーン、ジェラール・ドパルデュー
配給:20世紀フォックス
動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、獰猛なトラといっしょに救命ボートで
大海原を漂流することになった、16歳の少年のサバイバル。
さて、これはどうなんでしょうか。期待外れの可能性もある。
『さまよう獣』
2月2日東京公開のあと各地で順次公開 2013年度作品
監督:内田伸輝
出演:山崎真実、波岡一喜、渋川清彦、森康子、田中要次、津田寛治、ほか
配給:マコトヤ
『おだやかな日常』の内田伸輝監督の新作が早々と公開される。予告篇を見るかぎ
りではこれもなんとも言えないというところ。
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◎ 映画あれこれ……… 最近の注目株 レア・セドゥ
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フランス映画は長らく大物新人女優が出てませんでした。『イングロリアス・バス
ターズ』でメラニー・ロランが注目を浴び、フレッシュな魅力をふりまいています。
その『イングロリアス・バスターズ』にもう一人、大物新人女優がこっそり出てたこ
とに気づきませんでした。レア・セドゥです。どこに出てたのか?
『ミッドナイト・イン・パリ』でようやく顔を認識。やや地味めな顔なので意図的
に目立たせてもらわないと映えないと思う。
フランスの大手映画会社の幹部の娘だと。そんなふうには見えない。華やかさはな
く、庶民的で親しみが持てる。
『マリー・アントワネットに別れをつげて』でたぶん初の主役。作品的には感心し
ないが、彼女を見てるだけで満足できる出来映えになっている。
『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』では殺し屋らしい。出て
るの知って観たくなった。ラッセル・クロウ版の『ロビン・フッド』は端役で記憶が
ない。
他の注目株では『ウィンターズ・ボーン』などのジェニファー・ローレンス、『ヘ
ルプ 心がつなぐストーリー』などのエマ・ストーン、『レ・ミゼラブル』などのア
マンダ・セイフライド、『モールス』『キック・アス』などのクロエ・グレース・モ
レッツ、『SOMEWHERE』などのエル・ファニング等々。男優はトム・ハーデ
ィやジョゼフ・ゴードン=レヴィットらが目立っている。
フレッシュな顔がスクリーンを彩るだけで気分が明るくなる。来年はどんな顔が飛
びだしてくるかな。
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近況など………
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前号、『ドリームハウス』の最終上映を観てたことに気づかず、紹介してしまいま
した。発行時点でもう終わってます(笑)。この映画、DVDで観ても問題ないので、
注目しといてください。
二つのコミュニティカフェを同時進行状態で、ややこしい。いくつかの作業を同時
並行してるので、忘れ物や混同がないようにいなければなりません。いっそのこと、
チラシは両面で一枚、ということも考えましたけど。
「省エネカフェ」12.17 第一回は3/16「節電してまっか?」
「船越屋新製品」12.14「トイレ掃除ロボ」
「御漫画」12.12「利権を、取り戻す!」
「長岡京市の裏百景」12.8「街の顔」
「シネマージュ映画カフェ」12/8 次回は2月24日に
「ボツ画」11.26「フリフリ・ムコモコ」
「じべたでひろたもん」11.24 コキーユ・ブランシュ
『おだやかな日常』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年の日本映画のベスト
『007スカイフォール』‥‥‥‥ハリウッド娯楽映画の最高水準
『マリー・アントワネットに〜』‥レア・セドゥーを鑑賞する映画
『ドリームハウス』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥仰天のサスペンス
『高地戦』‥‥‥‥‥‥力作だが、『戦火の中へ』は超えなかった
『神弓』‥‥‥‥‥韓国のアクション映画のレヴェルの高さを実証
このあとは『わたしたちの宣戦布告』に期待
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楽 ┃ ┗┛ ┃┃ ┗┛ ┃2012.12.15
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Contents
・『ドリームハウス』
・『女エクスペンダブルズ』
・「省エネカフェ」
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◎ 公開中の新作から……… 『ドリームハウス』 2011年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:ジム・シェリダン
出演:ダニエル・クレイグ、レイチェル・ワイズ、ナオミ・ワッツ、イライアス・
コティアス、ほか
原題:Dream House
配給:ショウゲート
ただのハウスものホラーのつもりで観てたら、中盤で足下の地面が消えるひっくり
返しを味わった。何をどう書いてもネタばれになるだろう。アウトラインだけならネ
タばれにならないか。
男(ダニエル・クレイグ)と妻(レイチェル・ワイズ)と二人の幼い娘が暮らす家
は、かつて一家惨殺事件があったと判明し、次々と妙なことが起こる。ほれ、こう書
くとまるで呪われた家のパターンでしょ。ところが違うんですよ。
書けるのはここまで。タイトルも「なるほど」とは思うものの、何が「なるほど」
なのかを書けない。
オリジナルの脚本だが、観てる間は原作ものかと思った。話の類例を思いつけない。
部分的に似たものはあるが、ネタのヒントになるのでタイトルは書けない。
惜しむらくは終盤。緻密さに欠けた。背後事情をセリフで語ったのもいただけない。
とはいえ、映画ファンなら押さえておいてしかるべき映画でしょう。それぐらい面白
いB級サスペンスなのです。
各メディアの紹介はネタ部分のほのめかしであふれていそうな気がする。読まずに
観るに限る映画です。と書きつつ、この文章もほのめかしてないか気になってきた。
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◎ これは、という映画は?
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9月は怒濤のごとくめぼしい映画が流れ込んできました。9月のパーティで「毎週
2〜3本来る」(Fさん)という発言もあった。Fさんは僕じゃないです。毎月こん
なペースだったら音を上げてしまいそう。幸い10月以降は月に1〜2本に激減し、
ほっとしてます(ほんとに映画ファン?)。
とはいえ、面白いか面白くないかは観てみないとさっぱりというグレーゾーンも何
本かある。それらをあれやこれやとケチつけて叩き落としていくのです(それでも映
画ファン?)。
11〜12月公開の、観てない映画をちょこっとだけケチつけます。
『のぼうの城』11月2日公開 監督:犬童一心、樋口真嗣 配給:東宝、アスミック
予告篇に魅力がない。水責めシーンの表現を抑えたとも聞く。
『黄金を抱いて翔べ』11月3日公開 監督:井筒和幸 配給:松竹
魅力あるキャストが一人もいない。
『北のカナリアたち』11月3日公開 監督:阪本順治 配給:東映
吉永小百合のとこだけ早送りできたらいいんだけどね。
『悪の教典』11月10日公開 監督:三池崇史 配給:東宝
予告篇の伊藤英明の演技、クサすぎ。
『綱引いちゃった!』11月23日公開 監督:水田伸生 配給:東宝
実在のチームというのが最大のネック。
『人生の特等席』11月23日公開 監督:ロバート・ロレンツ 配給:ワーナー
イーストウッドがイーストウッドを演じてるだけ、という感じ。
『レ・ミゼラブル』12月21日公開 監督:トム・フーパー 配給:東宝東和
ラッセル・クロウとヒュー・ジャックマン。逆では?
それら以外の映画は、すべて視野の外です。10月以降、特に日本映画の低迷がひ
どい。なんとかならんのか。
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◎ 映画あれこれ……… 『女エクスペンダブルズ』
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とある場で、『エクスペンダブルズ3』は女性をもっと入れろというような話にな
った。女だけでやる『女エクスペンダブルズ』。面白い案だが、適任者が思い浮かば
ない。その場ではシガニー・ウィーヴァーの名前が出て、それだけで打ち切り。『ジ
ャッキー・ブラウン』の人は名前が出てこなかった(パム・グリアだった)。
考えてみるとアクション専門の女性スターが意外に少ない。日本でも志穂美悦子ぐ
らいしか思いつかない。
若い人を外して中堅からベテランだけ。ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン、ブリ
ジット・ニールセン、ラクエル・ウェルチ、アンヌ・パリロー、サンドラ・ブロック、
レネ・ルッソ、リンダ・カーター、シャロン・ストーン、ジーナ・デイヴィス、ティ
ナ・ターナー、シンディ・ローパー。無理やり挙げてもこんなもんですかね。女ばか
りの消耗品expendables軍団。女性の場合、その表現は禁句?
キネマ旬報の11月下旬号で、実際に企画されてるとの報があった。仮のタイトル
が『ExpendaBelles』ですと。そこでもキャスティングの難しさが指摘され、試しに
挙げている女優は前述メンバーとほぼ重なる。層の薄さが企画のネックらしい。
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近況など………
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パーティ(映画カフェ)は2月24日(日)に決まりましたが、同時期に別の企画
も進行してます。「省エネカフェ」というコミュニティカフェの第一回が3月16日
(土)を予定しています。
ともに後日あらためて案内します(近場の人だけですが)。
「船越屋新製品」12.14「トイレ掃除ロボ」
「御漫画」12.12「利権を、取り戻す!」
「長岡京市の裏百景」12.8「街の顔」
「シネマージュ映画カフェ」12/8 次回は2月24日に
「省エネカフェ」12.6 コミュニティカフェを立ち上げ
「ボツ画」11.26「フリフリ・ムコモコ」
「じべたでひろたもん」11.24 コキーユ・ブランシュ
『マリー・アントワネットに〜』‥レア・セドゥーを鑑賞する映画
『ドリームハウス』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥仰天のサスペンス
『高地戦』‥‥‥‥‥‥力作だが、『戦火の中へ』は超えなかった
『神弓』‥‥‥‥‥韓国のアクション映画のレヴェルの高さを実証
『その夜の侍』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥陰気くさい、しんきくさい
『ふがいない僕は空を見た』‥‥‥‥‥ふがいない映画を僕は観た
『伏 鉄砲娘の捕物帳』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥可もなく不可もなし
『時の重なる女』‥‥‥‥‥‥クセニア・ラパポルトが素晴らしい
『アルゴ』‥‥‥‥‥‥もとは実話なのにめちゃくちゃスリリング
『ライク・サムワン・イン・ラブ』‥おバカな脚本ツッコミまくり
『アイアン・スカイ』‥‥‥‥‥‥もっともっとおバカなお笑いを
このあとは『わたしたちの宣戦布告』に期待
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楽 ┃ ┗┛ ┃┗━━━━┓ ┃2012.10.20
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Contents
・『アイアン・スカイ』
・日中関係の混迷
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◎ 公開中の新作から……… 『アイアン・スカイ』 2012年度作品
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監督:ティモ・ヴオレンソラ
出演:ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、クリストファー・カービー、
ウド・キアー、ほか
配給:プレシディオ
9月28日公開 フィンランド映画
アイアンは鉄十字章(アイアンクロス)のアイアンです。ナチスドイツが月に逃げ、
月面基地からひそかに反撃の機会をうかがっていた、というお話です。こういうのを
ありえないとか非科学的とか言うは野暮というものです。アホな設定をとことん楽し
みましょう。
ナチのパロディものでSFは珍しい。こんなもの、よく作ってくれたと感謝したい。
宇宙戦艦が飛行船型です。大船団で地球に向かってくる。戦艦の名前がタンホイザー
やワルキューレ、神々の黄昏など。船体にプリントされてるが、よく見ないと気づか
ない。音楽もワーグナー使いまくりです。
無名キャストのフィンランド映画ですが、客はけっこう入ってます。この映画が一
部で熱狂的な支持を得ているというのは理解できる。しかし笑いどころがなさすぎる。
笑いをとろうとした部分も滑っている。そのへんが残念でならない。意欲的な企画だ
けに。
茶化す対象はナチスドイツより、世界各国首脳の国家エゴや個人エゴのほうに傾く。
米国大統領はサラ・ペイリン風のアホ(共和党の女性)。扇動させられる米国民もア
ホ。現実そのままです。ラストも大国エゴへの皮肉で終わるが、そこでもなぜかはじ
けきらないのがもどかしい。もっとド派手にばかばかしくやってくれたほうがよかっ
たのでは。
各国でヒットして大幅黒字なのかどうか、今のところ確認できていません。「2」
を作るという話だから当たってるんだとは思うが、気になる。この手のパロディはぜ
ひヒットしてほしい。しかしこのあとの「2」はどういう展開にすればいいんだか。
それも気になる。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これは観逃してはまずいぞ、という映画
………………………………………………………………………………………………………
『アルゴ』
10月26日全国公開 2012年度作品
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック、アラン・アーキン、ブライアン・クランストン、
ジョン・グッドマン、ケリー・ビシェ、ほか
配給:ワーナー
イスラム革命と反米暴動が起きたイランから米国大使館員を脱出させるサスペンス。
実際に起きた事件を元にしたフィクションです。宣伝では「実話です」としている。
フィクションであろうが実話であろうが、面白ければそれでいい。イランロケの映画
制作をでっち上げて、大使館員をスタッフに化けさせて脱出させようという、冗談み
たいなストーリー。
『モンサントの不自然な食べもの』
公開日不詳 2008年度作品
監督:マリー=モニク・ロバン
配給:アップリンク
食料メジャーのドキュメンタリ。僕はまったくといっていいほどドキュメンタリを
観なくなりましたが、これだけは注目。といっても関心は遺伝子組み換え食品ではな
く、食品業界の寡占化。タネを握って農家を支配しているという構図に関心がありま
す。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 世相あれこれ………
………………………………………………………………………………………………………
尖閣諸島をめぐる日中関係の混迷については言いたいことがありすぎて、おいそれ
とは書けません。でも、ちょっとだけ。
日中双方に問題があるのですが、日本の右寄りの人たちの思考力、想像力のなさに
は困り果てる。彼らは「言いたいから言っている」「その結果がどうなるかは知らん」
です。
発端は4月17日に石原慎太郎東京都知事が「都が買い取る」と表明したことにあ
ります。尖閣諸島は日本が実行支配してるから、黙ってれば日本の領土として動かな
い。わざわざ「領有権争いが存在する」こと表面化している。石原慎太郎って、実は
中国のスパイ?なんて思ったりする。
9月20日、橋下徹大阪市長がよけいなことを言った。国有化しないで東京都の所
有にすれば、中国から見れば一段引いた形になるから落とし所になる、と。これって
正しいと思いますか。東京都が所有すればどういう結果になるかを読む能力が欠けて
います。所有した尖閣諸島で石原慎太郎が何もしないということはありえません。必
ず中国の反発を招くことをする。なぜ考えることができないんだろう。右翼連中はあ
まりに無考えにすぎる。
中国の反日感情についても少しだけ。報道を見ると中国人が反日一色であるように
錯覚しかねない。中国人の対日感情は微妙です。単純化すれば、タテマエは反日、ホ
ンネは好日ですが、ほんとはもっと複雑です。
中国人は教育で反日を叩き込まれ、テレビや映画は年がら年中抗日戦争物をやって
いる。テレビドラマはこの一年に400回以上放映したそうです。報道も反日へと誘
導している。国民が反政府に流れないようにし、国民意識の一体化を図るため、仮想
敵国としての日本を利用してます。
とことん洗脳されているはずの中国人は案外冷静。旅行や留学などで生の日本人と
接して、政府やテレビの言ってる日本人像に疑問を持っている。ネットもあるし、一
面的な宣伝が効かなくなってます。乗せられて騒ぐパブロフの犬は日本でも中国でも
いる。それはあくまで、一部。報道は先鋭化した部分のみをすくいとる。それじたい
が問題をこじらせる要因ともなっている。
………………………………………………………………………………………………………
近況など………
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関西電力の「節電トライアル」というのに応募登録し、目標を無事クリア。7〜9
月の電気使用料が前年に較べて26.5%下回りました。15%で達成ですから余裕
でクリアしてます。
達成プレゼントのQUOカードはまだ届きません。おかしいですね。何か手違いで
も?
「Japanese Words Dictionary」10.15 約百項目を追加
「長岡京市の裏百景」10.13「竹あそびの竹あかり」
「長岡京市の裏百景」10.10「ボークス本社ショールーム」
「風光明媚」9.30 ぽっこり西山
「新編図解辞典・大誤解」9.10 新規追加
「出版案内」9.10 ひょっこり通信発行
「シネマージュ」9.9 パーティ、盛況のうちに終了
「じべたでひろたもん」8.28「味あご(味付焼きあご)」
『ライク・サムワン・イン・ラブ』‥‥‥悪くはないんだけど・・
『アイアン・スカイ』‥‥‥‥‥‥もっともっとおバカなお笑いを
『ふじ学徒隊』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥純粋に記録映像です
『ボーン・レガシー』‥‥羨ましいほどの高レヴェルの映像センス
『ハンガーゲーム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥あのエスター、出てますよ
『鍵泥棒のメソッド』‥‥‥‥‥‥‥‥普通に楽しめる映画でした
『台北カフェ・ストーリー』‥‥‥‥‥実にゆったりのんびり鑑賞
『先生を流産させる会』‥‥今の学校って、歪みきってるのか、と
『凍える牙』‥‥‥‥‥悪くないサスペンスと思うが、入りは最悪
『夢売るふたり』‥‥‥‥‥‥‥今年の大本命の予想に違わぬ傑作
このあとは『アルゴ』に期待
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Contents
・『夢売るふたり』
・9日のパーティ
・こみカフェ実践セミナー
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◎ 公開中の新作から……… 『夢売るふたり』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:西川美和
出演:松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、木村多江、安藤玉恵、江原由
夏、やべきょうすけ、倉科カナ、古舘寛治、伊勢谷友介、香川照之、笑福亭
鶴瓶、中村靖日、ほか
配給:アスミック
結婚詐欺して小料理屋の再建資金を稼ぐ夫婦の物語。このところ日本映画ばかり取
り上げてます。6月以降の日本映画が好調だからなんですが、その中でもとりわけ優
れた映画がこれです。
人間心理をきめ細かに織り込んだ脚本(西川美和)がすばらしい。女性の中に現実
的側面と夢想的側面が同居している。そして時に一点に向かって暴走する。結婚詐欺
を夫(阿部サダヲ)にたきつける松たか子のことだが、騙される女たちも夢想が暴走
している。
閉塞感や鬱屈状態に陥った人は弱い。人の心の弱みにつけ込んで勧誘する新興宗教
と同じで、ツボの押さえどころさえ心得れば人を騙すのは簡単。やりませんよ、僕は。
一点の灯火を見出し、過大な期待を抱いて暴走する人を何度も見てきました。理性
的な判断力をなくして相手のコントロール下に入る女たちがリアルに感じられる。夢
想は中毒みたいなもので、一度頼るといくら現実と乖離しようが夢想にしがみつく。
騙された女たちが「そんな人ではないんですけどね」と言い合っているのが哀しい。
結婚詐欺だけの統計はないが、詐欺罪で服役した者の再犯率はきわめて高い。理由
はいくつか考えられるけど、愚かな人間を欺いて金を巻き上げるという行為は病みつ
きになるほどの快楽なのではないか。一度大金を手にするとこつこつ働くのもばかば
かしくなるし。詐欺師も夢想の中にいるんだと思う。「オレは賢いんだ。次は絶対捕
まらないよう、うまくやるんだ」と、思い込んでいる。
ラストシーンで女のたくましさを見る。妻は夫とは対照的な行動を見せる。女の人
は現実と夢想との両方向でパワフルだ。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ………
………………………………………………………………………………………………………
9日のパーティは参加者数が13人と、会場をバンビオに移してからでは最多にな
りました。前日に参加連絡があった新しい人が2人。最近新しい人が増えてきてるよ
うです。
新人で参加できなった人がほかにも2人いました。イヴェントをハシゴのつもりが、
前のが延びてしまって来れなくなった人。当日、バンビオでチラシを見つけ、会場の
雰囲気を窓から覗いたものの入れなかった人。後者の方はメールで次回予定を訊ねて
こられました。
多いせいもあって、ばらばらに分かれた小グループでの雑談になってしまいました。
そのほうが喋りやすい人もおられるでしょうし、たまには雑然としたパーティもいい
か、と。主催者、統率力ないし。
参加者の一人を誰か女優に似てると何人かが言っていた。そのときは思い当たらな
かったが、ミシェル・ファイファーではないかと気がついた。違うかな。
二次会はバンビオのフードコートだった。お茶だけのつもりが、注がれた一杯のワ
インをうっかり飲んでしまい、酔いつぶれてぶっ倒れそうになってしまった。アルコ
ールを解毒する酵素が決定的に足りないことを痛感した。もう飲みません。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これはそそられる、という映画
………………………………………………………………………………………………………
『アタック・ザ・ブロック』
公開日不明 2011年度作品
監督:ジョー・コーニッシュ
出演:ジョン・ボイエガ、ニック・フロスト、ほか
配給:アステア、パルコ
エイリアン地球攻撃をテーマにしたコメディ。南ロンドンの団地を襲撃するエイリ
アンに戦いを挑む団地の不良ども、という構図。襲撃ポイントが超ローカルな点が米
国映画の風刺になってるような。
『汚れた心』けがれたこころ
公開日不明 2011年度作品
監督:ヴィセンテ・アモリン 原作:フェルナンド・モライス
出演:伊原剛志、常磐貴子、菅田俊、余貴美子、大島葉子、奥田瑛二、ほか
配給:アルバトロス、インターフィルム
終戦後、ブラジルのサンパウロ州に住んでいた日系移民たちは日本軍の勝利を信じ、
敗戦を認めていなかった。ストーリーの詳細は知らないんですが、緊迫感のある予告
篇映像に心魅かれる。
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近況など………
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長岡京市主催の「こみカフェ実践セミナー」というのに応募しました。コミュニテ
ィカフェの運営ノウハウを勉強します。映画カフェをすでに運営してますが、これは
年二回。日常的に近い頻度でコミュニケーションの場を作りたいという思いがありま
す。
テーマを設定しないまま応募したけど、たぶん普通はやりたいテーマが最初にあっ
て応募するんでしょう。自分にできることをあれこれ考え、省エネカフェを考えまし
た。関電の節電トライアルに参加したことをきっかけとしたい。
ちょっとした思いつき程度ではできそうにない。よほどしっかり腰を入れてかから
ねば、と思う。
「長岡京市の裏百景」9.14「あらいぶきっちん」
「シネマージュ」9.9 パーティ、盛況のうちに終了
「長岡京市の裏百景」9.3「太陽光パネル」
「じべたでひろたもん」8.28「味あご(味付焼きあご)」
「長岡京市の裏百景」8.24「犬川のナデシコ」
「ジャパングリッシュ辞典」8.8「恥ずかしい外来語」新規ページ
「船越屋画廊」8.4『Swing Dream』
「船越屋新製品」7.29「My扇風機」
『凍える牙』‥‥‥‥‥悪くないサスペンスと思うが、入りは最悪
『夢売るふたり』‥‥‥‥‥‥‥今年の大本命の予想に違わぬ傑作
『おおかみこどもの雨と雪』‥‥‥‥あなどれない、観てよかった
『ヴァージニア』‥‥‥‥‥‥エル・ファニングが妖しくて美しい
『かぞくのくに』ドラマでは手持ちカメラをなるべくやめましょう
『闇金ウシジマくん』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ヤバ系な映画の秀作
『放課後ミッドナイターズ』‥‥‥出来はいいのに退屈してしまう
『この空の花 長岡花火物語』猪股南の乗る一輪車が支えてる映画
『桐島、部活やめるってよ』‥‥一筋縄でいかない青春映画の快作
このあとは『アイアン・スカイ』に期待
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楽 ┃ ┗┛ ┃┃ ┏━━━━┛2012.9.6
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Contents
・『映画 闇金ウシジマくん』
・興業街でちょっとした事件
・ナデシコ、その後
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◎ 公開中の新作から……… 『映画 闇金ウシジマくん』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:山口雅俊 原作:真鍋昌平
出演:山田孝之、大島優子、林遣都、崎本大海、やべきょうすけ、ムロツヨシ、
古舘寛治、片瀬那奈、黒沢あすか、新井浩文、内田春菊、市原隼人、ほか
配給:S・D・P、ティ・ジョイ
前々号の『苦役列車』もだったけど、人間の薄汚い部分をさらした映画を紹介する
の、迷います。まるでそういうのばかり好き好んで観てるように思われそうで、実は
その通りなんですが。
『苦役』は薄汚いのが基本一人だけど、『闇金ウシジマ』は基本全員なんです。書
く気になったのは、役者のリアルな魅力です。魅力が満ちあふれています。メインの
3人、脇の全員。虚構としての現実世界の中でそれぞれが出来上がっています。
原作からすればぜんぜん身長の足りない山田孝之(闇金融業カウカウファイナンス
社長、丑嶋馨)は、(たぶん)上げ底靴をはきつつ、終始無表情で凄みをきかせる。
上昇志向のイベント屋、小川純を演じる林遣都。みんなから見下される。金で尻に
火がつく。ばたばたあがいて袋小路に追い込まれていく。どうしようもない哀しさを
見せる。
登場する中で、子供を除いて唯一無垢な存在であるミコ(大島優子)。登場したと
き、「えーっ、この十人並みがヒロイン?」と絶句したけど、見てるうちに納得。絶
妙なアンサンブル。いい役者を挙げるときりないので、主演だけ。
ストーリーは複雑なようで単純。闇金融業者と、金に困り果てた顧客。返せないか
ら熾烈な取り立てにあう。その他諸々がからみあって醜い大金の争奪戦。
金と暴力がすべてを支配するような世界です。近寄るのは遠慮したい。幸いにも闇
金はおろかサラ金にも縁がない。ポケットティッシュもらうだけの関係。
シビアで秀逸な映画だけど、一点だけ文句を言いたい。イベント屋が催すステージ
シーンは魅力がない。挿入される映像シーンは合計で3秒もあれば十分だ。
過激なドラマだが、不思議と死者は出なかったような。一人死んだっぽいのがいた
けど、絶命シーンがない。絶対しぶとく生き延びている。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これは注目、という映画
………………………………………………………………………………………………………
『クラウド アトラス』
公開日未定 2012年度作品
監督:トム・ティクヴァ、アンディ&ラナ・ウォシャウスキー
出演:トム・ハンクス、ハル・ベリー、ペ・ドゥナ、スーザン・サランドン、
ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェス、ベン・ウィショー、
ヒュー・グラント、ジム・ブロードベント、ほか
公開は来年です。派手なキャスティングでSF大作。予告篇を見るかぎりではなか
なかよさそうです。予告篇はペ・ドゥナが出まくり。主演かと思うほど。
『高地戦』
公開日未定 2011年度作品
監督:チャン・フン
出演:シン・ハギュン、ほか
配給:ツイン
また朝鮮戦争ものかよ、などと言わないように。韓国映画の戦争物はどれも見ごた
えあり。外してはなりません。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ………
………………………………………………………………………………………………………
かなり前の話になってしまいますが、2月下旬に映画興業街でちょっとした事件が
起こりました。といっても観客サイドではなんの関係もない話です。
二十世紀FOXの『TIMEタイム』という映画が日本の映画市場でヒットし、第一週
と第二週の土日成績で興行収入のトップになった。こんな話、どうでもいいと思われ
るでしょうね。実はこれ、興業関係者の誰もが予想できなかった快挙だったんです。
なぜヒットしてしまったかについてはある程度の分析が出ています。ハリウッドメ
ジャーの映画を日本で公開する場合、日本支社は米国本社の意向や注文に従わなけれ
ばなりません。が、米国は日本人の趣味嗜好に精通していません。日本語タイトルの
つけ方、宣伝方法など、日本人に受けそうにない指示を出しては、バタバタと映画は
コケていく。空しいことをやってます。
『TIMEタイム』の場合、米国でコケたので本社が見放し、細かな指示を出さなかっ
た。ために日本支社が奮闘して独自の売り込み戦術を展開し、功を奏した。というこ
とらしい。
近年、日本ではハリウッド映画がかつてほど当たらなくなってきています。趣味嗜
好のズレや企画のマンネリ、なじみの薄い外国人俳優に対する無関心などが背景にあ
りそうです。
それとともに、若い観客がすっかり無精になって、テレビに出てない自分の知らな
い俳優に興味を持たなくなっている。テレビの知名度だけで興業が動くと外国映画は
分が悪いです。
バットマンのシリーズが日本でだけ大ヒットしないのはなんとなくわかります。暗
くて深刻でヘヴィーなイメージ。そのイメージのまま宣伝展開してる。それじゃ当た
らんだろう。面白いのはわかってても、長いし重いし暗いしで、僕もなかなか映画館
へ足が向かなかった。
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近況など………
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前号で「ナデシコを見たことがない」と書いたら「そんなはずはないでしょう」と
いう指摘をいただきました。グーグル画像で検索し、「ああ、この花だったのか」と。
メルマガに書く前に見たのは山渓の図鑑「日本の野草」。野生種と町中にあるナデ
シコは花の形が違いました。かつてはよく見かけた気のするこの花も、まったく見か
けません。花屋にもない。地元長岡京市で一箇所だけ、野生種ではなかったが、咲い
ていた。
ナデシコはサッカーだけではないぞ。オリンピックを機会に人気が高まってもよさ
そうなものだけど。
「長岡京市の裏百景」9.3「太陽光パネル」
「じべたでひろたもん」8.28「味あご(味付焼きあご)」
「長岡京市の裏百景」8.24「犬川のナデシコ」
「長岡京市の裏百景」8.12「白圭窯」
「ジャパングリッシュ辞典」8.8「恥ずかしい外来語」新規ページ
「船越屋画廊」8.4『Swing Dream』
「船越屋新製品」7.29「My扇風機」
「Japanese Words Dictionary」7.14 音声・イラストを一部項目に
「シネマージュ」6.24 パーティ9月9日に決定
『闇金ウシジマくん』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ヤバ系な映画の秀作
『放課後ミッドナイターズ』‥‥‥出来はいいのに退屈してしまう
『この空の花 長岡花火物語』猪股南の乗る一輪車が支えてる映画
『桐島、部活やめるってよ』‥‥一筋縄でいかない青春映画の快作
『遊星からの物体X』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥B級ホラーの怪作
『ダークナイトライジング』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥この夏の本命
『苦役列車』‥‥‥シネコンには向かない超辛口の青春映画の傑作
『グスコーブドリの伝記』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥半端な印象
『パートナーズ盲導犬チエの物語』‥‥‥‥‥ナメてかかって号泣
このあとは『ヴァージニア』に期待
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Contents
・『桐島、部活やめるってよ』
・日本映画の復興?
・ナデシコ
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◎ 公開中の新作から……… 『桐島、部活やめるってよ』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:吉田大八(『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『パーマネント野ばら』)
原作:朝井リョウ
出演:神木隆之介、大後寿々花、橋本愛、東出昌大、清水くるみ、太賀、ほか
配給:ショウゲート
ほぼ満席なので、フツーの娯楽映画と勘違いして入ったシネコン客が多かったろう
と思う。終了後、「わけわからん」とうなってる人の気持ちはよくわかる。最近のわ
かりやすすぎる映画、1たす1は2ですよ、3ではありませんよ、な映画は僕のほう
から見切っている。
話の大枠は、高校中の人気者のバレー部キャプテンの退部が、生徒たちの心に波紋
を広げていく、というもの。流れとしてのストーリーは希薄だ。
この映画は見せてない部分、説明してない部分が見える部分よりも多い。それだけ
に想像力を刺激する。が、これ見よがしに意味ありげなシーンを見せてははぐらかす、
を続けるのはいい趣味と言えない。どれぐらい把握できただろうか。半分もわかって
ない。原作を読んでみたい。
群像劇で、名のある俳優は4人しかいない。大人はほとんど登場しない。無名の若
手男女優が演じている。いずれも個を確立している。さらに成長してきそうな逸材が
多い。
彼ら登場人物が何を思ってるのか、見えやすい人もいればさっぱり見えないキャラ
もいる。川上麻衣子の若いころを思わせる清水くるみ(バドミントン部)のキャラも
説明を抑えぎみ。東出昌大(野球部)はこれが実質的な俳優デビューのようだが、圧
倒的な存在感で魅せる。彼が終盤、心の動揺を見せるが、理由を明らかにしない。
現実世界で関わっている人たちもそうだけど、一見わかりやすそうに見える人でも、
その人の奥へ分け入ろうとすると、とたんに見えない部分が広がってしまう。見えや
すいキャラクターでも、実際はその表面しか見えていない。若い俳優たちに魅力があ
るからでもあるが、若い心に流れる中身にわからない部分があるからこそ、心引かれ
る。
吉田大八は一筋縄ではいかない映画を作る。見誤っている部分もあるかもしれない。
もう一度観たい映画だ。
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◎ これはこれは、という映画
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『わたしたちの宣戦布告』
公開日未定 2011年度作品
監督:ヴァレリー・ドンゼッリ
出演:ヴァレリー・ドンゼッリ、ジェレミー・エルカイム、ほか
配給:アップリンク
ローリー・アンダーソンの『オー・スーパーマン』から始まる予告篇は軽快で、フ
ァンタジー系の娯楽アクションかいなと錯覚する。生後間もない息子の難病と闘う夫
婦の物語。パワーと乗りを感じさせる映画です。監督主演は『待つ女』のヒロイン。
自身の実体験をもとにした物語だそうです。
『アイアン・スカイ』
9月28日全国公開 2012年度作品
監督:ティモ・ヴオレンソラ
出演:ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、クリストファー・カービー、
ウド・キア、ほか
配給:プレシディオ
フィンランド映画です。公開を危ぶんでたけどついに公開決定。壊滅したはずのナ
チスドイツが月面基地から地球を攻撃してくるという、超トンデモおバカ映画。観客
の脳髄をきっとぶち壊してくれることでしょう。映像的には真剣に作り込んでいます。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ………
………………………………………………………………………………………………………
ふと気づく。日本映画が低調だとぼやいてたのに、メルマガで紹介する映画は四回
連続して日本映画。『MY HOUSE』『外事警察 その男に騙されるな』『苦役列車』に
次いで『桐島、部活やめるってよ』。その前は六回連続して外国映画だった。
調子を取り戻してきてるという感触はある。期待感もある。今後の公開作にも期待
が持てる。反面、圧倒的な傑作というものに出会えていない。これは外国映画も同じ。
また、日本のアニメ映画もかつての輝きを取り戻したとはいいにくい。今月25日公
開の『放課後ミッドナイターズ』はどうだろうか。
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近況など………
………………………………………………………………………………………………………
ナデシコ(撫子)というのは夏の花です。ピンクの花。まだ見たことがない。
テレビはないので女子サッカーを観戦しませんでしたが、これを機会に西山あたり
をハイキングして捜してみようかと考えてます。暑いけど。
「長岡京市の裏百景」8.12「白圭窯」
「ジャパングリッシュ辞典」8.8「恥ずかしい外来語」新規ページ
「船越屋画廊」8.4『Swing Dream』
「船越屋新製品」7.29「My扇風機」
「Japanese Words Dictionary」7.14 音声・イラストを一部項目に
「シネマージュ」6.24 パーティ9月9日に決定
「極楽貧乏」6.15 絵本『げんかいおんぶ』
『桐島、部活やめるってよ』‥‥一筋縄でいかない青春映画の快作
『遊星からの物体X』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥B級ホラーの快作
『ダークナイトライジング』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥この夏の本命
『苦役列車』‥‥‥シネコンには向かない超辛口の青春映画の傑作
『グスコーブドリの伝記』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥半端な印象
『パートナーズ盲導犬チエの物語』‥‥‥‥‥ナメてかかって号泣
『リンカーン弁護士』‥‥‥‥‥‥法廷ものの鑑のような秀作映画
このあとは『ヴァージニア』に期待
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Contents
・『苦役列車』
・詐欺の映画
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◎ 公開中の新作から……… 『苦役列車』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:山下敦弘 原作:西村賢太
出演:森山未來、高良健吾、前田敦子、マキタスポーツ、田口トモロヲ、ほか
配給:東映
あまりにエグすぎで、シネコンにかけるのは間違っている。横浜聡子の『ウルトラ
ミラクルラブストーリー』もシネコン場違い映画だったが、あっちは「自主映画」だ
ったから。『苦役列車』は作品としての質は高い。
質が高くても推奨するのははばかられる。原作者の自伝的小説の映画化なんだけど、
主人公の北町貫多は最低の人間として描かれる。表現のしようもないほど最低。それ
を森山未來がどっぷりリアルに演じるのだから、観て楽しいわけがない。まるっきり
の悪党というわけじゃない。しかし宣伝コピーの「愛すべきロクデナシ」は虚偽と思
う。こんなやつ、いったい誰が愛せるのか。
彼はひがみ根性のかたまりで、人と関わるうえでの最低限のマナーを持たない。非
常識を非常識と心得ない。自分のふるまいがどう見られるかということも理解しない。
こういう人間は現実にいるもので、僕なら半径5メートル以内に近寄らない。若いこ
ろはまだ関わろうとしていたが、今はしんどい気分が強い。
非常識というやつは、場合によってはプラスになりうる。彼の場合がそうなのだが、
世間的な常識にまみれないことで独自の世界観を築き上げ、何かを成し遂げうる。対
人関係に気を使いすぎる人は自分自身を大きく育てられないのではないか。北町貫多
のようにぶっ壊れていれば行き着くところまで行ける。でなければ半端なところで止
まらざるをえない。
ずっと心の中に残り、あれこれと考え込まされた。忘れられないのは北町貫多の異
形のキャラクターのせいでもある。とにかく女性にはおすすめできない。直視できな
いと思う。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これはこれはお楽しみ、という映画
………………………………………………………………………………………………………
『ペイド・バック』
8月3日DVD発売 2011年度作品
監督:ジョン・マッデン
出演:ヘレン・ミレン、サム・ワーシントン、ジェシカ・チャステイン、キア
ラン・ハインズ、トム・ウィルキンソン、ほか
以前『ザ・デット』というタイトルで紹介したスパイものがようやく出ました。映
画館公開はなく、DVDスルーです。どんな形であれ、観れれば幸いです。
『凍える牙』
9月8日全国公開 2012年度作品
監督:ユ・ハ 原作:乃南アサ
出演:ソン・ガンホ、イ・ナヨン、ほか
配給:ブロードメディア・スタジオ
面白そうなサスペンスです。狼の血を引く殺人犬、人体発火事件。異様な要素がか
らむサスペンスアクション。
『Virginia ヴァージニア』
月日京都公開 2011年度作品
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:ヴァル・キルマー、エル・ファニング、ブルース・ダーン、トム・ウェ
イツ、ほか
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
吸血鬼映画には他に岩井俊二の『ヴァンパイア』があるんですが、圧倒的にこっち
のほうが面白そう。エル・ファニングのあの気配だけで圧勝、という感じ。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれやこれや……… 詐欺の映画
………………………………………………………………………………………………………
詐欺あるいは詐欺師をテーマにした日本映画が相次いで公開される。アイディアし
だいでいろいろ面白いシチュエーションを立ち上げられるから。おまけに予算があま
りかからない。
詐欺師じゃないですが、裕福そうな男が記憶喪失になったのをいいことに、立場を
すり替えてしまう売れない役者を描いたのが『鍵泥棒のメソッド』。裕福そうに見え
た男が実は凄腕の殺し屋で、殺しの依頼を引き受けてしまうという話。
『外事警察 その男に騙されるな』も実質、詐欺師です。主人公は空き巣狙いだけ
ど詐欺師も登場するのが『ポテチ』。『夢売るふたり』は結婚詐欺の夫婦。『カラス
の親指』は5人組の詐欺師グループによるコメディ。たまたまだけど、まとまって出
てきた。
外国映画では『フェイク・クライム』がコン・ゲームものですが、それを書いてし
まうとネタバレじゃないかと思うんですけど、宣伝では隠していません。これは公開
済みで、まだ観ていません。ひょっとして宣伝ではまだ見えてない仕掛けがあるのか
な。そのまんま、かな。
これから公開の映画のみ、参考データ。
『夢売るふたり』
9月8日全国公開 2012年度作品
監督:西川美和
出演:松たか子、阿部ツダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、木村多江、ほか
配給:アスミック
『鍵泥棒のメソッド』
9月15日全国公開 2012年度作品
監督:内田けんじ
出演:堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、ほか
配給:クロックワークス
『カラスの親指』
9月?日全国公開 2012年度作品
監督:伊藤匡史 原作:道尾秀介
出演:阿部寛、村上ショージ、石原さとみ、小柳友、ほか
配給:20世紀フォックス、ファントム・フィルム
『コンフィデンスマン ある詐欺師の男』
10月6日全国公開 2012年度作品
監督:デイヴィッド・ウィーヴァー
出演:サミュエル・L・ジャクソン、トム・ウィルキンソン、ほか
配給:ショウゲート
………………………………………………………………………………………………………
近況など………
………………………………………………………………………………………………………
岩国基地へオスプレイをあっさり配備。それだけはやっちゃあいけなかった。なん
でも言いなり。米国や官僚の言いなり。という印象が国民に与えてしまう。
大飯原発の再起動など、個別には反対の決定もあったが、国民に不人気の政策を粘
り強くやっていると、野田政権を好意的に見てました。世界各国どこも、増税や緊縮
財政などの不人気政策をなかなか実施できず、苦しんでいる。日本の国会で消費増税
法案が衆議院を通ったことは近年では希な例として、海外から注目を集めています。
民主主義制度の欠陥の一つと言っていいが、国民に不人気な政策は、いくら必要で
あってもなかなか前へ進まない。日本の場合でも、放置すればいずれ奈落の底で、行
く末は救いなきギリシャなのだが、人気取り政治家の口からは近視眼的で視野の狭い
主張ばかり。先を見通す想像力がないのか、選挙のことしか頭にないのか。
結果にすべて満足してるわけじゃないけど、野田佳彦は粘り強くやっている。内閣
支持率は不支持を下回って2割台に低迷、参議院は少数与党、野党第一党の党首は頼
りないアホぼん二世議員、身内に性悪なボス議員がいて造反、大震災・津波に原発事
故にユーロ下落で超円高。悪い材料がそろいすぎている。我慢を重ねて政局運営を続
けていく忍耐は並大抵ではない。ほかの誰がやっても真似できそうにない。
首相になる以前はかろうじて名前を知っているだけだった。就任後、難しい状況が
続いてもキレたり弱音を吐いたりしたのを見た覚えがない。人を批判するのは楽だし、
僕もやってしまう。でも、どこぞの「思いつき政策羅列」の市長と違って、明らかに
不人気な施策ばかりをやらざるをえなくて苦闘してる姿を見ると、結果がどうあれ、
あまり批判する気にはなれない。
「船越屋新製品」7.29「My扇風機」
「長岡京市の裏百景」7.22「長岡京市の穴」
「Japanese Words Dictionary」7.14 音声・イラストを一部項目に
「長岡京市の裏百景」7.8「踏切の警報音」
「新曲のページ」7.3『日陰の小径』一部改訂
「船越屋画廊」6.25『ごはんができたかな』
「シネマージュ」6.24 パーティ9月9日に決定
「極楽貧乏」6.15 絵本『げんかいおんぶ』
『苦役列車』‥‥‥シネコンには向かない超辛口の青春映画の傑作
『グスコーブドリの伝記』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥半端な印象
『パートナーズ盲導犬チエの物語』‥‥‥‥‥ナメてかかって号泣
『リンカーン弁護士』‥‥‥‥‥‥法廷ものの鑑のような秀作映画
『臨場』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥格好つけすぎ
『少年は残酷な弓を射る』‥‥‥‥‥‥‥‥救いなさすぎ厳しすぎ
『ミッドナイトFM』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥面白いが独自性はない
『ビースト・ストーカー/証人』‥‥‥邦題の平凡さが哀しい秀作
『ムサン日記 白い犬』‥‥不器用すぎる主人公に感情移入できず
『第九軍団のワシ』‥‥‥‥‥‥‥ブリテン島古代世界にどっぷり
『ミッドナイト・イン・パリ』‥‥‥‥‥‥‥‥やんわり楽しめる
『外事警察』‥‥‥スパイ映画の秀作、日本映画もやればできる!
このあとは『桐島、部活やめるってよ』に期待
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Contents
・『外事警察 その男に騙されるな』
・読み聞かせで絵本を
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◎ 公開中の新作から………『外事警察 その男に騙されるな』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:堀切園健太郎
出演:渡部篤郎、真木よう子、尾野真千子、キム・ガンウ、田中泯、北見敏之、滝
藤賢一、渋川清彦、山本浩司、豊嶋花、遠藤憲一、余貴美子、石橋凌、ほか
配給:東映/S・D・P
北朝鮮の核兵器テロ計画が発覚し、未然に阻止するため、一人の男が公安に呼び戻
された。公安の魔物と恐れられる男。目的を達成するためには民間人を巻き込むこと
もいとわない。騙し、利用する。民間人はへたをすると犠牲となる。よくても、その
後の人生は狂ってしまう。
そんな彼のやり方に反抗して衝突した過去がある捜査員の松沢(尾野真千子)は、
公安トップから再び彼の配下で捜査することを命じられ、愕然となる。彼の元部下た
ちがすでに密かに集められていた。北朝鮮の魔物と対決するには尋常なやり方が通用
しない。魔物対魔物のぶつかり合い。さらに韓国の諜報部もからみ、三つどもえの争
いとなっていく。
出色のスパイ映画です。東宝映画にありがちなタテマエだらけのきれいごと映画に
は辟易させられるが、容赦ない正味本位のドラマはすっきりして気持ちがいい。
公安の犠牲になる民間人を演じる真木よう子は、過去の映画でまるで目立たなかっ
たのが信じられないほど素晴らしい。外事警察の面々もそれぞれの面構えがリアル。
韓国スパイのキム・ガンウもいい顔をしている。主演の渡部篤郎はこの映画で絶対主
演男優賞を獲らなければいけない。
ネタバレがからむのでストーリーには踏み込みませんでした。最近、日本映画の佳
作秀作が相次いでいます。上向いてるのなら嬉しい。新作ではないが、レンタルした
『KAMIKAZE TAXI』(原田眞人監督、1995年)も素晴らしかった。
………………………………………………………………………………………………………
◎ ヴァラエティに富む今月の新作
………………………………………………………………………………………………………
『ビースト・ストーカー/証人』
6月23日京都公開 2008年度作品
監督:ダンテ・ラム
出演:ニコラス・ツェー、ニック・チョン、リウ・カイチー、ほか
配給:ブロードメディア・スタジオ
高評価を得た『密告・者』のダンテ・ラム監督の、その前のサスペンス映画。
よく考えたら香港映画にはウダウダしたタテマエがいっさいなくてストレートなん
だ。だから気持ちよく楽しめるのかと今ごろ気づいたりして。タテマエごとにとらわ
れがちな日本と米国の映画はその点がつまらない。
『少年は残酷な弓を射る』
6月30日全国公開 2011年度作品
監督:リン・ラムジー 原作:ライオネル・シュライバー
出演:ティルダ・スウィントン、ジョン・C・ライリー、エズラ・ミラー
配給:クロックワークス
母親に悪意を持つ恐るべき息子。ホラーのごとくの予告篇ですが、スリラーですね。
予告篇を見ると面白そうなんですが、映画サイトの紹介がおざなりでつまらなそう
な書き方をしている。もっと尖った映画に思えるのだが。
『夜のとばりの物語』
6月30日全国公開 2011年度作品
監督:ミシェル・オスロ
配給:三鷹の森ジブリ美術館、スタジオジブリ
美麗な影絵アニメーション。オスロのアニメはストーリーよりも映像のほうが強く
印象に残る。内容については把握してません。
………………………………………………………………………………………………………
近況など………
………………………………………………………………………………………………………
読み聞かせの講座で絵本の読み聞かせをしました。子供相手ではなく、読み聞かせ
の先輩方が大勢参加されている前でです。少々緊張しました。
講座の初回、講師の話を聞くうち、絵本のアイディアが一つ浮かんだ。そして最終
日に実技をするメンバー6名になぜか僕が入ってしまった。というわけで、そのアイ
ディアを制作してみることにしました。帰ってからさっそく制作スタート。9日後の
講座二回目で「これをやります」と、絵本を提示した。
9日間で一つの絵本を仕上げられるれるだろうかという不安はあった。結果として、
中折り製本ではあったが、できあがった。本番はヴィヴィッドに反応があり、あとで
好評の感想もいくつかもらった。
アイディアがあってもすぐには着手できないこともあるのだが、今回は可能だった。
思うに僕は、アイディアを寝かしておくより、瞬発的に速攻で突き進んだほうがいい
結果になることが多いみたいだ。
絵本はサイトにアップしています。
https://funakoshiya.net/binbou.htm
「極楽貧乏」6.15 絵本『げんかいおんぶ』
「じべたでひろたもん」6.13 缶詰・瓶詰め
「突然!ネタばれしても委員会」6.11『KAMIKAZE TAXI』
「長岡京市の裏百景」6.7「Yさんちの玄関ディスプレー」
「歩きMAP」5.20 清滝・高雄ルート改訂
「じべたでひろたもん」5.19 特殊乗車証2枚
「船越屋画廊」5.12『Neuf(ネフ)』
「突然!ネタばれしても委員会」5.10『ミスト』
「長岡京市立図書館の棚から」5.8『ザ・ダークホース』
『ミッドナイト・イン・パリ』‥‥‥‥‥‥‥‥やんわり楽しめる
『外事警察』‥‥‥スパイ映画の秀作、日本映画もやればできる!
『テルマエ・ロマエ』‥‥‥アホくさいこと、よおやる(絶賛!)
『MY HOUSE』 ‥‥‥‥‥本物志向のホームレス・ホームドラマ
『テイク・シェルター』‥‥‥‥‥‥‥‥‥もったいをつけすぎる
『新しき土』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥かなりのトンデモ映画
『キリング・フィールズ』‥‥‥‥‥‥好みのタッチではあります
このあとは『ムサン日記 白い犬』に期待
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Contents
・『MY HOUSE』
・監督は作品を語るな
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◎ 公開中の新作から……… 『MY HOUSE』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:堤幸彦
原作:坂口恭平『TOKYO 0円ハウス0円生活』
出演:いとうたかお、石田えり、板尾創路、木村多江、村田勘、ほか
配給:キングレコード、ティ・ジョイ
ニッチ(生態的地位)という言葉がある。ホームレスの鈴本さんはそれを意識して
るかどうかは知らないが、社会の一つのニッチを確保すべく、毎日空き缶回収を続け
ている。自転車に何十キロという空き缶を積んで朝早くから広範囲を走り回る。ユー
トピア的なお気楽な話ではありません。
モデルは鈴木という実在の男性。その生態を描くだけなのかなと思ったが、現代社
会との対比をドラマに盛り込み、きわめて緊迫感の強いドラマに仕上げてしまった。
近年の日本映画の中でも突出して成功した作品となった。
僕も半ば趣味的に物を拾っては、スケッチや写真に短いコラムを添えてサイトにア
ップしている。鈴本さんは拾うプロである。真摯な仕事ぶりに頭が下がる。各事業所
を回って回収への協力を依頼し、「受注」契約をとってくる。「顧客」スケジュール
を頭に入れ、効率よく不用品を集めてくる。立派な「社会」人だ。
対比されるように4人家族の中流家庭が並行して描かれる。はた目にはごく普通の
家庭だろうが、問題がありあり。特に一家の主婦(木村多江)の潔癖症からくる極端
な挙動にはいちいち笑いがこみあげてくるのだが、人から見れば僕も似たようなこと
やってる気もする。
この4人家族はそれぞれ別の形で鈴本さんと接触することになる。その過程でとり
かえしのつかない悲劇的な事件も起きるが、鈴本さんは黙々と再起に向けて作業を再
開するところで映画は終わる。
とかく上っ面だけをなでてすませるような浅い映画ばかりで飽きていたところへ、
いきなりディープな世界を突きつけられた。久しぶりの本物。CGが売りの映画なん
て、ちゃちに見えるね。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これは要注目、という映画
………………………………………………………………………………………………………
以前このコーナーで紹介した『ハンガー・ゲーム』は、マイナーすぎて日本公開が
見送られるのかと思ってました。米国公開が今年の3月25日でした。紹介した時点
で未公開だったことを知りませんでした。日本の公開は9月28日と決定しています。
現時点での全米興業成績が4億ドルほど。米国映画史上で第何位になるのか。記録
的な大ヒットです。おまけに評判も素晴らしい。米国版『バトル・ロワイヤル』みた
いな、子供同士が殺し合う残酷な映画です。が、予告篇見るだけで質の高さを感じさ
せます。
『リンカーン弁護士』
7月14日全国公開 2011年度作品
監督:ブラッド・ファーマン 原作:マイケル・コナリー
出演:マシュー・マコノヒー、ライアン・フィリップ、マリサ・トメイ、ほか
配給:日活
秋公開の『リンカーン 秘密の書』とややまぎらわしいのですが、『秘密の書』の
ほうは原題通りの『エイブラハム・リンカーン ヴァンパイア・ハンター』にすべき
です。
『リンカーン弁護士』のほうは大統領と関係ありません。金持ちぼんぼんの弁護を
引き受けた弁護士が罠にはめられ、苦境に陥るサスペンス。渋いキャストながら評判
は上々。
『ムサン日記 白い犬』
京都公開未定 5月12日東京公開 2010年度作品
監督:パク・ジョンボム
出演:パク・ジョンボム、チン・ヨンウク、カン・ウンジン、ペック(犬)
配給:スターサンズ
中国北部の朝鮮人の町が舞台といえば『哀しき獣』(あるいは『クロッシング』)
ですが、なぜか秀作が多い。脱北者の町という社会的な背景もあり、悲しみの色合い
が濃い。これはなるべく情報を入れずに観たい映画です。
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◎ 映画あれこれ……… 監督は作品を語るな
───────────────────────────────────────
2月のパーティで出た話題ですが、実はあまりよく覚えていません。参加者からの
お便りにあったことです。
監督が何を言いたいの?という視点で観るのはもうヤメ。自分が何を感じたかがす
べて。そんなことを僕を含めた2人が言ったということです。覚えてないんです。僕
の中では当然すぎることなので。この方にとっては「目からウロコ」だったそうで。
監督が作品を語っているのを読んではいけません。それは監督が勝手に思ってるこ
とであって、観る人がそれに縛られる必要はありません。言わなきゃ伝わらないこと
があるなら、映画の表現が不出来だというだけです。
いったん監督の手から離れて公開されてしまえば、映画は観客のものです。監督が
介入する術はありません。完成してからつべこべ言わないことです。
かつて展覧会などをやってたとき、自分の作品を観てのリアクションが千差万別だ
ったことを思い出します。僕自身はとりたてて何も考えないで描いてるのに、観る人
が好き勝手に「深く」解釈してくれるのが面白かったです。
作品の価値というものは鑑賞者と作品の間にのみ在ります。それぞれに価値判断が
あり、評価があります。すべての作品に普遍的な価値など、ないと考えています。
………………………………………………………………………………………………………
近況など………
………………………………………………………………………………………………………
前回、短編アニメの紹介でイシュ・パテルの『ビーズゲーム』がもれました。これ
を忘れてはいけない。前回挙げたアレクセイエフの『鼻』を除く6本と『ビーズゲー
ム』は、何度観てもその衝撃を減じない。
『ビーズゲーム』
http://www.youtube.com/watch?v=jPcRugH5VU8
No.79で、校正屋さんから誤植を発見されてしまいました。『スーパー・チュー
ズデー』の原題 "The Ides of March" は「三月十三日」ではなくて「三月十五日」。
月によっては十三日になりますが、正しく意味を認識していません。
ようやくプリンタを買い替えました。ひょっこり通信はプリンタ直印刷ですが、印
刷ブレがひどくなっていました。1万で買った古いエプソンはすでに修理期間終了。
地元の上新電機へ行ったらキャノン(スキャナなし)が3480円。これ以上安い
のがあると思えず、即購入。新品のインクが入ってるけど、このインク代より安いん
じゃないかな。
「歩きMAP」5.20 清滝・高雄ルート改訂
「じべたでひろたもん」5.19 特殊乗車証2枚
「船越屋画廊」5.12『Neuf(ネフ)』
「突然!ネタばれしても委員会」5.10『ミスト』
「長岡京市立図書館の棚から」5.8『ザ・ダークホース』
「長岡京市の裏百景」4.30「鉢伏池(底なし沼)」
「ボツ画」4.12「ブラックボード」
『MY HOUSE』 ‥‥‥‥‥本物志向のホームレス・ホームドラマ
『テイク・シェルター』‥‥‥‥‥‥‥‥‥もったいをつけすぎる
『新しき土』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥かなりのトンデモ映画
『キリング・フィールズ』‥‥‥‥‥‥好みのタッチではあります
『ポテチ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥悪くないけど話が小さすぎる
『捜査官X』‥‥‥‥‥‥‥‥‥香港アクション映画の最高峰か?
『KOTOKO』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年初のドツボ映画
『別離』‥‥‥‥‥‥‥‥‥イラン映画の頂点、今年のベストワン
このあとは『ムサン日記 白い犬』に期待
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Contents
・『別離』
・淡島千景特集
・傑作短編アニメ
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◎ 公開中の新作から……… 『別離』 2011年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:アスガー・ファルハディ
出演:レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、サレー・バヤ
ト、サリナ・ファルハディ、ほか
配給:マジックアワー、ドマ
現時点で今年のベストワン。
ささいな行き違いにしか見えない理由でイラン人夫婦が離婚調停する。そこから坂
道を石が転げ落ち状態で大事件に発展する。この映画はストーリーが抜群に面白いの
で、内容についてはなるべく情報を入れずに観ることをお勧めする。
ということで、紹介はおしまい。
というのはちょっとまずいので(苦笑)、周辺事情を少しだけ。
監督の娘、サリナ・ファルハディが夫婦の11歳の娘として、ストーリーの節目ご
とに重要な役割を果たす。この子役が実にいい演技を見せている。
ファルハディ監督は前作の『彼女が消えた浜辺』もそうだったが、普通の市民の生
活の中から巧みにドラマをつむぎだしている。イラン人の気質、イランの精神風土が
息づく中でリアルな人の息吹が描かれる。ふだん伺い知ることのできないイラン人の
生活を生に近い形で覗き見ている感じがして、興味深いものがある。
イラン映画で日本公開されるものは少ないが、これほどレヴェルの高いものが生ま
れてくるということは、高い文化レヴェルが土壌としてあるということ。マジッド・
マジディ、ジャファル・パナヒ、バフマン・ゴバディ、アッバス・キアロスタミ。イ
ランについて、もう少し興味をもっていいのでは?
………………………………………………………………………………………………………
◎ これはありがたき幸せ、という特集
………………………………………………………………………………………………………
嬉しいことに京都と大阪で淡島千景の特集をやってくれています。大阪はシネ・ヌ
ーヴォで5月5日から6月1日まで、18本。京都は文化博物館で5月2日から6月
3日まで、15本。成瀬巳喜男の『鰯雲』はシネ・ヌーヴォのみ。市川崑の『日本橋』
は両方でやります。今月、忙しいです。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… 傑作短編アニメ
………………………………………………………………………………………………………
世界の傑作短編アニメをユーチューブで観まくってやろうと思って検索しまくりま
した。三分の二ほどは投稿があった。
驚嘆するような作品というのはごく一部です。中には「ご苦労さまでございました」
という意味で感心する作品もあります。アニメは手間をかければかけるほど見映えが
上がります。しかしそれが落とし穴になってしまったと思える作品もある。典型例は
ユーリ・ノルシュテインの『外套』です。もはや袋小路に陥ってるとしか言いようが
ない。
アレクサンドル・アレクセイエフがピンポード・スクリーンで制作した『鼻』(ゴ
ーゴリ原作)というアニメがあります。非常に精緻なアニメで感心します。技術と手
間は称賛できる。だが面白くない。
その次に観たキャロライン・リーフの『ザムザ氏の変身』(カフカ原作)は、わり
あい似たような手法ながら、対照的なほどスキだらけ。しかし表現の大胆さと省略の
巧みさとで引き込まれる。毒虫に変身した男の悲哀がユーモアとともに描き出される。
実験アニメは表現媒体の特性を生かすセンスがなによりも求められていると実感した。
参考のため、代表的な作品のURLをいくつか挙げておきます。『外套』は投稿が
ありません。
アレクセイエフ『鼻』11分(分割されてます)
http://www.youtube.com/watch?v=7p9p0x4c8Yc
http://www.youtube.com/watch?v=I7TO0n29u9E
キャロライン・リーフ『ザムザ氏の変身』10分
http://www.youtube.com/watch?v=GHvy-J1BFu8
フレデリック・バック『クラック!』15分
http://www.youtube.com/watch?v=xsWU-nksQWA
ユーリ・ノルシュテイン『霧につつまれたハリネズミ』10分
http://www.youtube.com/watch?v=lCsJZV7aCdY
ノーマン・マクラレン『カノン』9分
http://www.youtube.com/watch?v=MRXNcrGkr4Y
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット『岸辺のふたり』9分
http://www.youtube.com/watch?v=HQfOFVMth5Q
川本喜八郎『道成寺』19分 上海のサイトから
http://www.tudou.com/programs/view/qgcAZ19k1Ss/
キャロライン・リーフが『ザムザ氏の変身』以前に受けたインタビューの映像があ
ります。制作方法の紹介もある。なかなか美人です。
http://www.youtube.com/watch?v=PP5U7doQLY8
………………………………………………………………………………………………………
近況など………
………………………………………………………………………………………………………
毎度ばかばかしいお笑いを、で、小咄の練習に励んでいます。どこかからお声がか
かるなら喜んで参上したいところながら、誰がこんなド素人の噺を聞きたがるもんか
いな。
ということで、一人ハイキングの時、身振り手振りしながらブツブツ言って歩いて
いる怪しいハイカーです。
「長岡京市の裏百景」4.30「鉢伏池(底なし沼)」
「じべたでひろたもん」4.26 セブンスター
「ボツ画」4.12「ブラックボード」
「長岡京市立図書館の棚から」4.12『天游 蘭学の架け橋となった男』
「新曲のページ」4.11『日陰の小径 The Shady Lane』
「長岡京市の裏百景」3.31「日陰の小径」
「御漫画」3.30「時代はもう1930年代のドイツ」
『裏切りのサーカス』‥‥‥‥‥‥‥‥‥すごく話がわかりづらい
『アーティスト』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥普通に面白い
『スーパー・チューズデー』選挙ものだが、まるで傑作サスペンス
『マイブリッジの糸』‥極上の芸術作品を鑑賞させられてるような
『ドライヴ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥キャリー・マリガンに魅かれる
『シェイム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なぜか印象が薄い
『ヒューゴの不思議な発明』‥‥‥‥‥‥‥‥普通に楽しめました
『灼熱の魂』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥驚愕の顔が目に焼き付いてます
このあとは『キリング・フィールズ 失踪地帯』に期待
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Contents
・『スーパー・チューズデー 正義を売った日』
・たまには映画を忘れて、
・京都芸大ギャラリーKCUAの「戦う美術」
………………………………………………………………………………………………………
◎ 公開中の新作から…『スーパー・チューズデー 正義を売った日』2011年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:ジョージ・クルーニー
出演:ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホ
フマン、ポール・ジアマティ、マリサ・トメイ、ジェフリー・ライト、エヴ
ァン・レイチェル・ウッド、ほか
原題:The Ides of March(三月の十三日)
配給:松竹
選挙内幕ものです。地味という予想を覆し、意外にもサスペンス色の強い策謀映画
の秀作になっていた。米国の選挙戦の内実を素人にもわかるように見せてくれた点も
高く評価できる。
米国大統領選挙の民主党予備選。トーナメントの準決勝みたいなもんです。ここで
勝ち上がった候補が本選に出る。
共和党の選挙はお話にならないくらい低レヴェルで腐ってますが、まだましと言わ
れる民主党でも清廉とはけっして言えない。建前的な理想と本性のダーティな部分を
表裏にして見事に対比させている。その両面を監督でもあるジョージ・クルーニーが
大統領候補として演じきっている。
主人公は大統領候補じゃなく理想に燃える若き選挙参謀(ライアン・ゴズリング)。
彼が政治の現実を見て変貌していくさまを描く。政治ドラマが騙し騙されのポーカー
ゲームのごときで、観客の予想をいい意味で裏切っていく。
終盤、厨房での大統領候補と参謀の対決が魅せる。毒をもって毒を制し、毒を食ら
わば皿までどっぷりと漬かっていくさまに心がおどる。
本選が近いのが影響したのか、米国アカデミー賞ではまるで黙殺。脚本でノミネー
トされただけでした。いいかげんアカデミー賞も純粋に面白い映画に作品賞を与えて
いいんじゃないか。毎度毎度、象徴的な映画ばかり選んでないで。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これはとっても変、という映画
………………………………………………………………………………………………………
『MY HOUSE』
5月26日全国公開 2012年度作品
監督:堤幸彦 原作:坂口恭平『TOKYO 0円ハウス0円生活』
出演:いとうたかお、石田えり、板尾創路、木村多江、ほか
配給:キングレコード、ティ・ジョイ
予告篇を観てびっくりした。シネコンでこんな刺激的で実験的な映画をやるのか。
『ホームレスが中学生』という娯楽映画があったけど、これはマジなホームレス実践
映画だ。なにはともあれ、そそられる。
『新しき土』
4月7日東京公開 1937年度作品 日本・ドイツ合作映画
監督:アーノルド・ファンク、伊丹万作
出演:原節子、小杉勇、早川雪洲、ルート・エヴェラー、市川春代、ほか
配給:T&Kテレフィルム(封切り時は東和商事映画部配給)
リヴァイヴァルです。モノクロ、トーキー。京都は6月ぐらいに公開の予定。原節
子はなんと16歳。傑作『河内山宗俊』のあとの出演作です。内容や出来映えは置い
といて、それだけで観る価値あるんじゃないでしょうか。
………………………………………………………………………………………………………
◎ たまには映画を忘れて、
………………………………………………………………………………………………………
映画を観る基準は「面白そう」か「見たいものがその中にある」だけです。俳優の
好き嫌いはあまり関係ありません。監督が誰かということも決定項目じゃなく、参考
材料。ジャンル、国籍、関係なし。
観るかどうかを決めるのは、自分の判断力が頼りです。長年映画を観てるとある程
度勘が働きます。これは面白い。これはクズ。たまにクズも拾ってしまいますが、年
に5本もない。逆に言えば、長年映画とつきあってながら1年間にクズを10本以上
も観てたら恥ずかしいと思う。
面白そうな映画がぜんぜん来ない場合は? そういう場合は映画館へ行かない。映
画だけが娯楽じゃなし。やりたいこともいろいろあるし。ほかに観るもんないからこ
れでも観よか、は、絶対しないことにしています。面白いもんが出てくるまで映画の
ことなんか忘れてたらよろしい。
映画がないときは音楽イヴェントや参加型のイヴェントをはしごしてます。ものを
作ったり表現したりするというやつ。新しいことをやってみるというの、新鮮ですよ。
………………………………………………………………………………………………………
近況など………
………………………………………………………………………………………………………
所有物の圧縮を進めています。必要なくなった古い本を百数十冊、ポイしました。
京都芸大ギャラリーKCUAが今やってるアートイヴェント「戦う美術」に不要本が
大量に必要だというので提供したんです。終了後は廃棄です。
現代アートに興味ある方はどうぞご観覧を。5月20日までです。場所は御池通堀
川西入北側。
「ボツ画」4.12「ブラックボード」
「長岡京市立図書館の棚から」4.12『天游 蘭学の架け橋となった男』
「新曲のページ」4.11『日陰の小径 The Shady Lane』
「長岡京市の裏百景」3.31「日陰の小径」
「御漫画」3.30「時代はもう1930年代のドイツ」
「日本映画のデータベース」3.27 新装開店
「じべたでひろたもん」3.24「プラスティック製の容器」
『スーパー・チューズデー』選挙ものだが、まるで傑作サスペンス
『マイブリッジの糸』‥極上の芸術作品を鑑賞させられてるような
『ドライヴ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥キャリー・マリガンに魅かれる
『シェイム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なぜか印象が薄い
『ヒューゴの不思議な発明』‥‥‥‥‥‥‥‥普通に楽しめました
『灼熱の魂』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥驚愕の顔が目に焼き付いてます
このあとは『裏切りのサーカス』に期待
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Contents
・『ドライヴ』
・去年公開の外国映画
………………………………………………………………………………………………………
◎ 公開中の新作から……… 『ドライヴ』 2011年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、
アルバート・ブルックス、オスカー・アイザック、ロン・パールマン、ほか
原作:ジェイムズ・サリス
配給:クロックワークス
昼間は自動車修理と映画のカースタント、夜は犯罪者の逃がし屋をやっている寡黙
な男。名前は登場しない。ただドライバーと呼ばれるのみ。
シネコンでチケット購入後、残席が1。きわどかった。それも埋まって満席となっ
た。満席の映画は久しぶり。激しいカーチェイスを期待したのかもしれない。ただの
カーアクション映画なら迫力ある映画は他にいくらでもある。この映画でメインにな
るのは緊張感あるドラマのほう。
ドライバーはアパートの同じフロアにいる若い母親(キャリー・マリガン)に惚れ
る。夫(オスカー・アイザック)が出所してくる。ここでややこしい三角関係が、と
はならず、男同士が妙に親密になるのが不思議だ。夫は明らかに妻とドライバーが彼
のいない間、仲良くしていたことを知っている。このあと、二人は犯罪をもちかけら
れ、はめられ、窮地に陥る。
クールでシャープな演出は魅力だが、この映画は俳優の魅力が大きい。観る前に注
目していたのはキャリー・マリガン。美人タイプではないんだけど、親しみの感情を
抱かせる不思議な女優だ。直前に観た『シェイム』とはがらりと印象を変え、無垢な
女性を演じている。
拾い物だったのはオスカー・アイザック。観る前は、凶悪な男を演じるならこいつ
しかないと思っていた。ワル顔でムショ帰り。それでいて結局は意外に罪のない男。
不思議な柄を見せた。
デンマーク出身のレフン監督は最近注目されだした若手。このあと公開される北欧
神話をベースにした『ヴァルハラ・ライジング』も、力のある映像(予告篇)を見せ
て期待させる。
………………………………………………………………………………………………………
◎ これは期待大、かも、という映画
………………………………………………………………………………………………………
『レイトオータム』
5月5日京都公開 2010年度作品
英題:Late Autumn
監督:キム・テヨン
出演:ヒョンビン、タン・ウェイ、ほか
配給:スプリングハズカム
韓国映画『晩秋』のリメイク。といってもそれがどんな映画か知らないんですが。
予告篇の、切なく愁いある映像の空気感にぐっと魅かれます。観逃してはいけない映
画という気が。
『キリング・フィールズ 失踪地帯』
5月26日京都公開 2011年度作品
原題:Texas Killing Fields
監督:アミ・カナーン・マン
出演:サム・ワーシントン、クロエ・グレース・モレッツ、ジェシカ・チャス
テイン、アナベス・ギッシュ、シェリル・リー、ほか
配給:ミッドシップ
テキサスの犯罪多発地域で起こった連続少女殺人事件を追うサスペンス。ひりひり
した辛口のテイストが感じられる。監督はマイケル・マンの娘です。
『ダーク・シャドウ』
5月19日全国公開 2012年度作品
原題:Dark Shadows
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、エヴァ・グリーン、ヘレ
ナ・ボナム・カーター、クロエ・グレース・モレッツ、ジャッキー・ア
ール・ヘイリー、ほか
配給:ワーナー
テレビの吸血鬼もののリメイク。監督主演コンビはずんずん下降線を描き続けてま
すが、今回は挽回なるか。モレッツ出てるというだけで関心持ってるの、バレバレ?
『レイトオータム』や『キリング・フィールズ』は京都での公開が決まってほっと
してますが、以前紹介した『ザ・デット(意味は「負い目」)』は日本の配給会社が
買っていませんでした。それでもユーチューブには日本語字幕つきの予告篇がありま
す。誰が字幕つけてるんでしょうね。モサドのからむスパイサスペンスで、予告篇見
るかぎりでは必見の映画ですが。
………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画雑話……… 去年公開の外国映画
………………………………………………………………………………………………………
iMDbという米国サイトの投票結果はある程度参考にしています。去年日本で公
開されたものを、点数の高いものから順番に並べてみます。十点満点の点数と、投票
者数です。
パール・ジャム20 8.6 from 1,054
英国王のスピーチ 8.5 from 1,140
ソーシャル・ネットワーク 8.4 from 26,140
50/50 フィフティ・フィフティ 8.4 from 7,454
ザ・ファイター 8.3 from 15,546
トゥルー・グリット 8.3 from 16,651
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 8.3 from 101,459
ブラック・スワン 8.3 from 19,778
LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語 8.3 from 1,128
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 8.2 from 11,693
インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 8.2 from 10,088
灼熱の魂 8.2 from 8,882
第7鉱区 8.2 from 217,422
メアリー&マックス 8.2 from 17,753
イップ・マン 序章 8.1 from 33,707
マネーボール 8.1 from 10,698
トップの『パール・ジャム20』は音楽ドキュメンタリです。この結果はオールマ
イティではありません。あくまで参考程度にしてください。
今年公開の映画も挙げておきましょう。本国ですでに公開されたものだけです。
アーティスト 8.4 from 28,029
ドラゴン・タトゥーの女 8.2 from 38,145
ヒューゴの不思議な発明 8.2 from 25,305
ドライヴ 8.0 from 152,296
ファミリー・ツリー 8.0 from 5,543
ヘルプ 心がつなぐストーリー 8.0 from 30,546
………………………………………………………………………………………………………
あとがきのかわりに、最近のことなど………
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日本映画データベースをサイトにアップしてから、データベースのフォルダを「映
画」と「映画に使われた音楽」に分割しないと修正・編集が困難になってることに気
がつきました。即、新しいフォルダを作って分割。古いページはすべて、新しいペー
ジへジャンプするようにしました。
古いフォルダのページへリンクしてるページがネット上にどれだけあるか、検索し
ました。場合によっては移転の連絡をしなければなりません。
ほとんどは「この曲、何?」という質問コーナー。回答の説明とともにURLリン
クがあります。きちんと数えてませんが、その数、百を下らない。こんなにもあてに
されてるのかと驚きました。意識せず社会貢献してるのか。今まで適当にやってきた
けどしっかり調査しなければ。これを機会に気持ちを新たに、と言いたいところだが、
結局は相変わらずちんたらのんびり続けそう。
「長岡京市の裏百景」3.31「日陰の小径」
「御漫画」3.30「時代はもう1930年代のドイツ」
「日本映画のデータベース」3.27 新装開店
「じべたでひろたもん」3.24「プラスティック製の容器」
「長岡京市の裏百景」3.22「あんたもスポーツ?」
「じべたでひろたもん」3.3 黒いリュックサック
「長岡京市の裏百景」2.28「街のテキスタイル」
「シネマージュ」2.26 映画パーティは盛況のうちに終了
「新編図解辞典 大誤解」2.11 新規追加
「ボツ画供養塔」1.27「ランゴ」
「船越屋画廊」1.25『エンジェロイド』
『ドライヴ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥キャリー・マリガンに魅かれる
『シェイム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なぜか印象が薄い
『ヒューゴの不思議な発明』‥‥‥‥‥‥‥‥普通に楽しめました
『灼熱の魂』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥驚愕の顔が目に焼き付いてます
『CUT』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥評価しない
『サウダーヂ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥すごい映画だと思う
『メランコリア』‥‥‥‥‥‥提起としては面白いが、疲れる映像
『ヤング≒アダルト』‥‥‥‥‥コメディじゃなかったことに唖然
『顔のないスパイ』‥‥リチャード・ギア、最近渋く頑張ってます
『セイジ 陸の魚』‥‥‥‥主演三人のアンサンブルだけでも満足
このあとは『裏切りのサーカス』に期待
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Contents
・『メランコリア』
・ネットの裏側で
・パーティの話題から
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◎ 公開中の新作から……… 『メランコリア』 2011年度作品
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監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルス
ゲールド、ジョン・ハート、シャーロット・ランプリング、キーファー・サ
ザーランド、ウド・キアー、ほか
配給:ブロードメディア・スタジオ
もう終わってます。今ごろ取り上げたのは、必見じゃないから。それでもこの映画
は言及する意味があります。必見でない理由はあとで書きます。
この映画は観た人によりさまざまな異なった捉え方がされていて、その点が面白い。
精神医学的な観点から述べられているものがいくつかあったと思いますが、僕は自然
科学的な点で興味深かった。不思議なことに僕と同じ観点からの評が見当たらない。
今のところ見つけられていない。
まずは物語のアウトラインを。ロードショーが終了してることもあるので、ネタバ
レ禁止の原則を解除します。でないと何も書けない。主役姉妹の妹のほう、ジャステ
ィン(キルティン・ダンスト)の結婚披露宴に人々が集まる。同じ時、小惑星が地球
に向かってくる。
ジャスティンは物事を見通す能力がある。彼女は地球以外に生物がいないと断言す
る。小惑星が地球と衝突し、地球が惑星としての死を迎えることを見通している。彼
女の言う通りだとすると、全宇宙が死の世界になることになる。
知的生命体との遭遇は映画や小説でくり返し描かれてきた。話としては面白いので
容認するが、現実には地球以外に知的生命体がいそうにない。いると思うのは希望的
観測にすぎない。知的生物が誕生するための環境条件はそうとうに厳しく、地球は全
宇宙の中でもまれな環境を持っている。
外宇宙には単純な生物はいるかもしれないが、高度に進化した生物はいないと、僕
は断言する。地球が死ぬと、意識や感覚、歴史といったものがすべて世界から消える。
宇宙は「無」になる。この映画はそのことを強調してはいないが、人類はそういう意
識を持てと示唆しているように見えた。
観て楽しい作りにはなっていません。最大の問題は、2時間を超える長尺でありな
がら、全編一貫して手持ちカメラだということ。おまけに不必要なほどカメラをグラ
グラゆさぶる。目と頭が疲れ、意識が一部飛んでしまった。観客を心理的にゆさぶる
にしても、もっと穏当なやり方があったんじゃないだろうか。
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◎ これはイケそな、という映画
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『ドライヴ』
3月31日全国公開 2011年度作品
原題:Drive
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 原作:ジェイムズ・サリス
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、クリスティナ・ヘンドリ
ックス、ロン・パールマン、オスカー・アイザック、ほか
配給:クロックワークス
ドライバーが主人公のサスペンスアクション。昼は映画のカースタント、夜は強盗
逃し専門の運転手。ここ何年か、ライアン・ゴズリングはいい映画を選んで出演して
いるが、これもかなり評判がいい。
『裏切りのサーカス』
4月21日全国公開 2011年度作品
監督:トーマス・アルフレッドソン 原作:ジョン・ル・カレ
原題:Tinker Tailor Soldier Spy
出演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、シアラ
ン・ハインズ、マーク・ストロング、ジョン・ハート、ほか
配給:ギャガ
ジョン・ル・カレのスパイ小説の映画化。監督は『ぼくのエリ 200歳の少女』
のトーマス・アルフレッドソン。ベテランスパイのジョージ・スマイリーをゲイリー
・オールドマンが演じる。役柄の静かなイメージとはかけ離れるが、原作にないアク
ションシーンがあるからだろう。サーカスは英国のスパイ組織です。サーカスと聞い
てピンと来ない日本人にとっては不親切なタイトルと思う。
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◎ 映画雑話……… ネットの裏側で
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『ヒューゴの不思議な発明』の不明曲目をいくつか調べていたのです。ICレコー
ダーの音声をくり返し聞いてもわからず、自分サイトの「この曲なんです?」ページ
に音声データを掲げたら、即日でメールあり。
曲目ではなくネット映像のURLです。ユーチューブ。劇場盗撮などではなく、全
編のクリアな本物映像。どっからこんなもんを?と思うが、ページ上の説明コメント
などはアラビア文字です。
「すぐに抹消されると思います」ということだったのでさっそくチェック。エンド
クレジットがある。劇場では目で追いきれなかった。曲目を控えた。それをまたユー
チューブで検索して聞き、使用シーンと照合する。すべての曲目が判明。映画を観た
翌日にサイトのデータベース「クラシックが使われている映画」に挙げた。
情報をくれたのは僕のデータベースサイトをフォローしてくれている静岡の男性。
中国やロシアのサイトの違法アップロードをチェックしては目当ての映像を捜し出し
てくれる。たいがい見つけてくれるが、ないときはしばらくしてから「入手した」と
連絡が入る。どう「入手」したのか聞くのもおそろしい気が(笑)。
おそらく中古DVDか有料のダウンロードかな、と思う。毎月何本も「入手」して
いる。サイト管理者はせいぜい百円レンタルでチェックする程度なのに、それでいい
のかな?とも思うが、好意に甘えさせてもらっている。
映画はまったく観ない人で、純粋に調査が趣味。彼が映画を観るのは使用曲目を確
認する時だけ。彼とタッグを組むと不明やあいまい情報が次々正されていく。だから
ずっといてほしい。なので見つけ出してでも不明情報を「この曲なんです?」ページ
にどんどん並べていく。エサ撒いてるみたいなもんですよ。
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あとがきのかわりに、最近のことなど………
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2月26日のパーティ。参加者は11名でしたが、早退者との入れ替わりがあった
ので座に10人を超えることはありませんでした。これぐらいの人数がちょうどいい
です。あまり多いと話しづらい。
参加者のカジポンと顔がちょっと似てるという話から、大阪市長の話題も。この人
物についてはそれぞれに意見があることでしょう。労組の既得権や旧来の馴れ合い、
思考停止の前例踏襲などを打破している点に関しては評価します。人間性を評価すれ
ば、落第。自分の意志を押し通すためなら脅すこともいとわない。職員など、関わる
人たちとの信頼関係を壊してなんとも思ってない。これでは単なるコミュニケーショ
ン不全者とかわるところがない。
世の中の空気は1930年代のドイツのよう。ナチス党が維新の会と名前を変えて
出てきただけで、その正体が見えなくなるので厄介です。
「じべたでひろたもん」3.3 黒いリュックサック
「長岡京市の裏百景」2.28「街のテキスタイル」
「シネマージュ」2.26 映画パーティは盛況のうちに終了
「新編図解辞典 大誤解」2.11 新規追加
「ボツ画供養塔」1.27「ランゴ」
「船越屋画廊」1.25『エンジェロイド』
『シェイム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なぜか印象が薄い
『ヒューゴの不思議な発明』‥‥‥‥‥‥‥‥普通に楽しめました
『灼熱の魂』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥驚愕の顔が目に焼き付いてます
『CUT』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥評価しない
『サウダーヂ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥すごい映画だと思う
『メランコリア』‥‥‥‥‥‥提起としては面白いが、疲れる映像
『ヤング≒アダルト』‥‥‥‥‥コメディじゃなかったことに唖然
『顔のないスパイ』‥‥リチャード・ギア、最近渋く頑張ってます
『セイジ 陸の魚』‥‥‥‥主演三人のアンサンブルだけでも満足
『ものすごくうるさくてありえないほど近い』不思議なものを観た
『ドラゴン・タトゥーの女』‥ストーリー知ってても抜群に面白い
このあとは『ドライヴ』に期待
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Contents
・『ドラゴン・タトゥーの女』
・『むすんでひらいて』
・偽シニア
………………………………………………………………………………………………………
◎ 公開中の新作から……… 『ドラゴン・タトゥーの女』 2011年度作品
………………………………………………………………………………………………………
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演者:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、ジョエリー・リチャードソン、
クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド、ロビン・ライト
原作:スティーグ・ラーソン
配給:ソニー
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』からわずか2年で再映画化なので、記憶
に新しい。ミステリー映画で話を知ってて、しかもあっと驚きのエンドまで知ってて
面白いんかと、観る前は疑問に思ってたが、杞憂だった。
同じくスウェーデン映画からの短いサイクルの再映画化だった『モールス』は、ス
トーリーだけでなく風景までそっくりだった。『ドラゴン・タトゥーの女』の細部は
ずいぶん変わっている。結末部分まで違っている。どっちが原作に近いのか、読んで
確かめたくなった。
改めて紹介するまでもないと思うけど、設定だけでも簡単に紹介する。左翼系の新
聞記者が大富豪の依頼を受けて40年前の事件を再調査する。リスベットという天才
的な調査員と協力し、過去のおぞましい事件をあぶり出していく、というもの。
地味な調査の積み上げから徐々に事実が立体的に浮かび上がってくる。ミステリー
映画の好きにはたまらない構成です。
前作でノオミ・ラパスが演じたリスベットは、今回ルーニー・マーラ。前作以上に
強烈な印象を放つ。顔に際立った個性がなく、セリフは少なく、無表情を通す。なの
にキャラクターのインパクトは強い。
唯一ひっかかるのは、舞台がスウェーデンになのに英語だということ。会話だけで
なく文字も。固有名詞はスウェーデン語なのに英語が並んでるのは違和感があります。
スウェーデン語ヴァージョンはあるだろうか。ないでしょうね、そんなの。
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◎ これは注目株では、という映画
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『第九軍団のワシ』
公開日未定 2011年度作品
監督:ケヴィン・マクドナルド 原作:ローズマリー・サトクリフ
出演:チャニング・テイタム、ジェイミー・ベル、マーク・ストロング、ドナ
ルド・サザーランド、ほか
配給:太秦
今年公開の新作リストに挙がってました。『第九軍団のワシ』は英国のラジオドラ
マとBBCのテレビドラマは過去にあったんですけど、映画は初。古代ブリテン島を
舞台としたこの名作が今まで一度も映画化されなかったのは、予算の制約が大きかっ
たからだろうと思います。今ではCGを多用した戦争大作などざらにありますから、
ゴーサインが出たのかな?と思いますが。『ロビン・フッド』『キック・アス』の憎
々しい悪役マーク・ストロングは、やっぱり悪役なのでしょう。
『SHAME シェイム』
3月10日全国公開 2011年度作品
監督:スティーヴ・マックイーン
出演:マイケル・ファスベンダー、キャリー・マリガン、ほか
配給:ギャガ
監督は俳優のマックイーンではありません(当り前か)。セックス依存症の男の話。
その妹役にキャリー・マリガン。ポルノ映画ではないけどベッドシーン多発、という
のを受け入れられるかどうか。評価はきわめて高い。
『血と蜂蜜の国で』
公開日未定 2011年度作品
原題:In the Land of Blood and Honey
監督:アンジェリーナ・ジョリー
出演:Zana Marjanovic、Goran Kostic、Rade Serbedzija、ほか
配給:不明
こちらの監督は女優です。ユーゴ紛争を舞台にした作品。配給会社も公開日も何も
決まってない。予告篇の熾烈な映像は目に焼き付く。ただ、iMDbの評価は珍しい
ほど厳しい。投票者15094人で10点満点の3.2。何が否定的評価の理由なの
かが気になる。
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◎ 音楽雑話……… 『むすんでひらいて』
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『むすんでひらいて』の原曲とされるジャン=ジャック・ルソーの『パントマイム』
を聴いてみました。そういえば似てるかな?という程度で、意外に思うくらい旋律の
一致点がほとんどない。何も知らされないで聴けば、『むすんでひらいて』を連想す
ることもない。
『むすんでひらいて』はルソーが作曲したと紹介される例をときどき見かけるが、
これほど食い違ってると作曲者とするには無理がある。思うに、日本の童謡とフラン
スの思想家が結びついてるのが面白くて、デマや与太話が広まるんだと思います。
『むすんでひらいて』とほぼ同一のメロディーの歌は世界各地にあります。日本だ
けでも他に何曲かあります(唱歌『見渡せば』など)。それらすべてを聴いてみたわ
けじゃありませんが、同じ旋律でしょう。
『パントマイム』が原曲なのは間違いない。同一の曲が広まってるということは、
誰か一人が『パントマイム』にインスパイアされて作曲したものと思われる。それは
ルソーではない。ルソーが作ったならルソーの曲として名前が残る。無名の作曲家だ
からこそ記録に残らなかったのだと見ています。
デマの拡散は無意識のうちにやってしまう。気をつけようと思いつつ、自分でもた
ぶんやってるだろうなと思う。
『パントマイム』のユーチューブ映像。最初の1分あまりだけです。
http://www.youtube.com/watch?v=oQt8FLXINHo
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あとがきのかわりに、最近のことなど………
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去年、某シネコンで『X−MEN』を観たとき、いつもの癖で会員カードと千円札
を出してチケットを買ったのですが、よく考えたら千円サービスデーではない。ポイ
ント利用で観るつもりで来ている。チケットを見ると「シニア」となっている。
千円で観れておまけにポイントもついたのでラッキーなんだが、素直に喜んでいい
ものかどうか。以前は年よりも若く見られていたが、今は逆になってる気がする。
今月は60歳以上限定の定例ビデオ上映会に紛れ込んだ。『鰯雲』(淡島千景主演、
成瀬巳喜男監督)をぜひ再見したかった。会場はほとんどノーチェック。念のために
ややダサな格好をしていきましたけど。『鰯雲』は見直してもやはり傑作。
『ドラゴン・タトゥーの女』‥ストーリー知ってても抜群に面白い
『アイム・ヒア』‥‥久々大満足の、ロボットもののファンタジー
『月光ノ仮面』‥‥‥‥‥‥‥‥‥落語なんてくだらん、てこと?
『ゴモラ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥楽しみのないマフィア実録映画
『マイウェイ』‥‥‥‥‥‥‥‥力作だが、どれも見たような映像
『ロボジー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥悪くはないが笑いがない
『ヒミズ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥単調すぎで、メリハリほしい
『無言歌』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥別の惑星の異世界のよう
『哀しき獣』‥シンプルな前作とは雲泥の差のハードさてんこ盛り
『アクシデント』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥こちらはハズレの香港映画
『密告・者』‥‥‥‥‥‥充実の香港サスペンスの典型、みたいな
このあとは『灼熱の魂』に期待
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楽 ┗━━━━┓ ┃┃ ┏━━━━┛2012.2.13
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Contents
・『アイム・ヒア』
・バロック以前の音楽はジャズ
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◎ 公開中の新作から……… 『アイム・ヒア』 2010年度作品
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監督:スパイク・ジョーンズ
出演者:アンドリュー・ガーフィールド、シエンナ・ギロリー、マツミヤ・アスカ
配給:ミラクルヴォイス
32分短編
近未来の都市での、二人のロボットのボーイ・ミーツ・ガールものです。なんだか
とてつもなく奇妙なラブストーリーを見た気がしました。映像も物語も美しいのです
が、リアルとファンタジーとの境目があいまいな世界です。いつのまにか感情移入し
てしまった。
男のロボットを演じるのはアンドリュー・ガーフィールド。『わたしを離さないで』
の主演。女はシエンナ・ギロリー。観てるときは誰が入ってるのかわからなくて、ほ
んとに着ぐるみなのかと疑った。それほどに女のロボットが細い。
本編上映後にメイキングが上映され、ほんとに人間が入ってることを知った。全身
を型取りしてぴっちり被うように作られている。細いわけだ。色っぽいわけだ。全身
が見えないのにこんな美形を使う意味、あるんだろうか。
なんともいえない奇妙な後味を残す終わりかたをする。悲しみと希望を宿した終わ
りかた。これはハッピーエンドなんだろうか。
観賞後の満足感は大きい。類例を見つけようにも似たタイプの映画が存在しない。
それだけに一見の価値ある映画と思う。
『アイム・ヒア』というタイトルだけど、メイキングの中でスタッフたちがあれや
これやとタイトル案を出してるとき、シエンナ・ギロリーが「あの絵に書いてある言
葉はどう?」と言う。それが"I'm Here"。まさにぴったりのタイトル。こんなふうにし
てタイトルができました(のかな?)。
この映画を含め、"INVITATION from Spike Jonze"と題してスパイク・ジョーンズの
短編3本(とメイキング1本)をセットにして公開している。他の2本は『モーリス
万博へ行く』と『みんなのしらないセンダック』。この二つはモーリス・センダック
に関連したドラマとドキュメンタリ。どちらも観ごたえのある短編なので、お得感が
あります。
実は『みんなのしらないセンダック』のほうが思うところは多かった。創作する立
場での個人的なことばかりなので、省略。
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◎ これは要注目、という映画
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『CUT』
3月3日京都公開(16日まで)
2011年度作品 監督:アミール・ナデリ
出演:西島秀俊、常盤貴子、でんでん、笹野高史、ほか
配給:ビターズ・エンド
いちおう日本映画ですが、驚いたことにキネマ旬報ベストテンに入ってない。観て
もいないのに決めつけてはいけないが、あの10本なら入っているべきだろう、とい
う気がする。気合いの入り方があれらとは違う。
『ドライヴ』
3月31日全国公開 2011年度作品
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 原作:ジェイムズ・サリス
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、クリスティナ・ヘンドリ
ックス、ロン・パールマン、オスカー・アイザック、ほか
配給:クロックワークス
カーアクションが売りの娯楽映画です。出来はよさそうですが、キャリー・マリガ
ン(『わたしを離さないで』)が出てるというだけで好感度がぐっと上昇。『SHAME
シェイム』でもヒロイン。こっちも期待。
『ザ・デット』
公開日未定 2010年度作品 監督:ジョン・マッデン
出演:ヘレン・ミレン、サム・ワーシントン、ジェシカ・チャステイン、キア
ラン・ハインズ、トム・ウィルキンソン、ほか
配給:不明
公開日も日本での配給会社も現時点でわかってません。けど、キャストと予告篇を
見るかぎり、期待できそう。引退した諜報員が過去の事件の因縁から新たな事件に巻
き込まれていくというサスペンス。ジェシカ・チャステインがヘレン・ミレンの若い
ときを演じてアクションをやってます。
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◎ 音楽雑話……… バロック以前の音楽はジャズ
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三谷幸喜が去年の12月、朝日新聞の連載エッセイで書いていた。食わず嫌いでい
たバッハを初めて聴いたら聴きやすくて、仕事中にかけててもぜんぜんじゃまになら
なかった、と。いかめしい肖像画からくる先入観ですね。
バッハをほめてるわけだけど、それはバッハに限らず、バロックまでの音楽の特性
だと思う。以前と以後では音楽の性格が変わっている。
バロックまでは職人が作る手工芸品。作品という認識はありません。自己主張も表
現もない。聴き手が理解すべき理屈もついてこない。音楽が自己主張するようになる
のは古典派以後です。
愛称別称の類は基本的についてません(ヴィヴァルディは例外的)。そりゃそうで
しょう。よほどの逸品でもないかぎり、茶碗にいちいち愛称をつけない。
聴き手はよけいなこと、曲の成立過程や意味などは考えなくていい。ただひたすら
音を受け止めればいい。言葉にならない何かを感じ取ればいい。作り手は音によって
聴き手を楽しくさせることを考えて作っている。純粋に感覚的なものと思っていい。
ロックなどのようにメッセージは必要ない。ジャズみたいなもんですね。
バッハの曲に『月光』だの『悲愴』だのという言葉を与えると、イメージをしばり、
かえってじゃまになる。愛称はなくもないが、『シャコンヌ』『アリオーソ』『G線
上のアリア』ぐらい。いずれも具体的なイメージを伴う言葉ではありません。呼び習
わすための記号みたいなもんですね。
名曲はたくさんあります。バロック音楽をいろいろ聴いてみてください。
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あとがきのかわりに、最近のことなど………
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CINEMAテーブルのパーティ用の団体、シネマージュについて京都リビング新
聞のライターからメールで問い合わせというか、取材。結局は載らないみたい。日常
的に活動してる団体じゃなく、団体登録しといたほうがなにかと便利というだけで作
った団体ですから、思惑違いということもあるでしょう。
広報長岡京には紹介が載りました。サイトにのっけた写真と同じものが掲載されて
います。この写真、市民サポートセンターの人が取材に来たとき、撮っていったもの
です。なにしろ自前で写真を撮って記録を残すということをしてませんもので。今回
(2/26)は撮ってみようかな。
「新編図解辞典 大誤解」2.11 新規追加
「ボツ画供養塔」1.27「ランゴ」
「船越屋画廊」1.25『エンジェロイド』
「長岡京市の裏百景」1.25「白いピアノ」
「長岡京市の裏百景」1.24「大阪成蹊大学のギャラリーspace B」
「新曲のページ」1.3『インプロカノン』
「じべたでひろたもん」12/27「手提げ袋」
「シネマージュ」12/26 パーティは2/26です
「山歩き・里歩きMap」12/25「長岡京市西山西南部のコース」
『アイム・ヒア』‥‥久々大満足の、ロボットもののファンタジー
『月光ノ仮面』‥‥‥‥‥‥‥‥‥落語なんてくだらん、てこと?
『ゴモラ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥楽しみのないマフィア実録映画
『マイウェイ』‥‥‥‥‥‥‥‥力作だが、どれも見たような映像
『ロボジー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥悪くはないが笑いがない
『ヒミズ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥単調すぎで、メリハリほしい
『哀しき獣』‥シンプルな前作とは雲泥の差のハードさてんこ盛り
『密告・者』‥‥‥‥‥‥充実の香港サスペンスの典型、みたいな
このあとは『灼熱の魂』に期待
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Contents
・キネマ旬報のベストテンと個人賞
・正月映画の興行結果総まくり
・次のパーティのこと
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◎ キネマ旬報のベストテンと個人賞
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お勧めしたい映画がなかなか出てこないうちに1月が通り過ぎてしまいました。い
つ出せるかわからなくなったので、今回は特別にキネ旬のベストテンについて。
基本的には赤の他人たちが選出したものだから文句はつけません。挙げておいて僕
なりの解釈をするだけです。
[日本映画] [外国映画]
1.一枚のハガキ ゴーストライター
2.大鹿村騒動記 ソーシャル・ネットワーク
3.冷たい熱帯魚 英国王のスピーチ
4.まほろ駅前多田便利軒 無言歌
5.八日目の蝉 ブラック・スワン
6.サウダーヂ マネーボール
7.東京公園 トゥルー・グリット
7.モテキ 8.ヒアアフター
9.マイ・バック・ページ 灼熱の魂
10.探偵はBARにいる 家族の庭
『一枚のハガキ』は新藤兼人監督の功労賞的な意味合いが強そうです。『大鹿村騒
動記』も同じ。こちらは主演の原田芳雄に対して、です。あとに挙げるように原田芳
雄は主演男優賞も受賞。客観的に個別の作品や演技を吟味したうえでの評価ではあり
ません(文句つけてるがな)。
日本映画は不作だったのでこんなもんでしかたないかなと思う。外国映画のほうは
それなりに面白いものが出てきてるのに、テンの中にはあまり現われない。
[個人賞]
主演女優 永作博美
主演男優 原田芳雄
助演女優 小池栄子
助演男優 でんでん
『八日目の蝉』の永作博美は助演かなと思ってました。小池栄子(『八日目の蝉』
他)と、でんでん(『冷たい熱帯魚』)は当然すぎる。遅すぎるぐらいの受賞です。
2010年の小池栄子は『パーマネント野ばら』と『乱暴と待機』で有力でしたが、
1票差で落選でした。
僕個人でもテンを選んでみます。お遊びですから、ちらっと眺めるだけで。
[日本映画] [外国映画]
1.八日目の蝉 わたしを離さないで
2.毎日かあさん ウィンターズ・ボーン
3.その街のこども アンノウン
4.漫才ギャング 悪魔を見た
5.嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 密告・者
6.大鹿村騒動記 戦火の中へ
7.探偵はBARにいる アジョシ
8.緑子/MIDORI-KO モールス
9.飯と乙女 カウボーイ&エイリアン
10.おばあちゃん女の子 ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路
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◎ これは注目、という映画
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今年は1月から注目作がひっきりなしに公開されて、チェックするのも大変です。
『セイジ 陸の魚』
2月25日京都公開 2012年度作品 監督:伊勢谷友介 原作:辻内智貴
出演:西島秀俊、森山未來、裕木奈江、ほか
配給:ギャガ、キノフィルムズ
目を引くチラシデザイン。監督とキャストとこのチラシ。かなり尖っている。あま
り情報を入れたくない。四の五の言わず、とにかく観る。
『ヒューゴの不思議な発明』原題:Hugo
3月9日全国公開 2011年度作品 監督:マーティン・スコセッシ
原作:ブライアン・セルズニック
出演:エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、ベン・キン
グスレー、ジュード・ロウ、クリストファー・リー、ほか
配給:パラマウント
多作な監督ですが、ファンタジーは初めてでしょう。注目です。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
2月18日全国公開 2011年度作品 監督:スティーブン・ダルドリー
原題:Extremely Loud and Incredibly Close
原作:ジョナサン・サフラン・フォア
出演:トーマス・ホーン、トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、マックス・
フォン・シドー、ほか
配給:ワーナー
『ヒューゴ』同様、男の子が主人公の物語。こちらはリアル社会の物語。父親をな
くす少年という設定だけが共通しています。評価は高いので注目しています。
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◎ 映画雑話……… 正月映画の興行結果総まくり
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『ミッション:インポッシブル』断トツのトップ。
『源氏物語』不調。
『仮面ライダー』バカ当たり。
『タンタン』期待外れ。
『怪物くん』大ヒット。
『けいおん!』絶好調。
『リアル・スティール』好調。
『RAILWAYS』そこそこ。
『ハッピーフィート2』不発。
『山本五十六』まずまず。
『friends もののけ島のナキ』ちょぼちょぼ。
『ワイルド7』コケ。
『イナズマイレブン』ヒット。
12月1日公開の『タンタンの冒険』はスピルバーグ監督ということで鳴り物入り
の公開でしたが、やたら座席にアキの目立つスタートとなってしまった。公開最初の
土日2日間の数字では、動員も興収も『けいおん!』に大きく引き離された。これは
事件といっていい。おそらく誰にも予想できなかった。
『タンタン』は全国895スクリーン。『けいおん!』は137スクリーン。なの
に『タンタン』は『けいおん!』の三分の二を下回っている。落差の大きさがわかる
でしょう。
『タンタン』は予告篇を見た時点で「こんな程度のがヒットするんかなあ」と思っ
てましたが、世間的には原作知名度の低さが響いたようです。僕的にはひとりよがり
な作り込みやアクションセンスのダサさがどうにも気に入らなかった。
正月興行は僕にとって実質的に映画お休み期間です。毎年一二本程度しか観たいも
のがない。今年はたまたま一本もなかった。幅広い観客をターゲットにした映画は、
観てるときだけがまあまあ楽しくて、たいがいは心に響かないということを経験から
知りました。観終わって忘れる映画は時間もエネルギーもお金も無駄な気がします。
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あとがきのかわりに、最近のことなど………
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パーティのシネマージュは2月15日の広報長岡京に写真入りで紹介が掲載の予定
です。写真はサポートセンターの取材時ので代用してもらうことになりました。長岡
京市の団体として登録されてるけど、メンバーはほとんど市外。ばれないようにしま
しょう。パーティのお知らせは2月1日のほうに載ったので、2号続けて載ることに
なります。
パーティの日程は花粉症の時期を外して2月26日にしたけど、今年は飛散量が少
ないとのこと。去年は極大量だった。だからといって症状が例年よりひどかったとい
うことはなかった。おととしは発症しなかった。快癒の方向に向かってるとしたら喜
ばしいが。今年は発症するかな?
パーティ案内メールの送信アドレスをうっかりtoに入れて出してしまったのは失敗
でした。このメルマガもそうなんですけど、ひな形(テンプレート)ファイルを使え
ない。ひな形を呼び出すと異常終了してしまうんです。ネットで調べてもなぜかそれ
に対する回答はない。同報送信するときだけ別のメールソフトを使うという手がある
けど、ちょっと面倒。いろいろ手を考えてみます。
「ボツ画供養塔」1.27「ランゴ」
「船越屋画廊」1.25『エンジェロイド』
「長岡京市の裏百景」1.25「白いピアノ」
「長岡京市の裏百景」1.24「大阪成蹊大学のギャラリーspace B」
「新曲のページ」1.3『インプロカノン』
「じべたでひろたもん」12/27「手提げ袋」
「シネマージュ」12/26 パーティは2/26です
「山歩き・里歩きMap」12/25「長岡京市西山西南部のコース」
「じべたでひろたもん」12/22「ナカハシハルオさんのカードケース」
「船越屋新製品」12/22「切り紙遊び パラフラ」
「壁紙ギャラリー」12/20「マイルドテイスト」
『月光ノ仮面』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥退屈しました
『ゴモラ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥楽しみのないマフィア実録映画
『マイウェイ』‥‥‥‥‥‥‥‥力作だが、どれも見たような映像
『ロボジー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥悪くはないが笑いがない
『ヒミズ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥単調すぎで、メリハリほしい
『無言歌』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥別の惑星の異世界のよう
『哀しき獣』‥シンプルな前作とは雲泥の差のハードさてんこ盛り
『アクシデント』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥こちらはハズレの香港映画
『密告・者』‥‥‥‥‥‥充実の香港サスペンスの典型、みたいな
『ハラがコレなんで』‥‥‥‥‥‥コンサバを笑いものにせんかい
このあとは『灼熱の魂』に期待
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