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Contents
 ・『武士の献立』
 ・読めない名前

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◎ 公開中の新作から……… 『武士の献立』  2013年度作品
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 監督:朝原雄三
 出演:上戸彩、高良健吾、西田敏行、余貴美子、夏川結衣、緒形直人、成海璃子、
    柄本佑、鹿賀丈史、ふせえり、海老瀬はな、浜野謙太、笹野高史、宮川一朗
    太、畠山紬?、ほか
 配給:松竹

 観ると決めてる映画はなるべく情報を入れないようにしてるので、想定違いがいろ
いろ。まず、コメディじゃなかった。純フィクションでもない。予告篇映像はコメデ
ィっぽさを前面に出してたし、歴史劇の側面は隠していた。

 江戸時代の加賀騒動を背景にしたシリアスな時代劇。映画スタッフは時代劇となる
と精魂込めて絵作りに努める。この映画もていねいな作りが心地よい。シリアスは合
わないイメージがあった主演の上戸彩も好演している。

 天才的な料理センスを持つ娘が、請われて加賀藩の料理番の若侍のもとに嫁ぐ。そ
こで歴史の流れの中にいやおうなく巻き込まれていく。登場人物それぞれ、自分が奉
じるべき「誠」を持っている。利己行為は醜いが、利他行為はときによっては美しく
輝く。日本人の真の心は利他行為にあると信じる。


 ふせえり(お女中)や浜野謙太(同僚の料理番)などのキャスティングは見事にき
まっているが、惜しいと思えるのはドラマで重要な役回りとなる成海璃子。ヴィジュ
アル的に合っていない。美形というのは正しいが、顔も顔の中身の造作も大きく、目
を大きく見開いて話すから「デカい」という印象が際立つ。ミスキャストと思う。

 たとえば下女役で出演している海老瀬はなが演じていれば、少なくとも押し付けが
ましいイメージは消えていたろう。ネームヴァリューのバランスがどうとか言ってる
場合じゃない。要は見た目の印象。

 出演で畠山紬(『パーマネント野ばら』など)に「?」を入れてるのは確認できて
いないからです。上戸彩の少女時代を演じています。エンドクレジットでも名前を見
ました。が、ネット上ではなぜかどこも配役で畠山紬を挙げていません。おそらくプ
レスシートに記載されてないんでしょう。抗議ものです。

 映画が終わって立ち上がったとき、なぜか左足が攣り、治まるまでじっとしていた。
なので出るのが遅くなり、残ってたのは僕と中年女性の二人連れのみ。二人の会話が
聞こえた。「たからけんごっていいね」「どういう字を書くん?」「こうらけんごっ
て書いて、たからけんごって読むねん」こけた。コメディじゃなかった映画観て、思
わぬところで笑いが・・。


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◎ これはこれは、という映画
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『ブランカニエベス』
   12月21日京都公開 2012年度作品
   監督:パブロ・ベルヘル
   出演:マカレナ・ガルシア、ソフィア・オリア、マリベル・ベルドゥー、ダニ
      エル・ヒメネス・カチョ、アンヘラ・モリーナ、ほか
   配給:エスパース・サロウ
   原題:Blancanieves


 白黒無声で、音楽あり。白雪姫の物語で、白雪姫が闘牛士だと。わけがわからない
が、妙にそそられる。なるべく情報を入れずに直感で観ることにしてるので、これ以
上わからなくてもいい。ちなみに原題はスペイン語で白い雪、もしくは白雪姫。


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◎ 映画あれこれ……… 読めない名前
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 CINEMAテーブルやデータベースの編集作業をやってて思うのは、日本人俳優
の読みづらい名前。難読は俳優に限りませんが、目立ちたいがために奇抜な名前をつ
けてるんじゃないか、というのがある。劇団ひとり、とか、なすび、とか、でんでん、
とか。

 最近は本名そのままでも奇抜なのがある。昔ならあまり変な名前は読みにくいので
芸名でマイルドにしてたと思うのですが、今はそうした縛りはなくなって堂々と奇抜
本名を名乗るようになった。蓮佛美沙子とか本仮屋ユイカ、剛力彩芽、貫地谷しほり
など。

 「富司純子」の読みはわかります? 「ふじすみこ」ですね。昔は「藤純子(ふじ
じゅんこ)」だったのです。ややこしいですね。娘の「寺島しのぶ」はなんと読みま
す? 「てらじましのぶ」です。結婚後「てらしま」から「てらじま」に変わりまし
た。ややこしいですね。寺島咲は親戚でもなんでもないけど「てらしまさき」です。
ちなみに武井咲は「たけいえみ」です。ややこしいですね。

 以下の名前、全部読めますでしょうか。読めなかったり自信がなかったりする場合
は調べてみてください。

 大森南朋 大西信満 杉野希妃 洞口依子 柄本佑 柄本時生 山本浩司 黒木華


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 近況など……… 
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 いつのまにか100号通過してます。号数はあまり気にしてません。1000号に
到達しても記念行事のたぐいはやらないと思います。


「映画カフェ」次は2月16日(日)
「省エネカフェ」次は1月19日「地球の声に耳を傾けよう」
「ミニコミのページ」12.9 改装オープン
「クリスマスソングが使われている映画」12.1 新規コーナー追加
「船越屋画廊」11.28『降水予想』
「御漫画」11.27 ナチスを見習って……
「省エネカフェ」11.23「それってリユース?リサイクル?」
「ボツ画供養塔」11.18『深海魚』
「船越屋新製品」11.16 外人さんなんでもまかしとき辞典

『武士の献立』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥気持ちよく感動
『ゼロ・グラビティ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥緊張感たっぷり
『キャプテン・フィリップス』‥‥‥‥‥‥海洋サスペンスの秀作
『かぐや姫の物語』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年のジブリは2ペケ
『ばしゃ馬さんとビッグマウス』絶賛!もっと早く観るべきだった
『ジンジャーの朝』‥‥‥‥‥‥大器早成のエル・ファニング絶賛
『ルームメイト』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥見事、騙された!
『キャリー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥怖くないキャリー
『クソすばらしいこの世界』‥‥‥‥このすばらしきスプラッター
このあとは『ブランカニエベス』に期待
 

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Contents
 ・『ばしゃ馬さんとビッグマウス』
 ・映画賞予想
 ・ついに食い逃げ発生
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◎ 公開中の新作から……… 『ばしゃ馬さんとビッグマウス』 2014年度作品
………………………………………………………………………………………………………

 監督:吉田恵輔(『純喫茶磯辺』『さんかく』『麦子さんと』など)
 出演:麻生久美子、安田章大、岡田義徳、山田真歩、秋野暢子、松金よね子、井上
    順、岸田恵里子、岸田里奈、広岡由里子、ほか
 配給:東映

 今ごろ紹介するか、と思うんだけど、キャストに魅力がなくてパスしかけてたわけ
です。評判がいいので半信半疑で観たら、想定を超える面白さ。

 麻生久美子を中心に置いて脚本家の卵たちがじたばたやってるドラマでは、目新し
さなどあるわけないでしょう。そう思ったのは僕だけか。実際、麻生はメガネかけて
クソまじめ(馬車馬)をやってることを別にすれば、彼女の能力の範囲を超越しない。
むしろ他のキャラクターたちとのぶつかりあいによって面白みを引き出されたという
べきか。

 現実の個々の人間関係というのは単純ではなく、それぞれが微妙だ。その微妙さを
ヴィヴィッドに引き出す術を吉田恵輔監督は持っている。特に麻生と岡田義徳とのか
らみがそうだ。友だちなんだけど、男と女でもある。すれすれのラインをうまく処理
している。

 この映画、麻生久美子の視点に立てば、夢を追い続けるか、現実を直視して諦める
か、の物語だ。格別の秀でたセンスと能力がなければほとんど成功しない。10年以
上公募に出し続けて、一度も一次選考すら通ったことがない。それでも出し続けてい
る。この根性、僕にはない。でもこれぐらい努力するのが普通なんだよね。

 公募というのは、なかなかいい、面白いという程度のものでは通らない。そのくせ
入賞した作品も格別のものなんてありゃしないという不思議な世界だ。どういう選考
基準なのかと思う。まさか日展みたいに賄賂?

 観終えて、魅力がないと思ったキャストが意外にも充実し、輝いていた。初めて見
る安田章大は根拠のない大口たたき(=ビッグマウス)を好演している。麻生の仲間
でライバルを演じる『サイタマノラッパー2』主演の山田真歩、ソープ嬢くずれでビ
ッグマウスの母親を演じる秋野暢子。今年の日本映画は豊作だ。


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◎ これは面白い、かも、という映画
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『武士の献立』
   12月14日全国公開 2013年度作品
   監督:朝原雄三
   出演:上戸彩、高良健吾、西田敏行、余貴美子、夏川結衣、緒形直人、柄本佑、
      成海璃子、鹿賀丈史、ふせえり、ほか
   配給:松竹

 『武士の家計簿』とは無関係です。こっちはフィクション。上戸彩は、アクション
(『あずみ』シリーズ)は評価しませんが、コメディ(『テルマエ・ロマエ』シリー
ズ)は向いてると思ってます。この映画は基本的にコメディだと思います。


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◎ 映画あれこれ……… 映画賞予想
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 ぼちぼち映画各賞の予想をしてみたくなる時期になってきました。『そして父にな
る』(是枝裕和)を観たときはこの映画が圧倒的に日本映画のトップだと思ったもの
でしたが、『凶悪』(白石和彌)を観てわからなくなった。

 他にベストテンに入りそうなのは『さよなら渓谷』(大森立嗣)。『ばしゃ馬さん
とビッグマウス』も入ると思うんだけど。『許されざる者』(李相日)、『舟を編む』
(石井裕也)、『真夏の方程式』(西谷弘)、『共喰い』(青山真治)、『藁の楯』
(三池崇史)は有力だが、絶対とは言えない。個人的には『ペタルダンス』(石川寛)
と『クソすばらしいこの世界』(朝倉加葉子)を推したいが、難しそう。『人類資金』
(阪本順治)は予想外に評判が悪く、無理か。全体的には今年、豊作です。


 主演男優賞は『そして父になる』『真夏の方程式』の福山雅治が有力と思います。
主演女優は、今年男性中心の映画が多かったせいで有力候補が乏しく、個人的には該
当者なしなのですが、誰かが選ばれるんでしょうね。助演女優は『そして父になる』
『さよなら渓谷』の真木よう子ですんなりいくか。助演男優は大乱戦。リリー・フラ
ンキー(『そして父になる』『凶悪』)ピエール瀧(『凶悪』『そして父になる』)
藤原竜也(『藁の楯』)の極悪人トリオの三つどもえか。

 あと、新人賞候補として二宮慶多(『そして父になる』)と小林且弥(『凶悪』)
を挙げておきましょうね。


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 近況など……… ついに食い逃げ発生
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 CINEMAテーブルはずいぶん前に発送し終わっています。初めてですが、代金
を払わず、逃げてしまった人が現われました。金額は小さいのでべつだん困ることは
ないのですが、予期しない事態です。

 短評執筆者なんですが、去年、「書けないので一冊注文します」ということでした。
代金は届かなかったけど、うっかりしてるんだろう、ぐらいに思ってました。今年は
書いてこられました。今年のぶんを送る際、あらためて請求しました。いつまでたっ
ても届きません。払わずに逃げた、としか思いようがありません。

 わずか600円を払わずに逃げる人がいるとは思いもよらなかった。年齢は知りま
せんが、僕と大差ない、いい年してると思います。払えないわけじゃない。ここから
先は僕の推測です。わずかな金額の支払いを忘れたことにショックを受けてます。ち
ょっとしたミスを受け流すだけの心の余裕がなかったんでしょう。「そんなはずない
よね」と、なんだかんだと説明を作ってミスの否定に走ってしまう。

 ありえないことではないです。わずかな失敗というか、わずかであるがゆえに失敗
を認められなくなってしまう人を何人も見てきました。関西人なら「ボケましたー」
で笑ってすませる人も多いかもしれない。関東の人は自分を笑いのネタにするのは苦
手ということもあるでしょう。悪い人ではないんですけどね。


「クリスマスソングが使われている映画」12.1 新規コーナー追加
「船越屋画廊」11.28『降水予想』
「御漫画」11.27 ナチスを見習って……
「省エネカフェ」次は1月19日「地球の声に耳を傾けよう」
「省エネカフェ」11.23「それってリユース?リサイクル?」
「ボツ画供養塔」11.18『深海魚』
「船越屋新製品」11.16 外人さんなんでもまかしとき辞典
「じべたでひろたもん」11.9 ネスクイック
「省エネの小部屋」10.19 腐葉家族(腐葉土による堆肥化)日誌
「長岡京市の裏百景」10.26 街のアート
「変神探訪」10.16 松尾大社

『ばしゃ馬さんとビッグマウス』絶賛!もっと早く観るべきだった
『ジンジャーの朝』‥‥‥‥‥‥大器早成のエル・ファニング絶賛
『ルームメイト』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥見事、騙された!
『キャリー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥怖くないキャリー
『クソすばらしいこの世界』‥‥‥‥このすばらしきスプラッター
『蒼白者』‥‥‥‥‥‥‥キム・コッピには恋愛ものは似合わない
『人類資金』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥意欲的なサスペンスで高評価
『ランナウェイ逃亡者』‥‥‥‥‥‥‥‥‥レッドフォード、復活
『R100』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥松本人志の演出力に疑問
『凶悪』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥人には勧めにくいが、秀作
『そして父になる』‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年の日本映画ベスト作品
このあとは『ゼロ・グラビティ』に期待
 

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Contents
 ・『人類資金』
 ・10月6日の映画カフェ
 ・サーバ容量の上限
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◎ 公開中の新作から……… 『人類資金』  2013年度作品
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 監督:阪本順治  原作:福井晴敏(書き下ろし)
 出演:佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、ユ・ジテ、岸部一徳、オダギ
    リジョー、寺島進、三浦誠己、石橋蓮司、豊川悦司、仲代達矢、ヴィンセン
    ト・ギャロ、ほか
 配給:松竹

 M資金をネタにして企業主たちを騙している詐欺師が、いつしか国際的で巨大な計
画に加担させられていく。スケールのデカいサスペンスです。

 いちばん期待したのは森山未來だったが、期待以上のものを見せてくれた。そこに
いるだけで映像がぴしっと引き締まる。国連の大会議場で各国首脳に語りかけるシー
ンは感動的だ。セットではなく本物の会議場を使って撮影したそうだ。そりゃ気合い
も入るだろう。


 世界経済や南北格差の難しい問題に、あえて斬り込んで娯楽映画を作ったことを評
価する。現実の社会はより複雑だが、そこまで深く踏み込むと、たぶん大多数の観客
はついてこれんだろう。この描き方でも脱落した客はけっこういたと思う。

 疎い方面でわからない場合、いい方法があります。苦手な事柄を理解しようとしな
いこと。わからないままストーリーに乗っかってればいいんです。そうすりゃわかっ
てないことも気にならなくなります。

 国債暴落危機など、タイムリーな題材も組み入れて面白い話なのに、客の入りがい
まひとつ。経済や金融がテーマと知って足が遠のいたのかも。興行のトップを走って
る『陽だまりの彼女』などよりはるかに面白いはずなのに。


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◎ 映画あれこれ……… 10月6日の映画カフェ
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 10月6日の映画カフェの参加者は13人。新しい人は3人でした。適正人数だっ
たのと、最初に予告篇ダイジェストをやったせいだと思いますが、珍しく最後までバ
ラバラにならずまとまって話をしました。

 予告篇は次回もやってほしいという雰囲気です。ちょっと大変なのですが、やらざ
るをえない。今回は奥西君がDVDに落としてくれたんですが、次回は僕も半分担当
しようかと。シネコン系とミニシアター系で担当を分けてもいいでしょう。問題は僕
が映像のダウンロードやDVDへの書き込みをやったことがないということです。
Mac用のソフト、あるのかな。

 映写はデスクトップパソコンが21.5インチあるのでそれを使いました。運び込
むのに車が必要でしたが、安楽さんにお願いしました。でかいパソコンを移動させる
というのは大変ですよ。

 会場を貸してる生涯学習センターにはもちろんプロジェクターの設備はあります。
有料です。問題は、DVDデッキがなければ使えないということ。結局パソコンが必
要になる。うちにはノートパソコンがないのでだめです。さらにプロジェクターをつ
ないだり使ったりした経験がない。当日、ぶっつけ本番になるのも不安要因。

 横谷さんに京都市下京区にある「ひと・まち交流館」を紹介していただきました。
交通の便は悪いけど、部屋代とプロジェクターやスクリーンが無料です。ただしここ
でもDVDデッキのないのがネックになる。無料なので予約は争奪戦になってる模様。
現時点で空きはほとんどなし。

 他にいい方法を思いつくまで今回のやり方を続けるしかないですね。


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◎ これは見ものか、という映画
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『父の秘密』
   11月2日東京公開 2012年度作品
   監督:マイケル・フランコ
   出演:テッサ・イア、エルマン・メンドーサ、ほか
   配給:彩プロ
   原題:Despues de Lucia

 妻を亡くして失意の底にいる男とその娘。観たいのであまり内容に深入りしてない
のですが、静謐で緊張感のみなぎる予告篇映像はそそるものがあります。娘役のテッ
サ・イアもまた、妙に色っぽい。


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 近況など……… 
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 僕のサイト、ヤフーのジオサイトのサーバですが、容量の上限に二度ぶつかりまし
た。調べてみると300メガが上限。今まで無限にあるように思い込んでたけど、音
声や映像まで入れだしたら使い切ってしまった。

 とりあえずはでかい音声ファイルの一部をカット。古いページも選択してどしどし
切り捨て。一時的にはこれで間に合うとしても、いずれまた上限にぶつかるでしょう。

 減らしてもページ数は200以上ある。ファイル数も500から1000の間。サ
イトの引っ越しはおおごとです。が、いずれは避けられない。独立ドメインをまだ取
得してない。やるにしても来年の話でしょう。URLはhttp://funakoshi_ya.comあ
たり?


「省エネの小部」10.19 腐葉家族(腐葉土による堆肥化)日誌
「変神探訪」10.16 松尾大社
「じべたでひろたもん」10.16 ビッグカツ
「新編図解辞典 大誤解」10.9 新規追加
「出版案内ページ」10.8 ひょっこり通信発行
「映画カフェ」10.6 参加者は13名でした
「変神探訪」9.28 猫寺
「じべたでひろたもん」9.27 籐籠
「省エネカフェ」次回は11.23「リユース・リサイクル」
「長岡京市の裏百景」9.14 某西友のセルフレジ
「省エネカフェ」9.7「かしこく省資源 ねちこく節資源」

『ランナウェイ逃亡者』‥‥‥‥‥‥‥‥‥レッドフォード、復活
『R100』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥松本人志の演出力に疑問
『凶悪』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥人には勧めにくいが、秀作
『そして父になる』‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年の日本映画ベスト作品
『ファの豆腐』『冬の日』‥‥‥‥‥どちらも人生を語るには軽い
『ビザンチウム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥好みのタッチでひたりまくり
『ザ・タワー超高層ビル大火災』‥‥‥韓国映画も負けていないぞ
『エリジウム』‥‥‥‥‥‥頑張ってるが斬新なアイディアは不足
『サイド・エフェクト』‥‥‥‥いまいち釈然としないミステリー
『許されざる者』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥忽那汐里、大絶賛
『共喰い』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥静かな殺意のみなぎる秀作
このあとは『ジンジャーの朝』に期待
 

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Contents
 ・『そして父になる』
 ・総務省の統計調査の対象に

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◎ 公開中の新作から……… 『そして父になる』  2013年度作品
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 監督:是枝裕和
 出演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、二宮慶多、高橋
    和也、ピエール瀧、小倉一郎、木野花、田中哲司、井浦新、風吹ジュン、國
    村隼、樹木希林、夏八木勲、ほか
 配給:ギャガ

 二つの夫婦の、それぞれの6歳の息子が産院で取り違えられていたことが判明する。
この映画ではやむをえずストーリーに踏み込みます。観る方は観てから読んだほうが
いいかもしれません。

 野々宮良多(福山雅治)は有能なビジネスマンで社会の勝ち組。息子の慶多はおっ
とりタイプで気が優しく、ちっとも似てないことに良多は懸念を抱いていた。そんな
中で取り違えが判明する。本当の息子を育てていたのは、いわば社会の負け組。「や
っぱりそうだったのか」と、良多は口にする。

 息子の慶多は、表にはけっして出さないが、父親の期待に応えたいと思っている。
が、どうにも越えられない壁がある。

 二つの家族は息子の交換という選択をする。そのあとで良多は、あることから慶多
の父親への思いに気づく。相手家族との協定を破って慶多に会いに行ってしまうが、
「パパは、パパじゃない」と冷たく息子に突き放される。「父親に棄てられた」と思
っていたのだ。6年たってようやく、父親は息子、慶多との絆を見つける。


 カンヌ国際映画祭に出品され、欧米の映画関係者の多くの心を突き動かしたのでは
ないだろうか。戦場や近未来や偉人を描くばかりではなく、身近なごく普通の人たち
の中からも語られるべきドラマのあることに気づいてくれたと思いたい。

 スピルバーグはリメイクすると言っている。心ゆさぶられた一人ではないか。



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◎ これは相当ヤバいかも、という映画
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『蒼白者 A Pale Woman』
   11月2日〜8日京都みなみ会館公開 2013年度作品
   監督:常本琢招
   出演:キム・コッビ、中川安奈、忍成修吾、長宗我部陽子、ほか
   配給:カプリコン・フィルム


『クソすばらしいこの世界』
   11月2日〜8日京都みなみ会館公開 2013年度作品
   監督:朝倉加葉子
   出演:キム・コッビ、大畠奈菜子、北村昭博、しじみ、ほか
   配給:ブラウニー

 キム・コッビ特集と銘打ってないものの、実質はそうでしょう。『息もつけない』
で鮮烈な印象を残し、そのあとあまり出演作が来なかったので、ほとんど神話的な女
優になりつつあります。韓国映画で来ないならと、日本で主演映画を撮ってしまった
という気もする。

 前者は愛のハードボイルドというべき映画。後者はスプラッターホラーです。ここ
は両方観ておくべきだろうなあ。


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◎ 映画あれこれ……… 
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 観たい映画しか観ない方針で、観る映画を絞り込んでますが、今月は珍しく映画館
で10本を超えました。

 映画館で年間200本以上観るという人を時々見かけますが、それだけ観てたらど
のシーンがどの映画だったのか、ごちゃごちゃになりそうです。当然カス映画に当た
る比率も増します。300本前後も観る人は、選択の基準などなく、観れる範囲のも
のはことごとく観るという姿勢のようです。理解を超えます。そんなに観まくって楽
しいんでしょうか。

 映画というものは楽しむものであって、本数を競うべきものではない。多く観てる
ことをステータスにしてる人がいる。ばかばかしいと思う。映画館を時間つぶしに利
用して本数をかせいでる人もいる。それは映画ファンではない。


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 近況など……… 
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 総務省の統計調査の対象になったのです。たしか5年ほど前にも対象になった。ラ
ンダムに選んでるんだろうし、上から下までいろんな層を取り混ぜなければならない
んでしょうけど、僕みたいなのが何度も数値に紛れ込んでいいんかいなと心配する。
日本経済の下ぶれ不安を引き起こす要因にならなければいいんですが。


「変神探訪」9.28 猫寺
「じべたでひろたもん」9.27 籐籠
「省エネカフェ」次回は11.23「リユース・リサイクル」
「長岡京市の裏百景」9.14 某西友のセルフレジ
「映画カフェ」次は10月6日(日)
「省エネカフェ」9.7「かしこく省資源 ねちこく節資源」
「じべたでひろたもん」8.28 レインコート
「長岡京市の裏百景」8.27 暗号
「省エネの小部屋」8.18 リサイクルプラザの分別処理

『そして父になる』‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年の日本映画ベスト作品
『ファの豆腐』『冬の日』‥‥‥‥‥どちらも人生を語るには軽い
『ビザンチウム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥好みのタッチでひたりまくり
『ザ・タワー超高層ビル大火災』‥‥‥韓国映画も負けていないぞ
『エリジウム』‥‥‥‥‥‥頑張ってるが斬新なアイディアは不足
『サイド・エフェクト』‥‥‥‥いまいち釈然としないミステリー
『許されざる者』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥忽那汐里、大絶賛
『共喰い』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥静かな殺意のみなぎる秀作
『パシフィック・リム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ストーリーが手抜き
『ホワイトハウス・ダウン』‥‥‥‥極上のサスペンスアクション
『上京ものがたり』‥‥‥‥‥‥‥‥‥北乃きいが見事にはまり役
このあとは『悪いやつら』に期待
 

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Contents
 ・『許されざる者』
 ・ハリウッドのトップスター、不在
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◎ 公開中の新作から……… 『許されざる者』  2013年度作品
………………………………………………………………………………………………………

 監督:李相日
 出演:渡辺謙、柄本明、佐藤浩市、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、國村隼、近藤
    芳正、小澤征悦、三浦貴大、滝藤賢一、ほか
 配給:ワーナー

 明治13年の話。北海道の村で客が女郎の顔を切った。怒った女郎の仲間が賞金を
かき集め、報復(殺害)を求めた。このへんの話は説明しなくてもたいがい知られて
ると思う。

 リメイク前のオリジナル(監督:クリント・イーストウッド)を超えるとは期待し
なかった。旧版は個人的にはサム・ペキンパーの『戦争のはらわた』などと並び、世
界映画史上のベストワン級だと思っている。

 基本のストーリーは旧版と大差ない。最も変わった点は、旧版での主人公(イース
トウッド本人が演じる)が無法者で、新版は元幕府の落ち武者だということ。悪党と
元政府軍兵士。この立ち位置の違いは大きい。

 旧版を評価したのは、正邪のあいまいさ、あるいは逆転を見せつけられた点にある。
旧版を観て多くの人は戸惑ったのではないか。悪が高らかに勝利宣言をして終わる。

 討たれる側も正義ではない。正しいと言える者など、一人も登場しない。それは新
版でも同じながら、微妙に主人公の側へ理があるように見せかけてないか。悪党と言
える人間もいなくなった。そこが違う。


 大物俳優が並び、見せ場を作るためにシーンが長くなり、リズムが重たい。大物た
ちの演技は想定の範囲内。女郎のリーダー役、小池栄子でさえ、新たな顔を作りきれ
なかった。その中で柳楽優弥は「この人、誰?」というほどイメチェンし、アイヌと
和人の混血を演じている。

 最も目を引いたのは忽那汐里。顔を切られる娼婦役ながら、輝かんばかりの鮮やか
さを見せる。注目はしてたが、この人を見ただけで観に行った価値があった。


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◎ これは注目しておいてもいいかも、という映画
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『ゼロ・グラビティ』
   12月13日全国公開 2013年度作品
   監督:アルフォンソ・キュアロン
   出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー、ほか
   配給:ワーナー
   原題:Gravity

 "Gravity"って重力・引力のことです。日本語タイトルは「無重力」。衛星で作業し
てた飛行士二人が隕石衝突の事故で無重力空間に放り出されてしまう話です。飛行士
にしてはちょっと老けた二人ですね(笑)。でも、緊迫感ある映像で、面白そうです
よ。予告篇の最初に流れる美しいピアノ曲はアルヴォ・ペルトの『鏡の中の鏡』です。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… ハリウッドのトップスター、不在
………………………………………………………………………………………………………

 予想通り『ローン・レンジャー』は大ヒットならず。本国米国でも公開時の1位届
かず。最大の原因は主演のジュニー・デップにあると思う。飽きられてるんですよ、
毎度のおフザケキャラが。ヒロインがヘレナ=ボナム・カーターのマンネリキャラな
のも大いに災いしてる。予告篇見てげんなりした。

 ヒット作が続いたジュニー・デップは、けっこう長い間ハリウッドのトップスター
だった(過去形)。思えば男優女優とも、この人さえ出ていれば必ずヒットというト
ップスターが不在になっている。トム・クルーズでさえ、当たり外れがある。

 男優ではブラッドリー・クーパーやトム・ハーディらが有望だが、もうちょっとヒ
ット作を連ねてほしいところ。シャイア・ラブーフやチャニング・テイタムはまだま
だ。

 女優では、決定打に欠けるが候補はいる。アカデミー主演女優賞を獲ったジェニフ
ァー・ローレンス。キャリアは長いがメジャー映画にあまり縁のないスカーレット・
ヨハンソン。東欧美人のオルガ・キュリレンコやミラ・クニス。フランス人では、デ
ボラ・フランソワやレア・セドゥ、メラニー・ロランがいる。十代からはクロエ・グ
レース・モレッツやエル・ファニング。挙げていくときりがないのだが、キャリー・
マリガンやジェシカ・チャステインもいる。

 こうやって挙げていくと、カリスマ性を感じさせる人がまだ現われていない気がす
る。超美形でいっときは期待したイモージェン・プーツやケイト・マーラも伸び悩ん
でいる。

 映画界には絶対的なスターがいたほうがいいと思う。観客の側であーだこーだ言っ
ても影響力ゼロだけど、ブレークする前に先取りで目を付けてみるのもいいじゃあり
ませんか。


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 近況など……… 
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 やりたいことが多いのに、なかなかはかどらなくなってます。いろんな面での力の
低下かな。あまり手を広げないよう抑えてますが、それでも増えていく。コミカフェ
開催が急増し、ひょっこり通信を年三回にしたのが大きい。とはいえ、これらは意味
あるものと認識してるので、やめるつもりはありません。

 非公開の趣味のページなどもちょこちょこ作っており、公開する意義ができたかな
と判断すれば公開するつもり。難しくてなかなか進まないのは、外国人の名前を漢字
に転換する事典の作成。エリナ、ナオミ、アンリ、サラなど、もともと日本人にある
名前なら楽勝ですが、フィリップやポーレットなど、どうすんのか。外国人向けのペ
ージで、外国人に漢字を使ってもらうことをめざした国粋主義ページです。かなり先
になりますが、いずれ公開します。


「長岡京市の裏百景」9/14 某西友のセルフレジ
「映画カフェ」次は10月6日(日)
「省エネカフェ」9.7「かしこく省資源 ねちこく節資源」
「じべたでひろたもん」8.28 レインコート
「長岡京市の裏百景」8.27 暗号
「じべたでひろたもん」8.22 スイカ
「省エネの小部屋」8.18 リサイクルプラザの分別処理
「船越屋画廊」8.11『夢のカフェ』

『エリジウム』‥‥‥‥‥‥頑張ってるが斬新なアイディアは不足
『サイド・エフェクト』‥‥‥‥いまいち釈然としないミステリー
『許されざる者』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥忽那汐里、大絶賛
『共喰い』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥静かな殺意のみなぎる秀作
『パシフィック・リム』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ストーリーが手抜き
『ホワイトハウス・ダウン』‥‥‥‥極上のサスペンスアクション
『上京ものがたり』‥‥‥‥‥‥‥‥‥北乃きいが見事にはまり役
『少年H』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥主演の吉岡竜輝クン絶賛
『風立ちぬ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥進歩なく、退行あるのみ
『ハナ 奇跡の46日間』‥‥ペ・ドゥナの実力を今さらながらに
『ニューヨーク、恋人たちの2日間』‥‥‥‥登場人物にいらつく
『ショート・ピース』‥‥‥‥‥ハイレヴェルな日本アニメを堪能
『25年目の弦楽四重奏』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥相当に渋めの映画
『嘆きのピエタ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥微妙に腰折れしたという気も
『終戦のエンペラー』‥‥‥‥‥‥‥そこそこ楽しめはするのだが
『真夏の方程式』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥正統派ミステリーの秀作
このあとは『そして父になる』に期待
 

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Contents
 ・『真夏の方程式』
 ・笛吹けど踊らず
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◎ 公開中の新作から……… 『真夏の方程式』  2013年度作品
………………………………………………………………………………………………………

 監督:西谷弘  原作:東野圭吾
 出演:福山雅治、杏、山崎光、吉高由里子、前田吟、風吹ジュン、白竜、北村一輝、
    塩見三省、西田尚美、田中哲司、永島敏行、根岸季衣、ほか
 配給:東宝

 公開されて一か月近くたっている。さすがに今ごろ紹介はないだろう。と思ったが、
面白かったのだ。

 一見なんの関連もなさそうな二つの殺人事件をめぐるミステリー。珍しく正統派の
ミステリーだ。原作もいいんだろうけど、役者もそれに応えて頑張っている。特に福
山雅治。一流の役者の風格が出てきた。

 本筋とはあまり関係なさそうな科学実験のエピソードがなぜか面白い。文系の理科
好きにとってちょうど把握しやすいレヴェルで語られる。無駄にセリフでだらだら説
明もない。その素っ気なさが心地よい。

 監督の西谷弘。『アマルフィ』や『アンダルシア』の監督だということを観たあと
で知った。先に知ってたら観たかどうか怪しい。けっして無能な監督じゃないことは
わかったけど。

 実をいうとミステリーのトリック部分などはたいして感心してないんだ。杏の素潜
りでの海中遊泳シーン。もとから海にいた生き物のようになじんでいる。ゆらゆらと
泳いでいくシーンが美しい。これを観るだけでも価値ある。ダイビングのモデルでも
やってたのかと思って調べたが、そのような経歴はなさそう。これ以上の適役はなさ
そうだし、代表作になったのでは。


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◎ これは必見だろう、という映画
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『許されざる者』
   9月13日全国公開 2013年度作品
   監督:李相日
   出演:渡辺謙、忽那汐里、小池栄子、佐藤浩市、柄本明、柳楽優弥、國村隼、
      近藤芳正、小澤征悦、三浦貴大、ほか
   配給:ワーナー

 今年の日本映画の本命。かなと思うんですけど。明治初期の北海道開拓民で、かつ
て凄腕の刺客だった男が再び剣を取るという話。クリント・イーストウッド監督の同
名映画のリメイクなのは周知のことですね。

 忽那汐里が顔を切られる娼婦の役です。このキャスティングには心魅かれます。



『オン・ザ・ロード』
   公開日未定 2012年度作品
   監督:ウォルター・サレス
   原作:ジャック・ケルアック『路上/オン・ザ・ロード』
   出演サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリステン・スチュワート、
     エイミー・アダムス、トム・スターリッジ、キルスティン・ダンスト、
     ヴィゴ・モーテンセン、ほか
   配給:ブロードメディア・スタジオ
   原題:On the Road

 キャストなどの顔ぶれ見ただけで素通りできなくなる映画です。内容についてはま
だいまいち把握できてない。


『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』
   公開日未定 2012年度作品
   監督:サリー・ポッター
   出演:エル・ファニング、アリス・イングラート、アレッサンドロ・ニヴォラ、
      オリヴァー・プラット、ティモシー・スポール、アネット・ベニング、他
   配給:プレイタイム
   原題:Ginger & Rosa


 こちらも監督・キャストが魅力的。エル・ファニングって『バベル』(2006年)
のときはまだ幼い子供だった。十代だけど、今や注目を集める若手の一人となってい
る。陰のある瞳が特徴的だね。


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◎ 映画あれこれ………  笛吹けど踊らず
………………………………………………………………………………………………………

 週末土日、日本の映画興行ベストのトップは日本の大手が定位置。だったのが、6
月1日から流れが変わった。米国の大作が連続してトップの位置を占めている。『オ
ブリビオン』『G.I.ジョー』『華麗なるギャツビー』『アフター・アース』『モ
ンスターズ・ユニバーシティ』。間に1週、『真夏の方程式』が入ってるのみ。

 ハリウッド映画が日本市場でも勢いを取り戻したかのよう。だが、興行の内実を見
ると、そうとも言えない。スタート時の土日2日の観客動員数と公開スクリーン数を
比較しよう。2位スタートのものも含める。

               スクリーン数 観客動員数 1スクリーン1日動員
 『オブリビオン』         365  307701   421
 『G.I.ジョー』        628  142246   166
 『華麗なるギャツビー』      571  113172   142
 『アフター・アース』       571  158406   139
 『モンスターズ・ユニバーシティ』 661  614968   465
 『ワイルド・スピード』      610  330385   271

 一日に4回か5回の上映なので、30人ぐらいのがらがら状態でトップのもあると
いうことがわかる。どれも満席にはほど遠い。これらすべて、大量の広告宣伝を投入
しての結果だ。ハリウッドメジャーが歯がみするほど日本市場では米国映画に対する
反応が鈍い。

 このあとも次々米国の大作が公開予定に入っていて、すでに宣伝費の大量投下が続
いている。日本市場での特殊性を理解しないまま大金を投じるのは無意味なのではな
いか。日本ではトップスターと企画力の両面で図抜けていなければ大ヒットにはなら
ない。

 8月公開の『ローン・レンジャー』や『マン・オブ・スティール』、世界的にバカ
当たりしてる9月の『怪盗グルー』などは危ういと、個人的には思ってるのだが。


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 近況など……… 
………………………………………………………………………………………………………

 省エネカフェを始めてから映画館へ行く頻度が低下してます。隔月ですけど、準備
などに手を取られ、余裕がない。能力オーバーぎみのようです。自分じゃそれなりに
充実してやってるつもりですが、こんなに手間隙かかるとは思ってもみなかった。

 新作映画はようやく週に1本というありさま。映画館へ行くモチベーションの低下
には、「いつでも千円」という気のゆるみもありそう。予定を入れてても、つい「明
日でもいいやん」と思ってしまう。未見がどんどんたまっていく・・・。


「省エネカフェ」7.15「電気とガス どちらが有利?」
「じべたでひろたもん」7.12 筆ペン
「長岡京市の裏百景」6.26 蝶の森
「じべたでひろたもん」6.22 白いビニル傘
「長岡京市の裏百景」6.19 カフェグランパ
「Japanese Words Dictionary」6.16 全項目に発音データ
「出版案内ページ」6.16 ひょっこり通信発行
「映画カフェ」6.16 当日参加者15人
「新編図解辞典・大誤解」6.16 新規追加

『終戦のエンペラー』‥‥‥‥‥‥‥そこそこ楽しめはするのだが
『真夏の方程式』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥正統派ミステリーの秀作
『殺人の告白』‥‥‥‥‥‥‥‥‥韓国映画のサービス精神に脱帽
『ベルリンファイル』‥‥‥‥‥ 完璧すぎるサスペンスアクション
『さよなら渓谷』‥‥‥‥‥‥‥‥真木よう子は主演女優賞確定?
『欲望のバージニア』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トム・ハーディー快調
『セディック・バレ』‥‥‥‥‥‥台湾映画のやる気、ひしひしと
『はじまりのみち』‥‥‥‥‥‥美化しすぎかなという気もするが
『ある会社員』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥期待通りの韓国製アクション
このあとは『パシフィック・リム』に期待
 

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Contents
 ・『さよなら渓谷』
 ・今年度の各演技賞レース予想
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◎ 公開中の新作から……… 『さよなら渓谷』  2013年度作品
………………………………………………………………………………………………………

 監督:大森立嗣  原作:吉田修一
 出演:真木よう子、大西信満、大森南朋、鈴木杏、鶴田真由、井浦新、新井浩文、
    木下ほうか、木野花、ほか
 配給:ファントム・フィルム

 観てる間は面白いのに、観終わって時間がたつにつれて薄れていく映画。観てる間
は快適ではないのに、時間がたつに従って印象が強まっていく映画。この二文法で言
えば『さよなら渓谷』は間違いなく後者に位置する。実際、展開の遅さにいらつかさ
れることがある。このいらだちさえも、必要なものだったかなと思う。

 山里に若い夫婦が住んでいる。なにやらいわくありげだが、誰も事情を知らない。
隣家の女が自分の子供の殺害容疑で逮捕される。記者(大森南朋、鈴木杏)が情報を
集める過程で、夫婦の15年前の事件が浮かび上がってくる。

 ネタバレを防ぐため、それ以上は書けないが、宣伝展開では二人の関係にまで踏み
込んでいる。宣伝のためとはいえ、出しすぎている。いっしょにいるはずのない二人
がなぜいっしょに暮らしているのか、までは明らかにしていない。その辺は映画の肝
心な部分で、観る前に知っていてはどうしようもない。

 これまでは単に美形としてしか認識していなかった真木よう子。ここでは野生動物
の風貌が加わる。徹底的に傷つけられ、傷が癒えるまで時を待ってじっとしている動
物のような。はかなげな気配を見せつつ、一歩も引かない強さを見せる。今年の各賞
の主演女優賞は決まったようなもの。と、観たときは思ったものですが、いかがでし
ょうか。


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◎ これは要注目?、という映画
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『風立ちぬ』
   7月20日全国公開 2013年度作品
   監督:宮崎駿  原作:堀辰雄
   声の出演:庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、ほか
   配給:東宝

 予告篇4分のロングヴァージョンに、荒井由実(松任谷由実)の『ひこうき雲』が
一曲丸ごと入っている。僕は気持ちよく聞いてるが、この歌、このアニメの内容に合
ってるんだろうか。この歌には暗い影が差す気配がない。似て非なるもの、という気
がする。本編を観て、もう一度考えてみよう。

 この予告はツッコミどころがある。ベランダから女性が転落しかけてるのに、下に
いる男性は飛んだ帽子のほうを追いかける。そんなばかなこと、ありえません!



『タイピスト!』
   8月17日全国公開 2012年度作品
   監督:レジス・ロワンサル
   出演:デボラ・フランソワ、ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョ、ミュウ=
      ミュウ、ほか
   配給:ギャガ

 秘書の仕事を得る条件としてタイピストの早撃ちコンテスト世界大会で優勝する、
というありえなさそうな設定のスポ根もの。

 フランスの若手女優でレア・セドゥーと並ぶ注目株、デボラ・フランソワの新作。
コメディだというが、コメディは初めてではないか。今までシリアスな映画ばかりだ
った。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… 
………………………………………………………………………………………………………


 今年の助演男優賞は『藁の楯』の藤原竜也で決まり。『はじまりのみち』の濱田岳
ではありません。あれぐらいの芝居でとらせては甘やかしてしまう。

 主演女優賞も決まり。『さよなら渓谷』の真木よう子。助演女優賞は忽那汐里ぐら
いでしょうか。『ペタルダンス』は観たけど『許されざる者』はまだです。

 主演男優賞が空白です。結局、渡辺謙(『許されざる者』)になってしまうんでし
ょうか。


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 近況など……… 
………………………………………………………………………………………………………


 例年、7月8月というと映画館は休んでるのか、と思うほどラインナップがスカス
カになるものだけど、今年はそうもいかなそうだ。忙しいのでほどほどにしてほしい
のだが、それは映画ファンとしては禁句か。

 年に数本、圧倒的な作品をやってくれたら、あとは観なくてもいいんじゃないか、
と思ったりもする。その圧倒的な映画がほとんど出てこないのだ、ここ二三年は。


「省エネカフェ」7月15日「電気とガス どちらが有利?」
「長岡京市の裏百景」6.26 蝶の森
「じべたでひろたもん」6.22 白いビニル傘
「長岡京市の裏百景」6.19 カフェグランパ
「Japanese Words Dictionary」6.16 全項目に発音データ
「出版案内ページ」6.16 ひょっこり通信発行
「映画カフェ」6.16 当日参加者15人
「新編図解辞典・大誤解」6.16 新規追加
「御漫画」6.14 アベノリクツはアベカリプス?
「省エネの小部屋」5.11 LED電球とペットボトル

『さよなら渓谷』‥‥‥‥‥‥‥‥真木よう子は主演女優賞確定?
『欲望のバージニア』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トム・ハーディー快調
『セディック・バレ』‥‥‥‥‥‥台湾映画のやる気、ひしひしと
『はじまりのみち』‥‥‥‥‥‥美化しすぎかなという気もするが
『ある会社員』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥期待通りの韓国製アクション
『キング・オブ・マンハッタン』‥‥‥‥‥‥‥面白いが印象薄い
『イノセント・ガーデン』‥‥‥‥‥予想外のラストに違和感あり
『オブリビオン』‥‥‥‥‥‥‥‥‥骨太なSFサスペンスの秀作
『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』‥‥大胆な映画構成に驚嘆
『体脂肪計タニタの社員食堂』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ちょっと甘い
『藁の楯』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥日本映画の久々の快作!
このあとは『ハナ 奇跡の46日間』に期待
 

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Contents
 ・『陸軍』
 ・6月16日の映画カフェ
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◎ かつて公開された旧作から……… 『陸軍』  1944年度作品
………………………………………………………………………………………………………
 監督:木下惠介  原作:火野葦平
 出演:笠智衆、田中絹代、杉村春子、上原謙、東野英治郎、佐分利信、佐野周二、
    ほか
 配給:松竹

 原恵一監督の新作『はじまりのみち』には、中途で木下惠介監督の『陸軍』のラス
トシーンが長く挿入される。『陸軍』は陸軍省後援による戦意高揚映画です。公開後、
陸軍省の怒りを買い、次回作が中止となり、木下惠介は映画会社から離れます。『は
じまりのみち』はそのエピソードにふれている。

 『陸軍』はYouTubeにフル映像が投稿されています。
 http://www.youtube.com/watch?v=tf0UCWoBPqY

 ラストシーンだけ観たいという方は、こちら(冒頭に短くオープニングあり)。
 http://www.youtube.com/watch?v=UAHQlrE_13M

 この部分に使われている二つの曲がわからなくて調べていたのですが、徐々にはま
りこんでしまいました。ラストシーンの異様な迫力に。

 息子が中国大陸へ出征する。母親(田中絹代)は「泣いてしまうから」と、見送り
にいかないと言う。しかし行進のラッパが聞こえてくると、いてもたってもいられな
くなり、通りに向かって走りだす。必死の形相で行進を追う母親の姿がえんえんと描
かれる。強烈なインパクトがあり、忘れられない。全編を通しで観て、ラストはくり
返し観ました。

 ラストだけドキュメンタリのような演出で、全体とのバランスが崩れてますが、そ
んなものは気にならないくらい圧倒的です。エキストラの群衆は、自分がぶちあたっ
てもみくちゃにしてるのが大スターであることに気づいてないのではないかと思う。

 これを観て陸軍が怒るのは当然だろう。観客は徐々に母親の気持ちに寄り添ってい
くのが必然だから。監督は何を考えてたんでしょう。結果について考えず、感じるま
まに演出したのではないでしょうか。この演出をもってして、勇気あるだの反戦だの
と持ち上げるのはどうかと思う。彼は自分の美学やセンスに従っただけでしょう。

 ラストシーンに使われた曲の一つは判明。ラッパ鼓隊の曲が『戦捷行進』。次に流
れる歌はまだ判明せず。どちらも情報がほとんどない上に、事実誤認としか思えない
情報がネット上にあって足をすくわれかけました。歌の作詞作曲が木下忠司としてい
る例など、当時彼が中国戦線に従軍していたことを確認すれば間違いとわかるはず。
『戦捷行進』も、古関裕而の『戦捷行進曲』と誤認している。聞けば違いがわかるだ
ろうに。ちゃんと確認しろよと言いたい。

 ラストのタイトル不明の歌は、歌詞こそ超軍国主義礼賛ですが、愚直に歌い上げる
ことによってその悲しみがあらわになってくるような不思議さがあります。『戦捷行
進』もシンプルながら非常にいい曲です。曲にも注目してください。


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◎ これは要注目、という映画
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『許されざる者』
   9月13日全国公開 2013年度作品
   監督:李相日
   出演:渡辺謙、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、國村隼、近藤芳正、
      小澤征悦、三浦貴大、滝藤賢一、佐藤浩市、ほか
   配給:ワーナー

 今年の最大の注目作ではないか。キャスティングはいい。顔をずたずたに切られる
娼婦役は忽那汐里。最近はこの忽那汐里に注目しています。


 クリント・イーストウッド監督主演の同名映画のリメイクであることは説明するま
でもありませんね。歴史的名作に挑戦するのは山田洋次に続きますが、『東京家族』
は黙殺しました。



『パシフィック・リム』
   8月9日全国公開 2013年度作品
   監督:ギレルモ・デル・トロ
   出演:チャーリー・ハナム、菊地凛子、ロン・パールマン、芦田愛菜、ほか
   配給:ワーナー

 またしても侵略異星人との対決物語か、と思ったが、これはよさそう。『オブリビ
オン』とはまたちょっと違った楽しみがありそう。

 芦田愛菜が初の外国映画出演。菊地凛子の子供時代? あまりにも顔が違いすぎま
せんか?


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◎ 映画あれこれ………  6月16日の映画カフェ
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 参加者は15人でした。新顔は3人です。年三回に増やしたら参加者は減るかもと
思ったんですが、相変わらず盛況。最近加わった人たちも既に定着しているようです。

 気になったことをいくつか。DVDレンタル・テレビ組と映画館組とにくっきり分
かれ、たまたまでしょうが、向かい合う形で席も分断されていました。こうなると共
通の話題でリードしていくのは難しい。何かいい案はないでしょうか、

 ホワイトボードがあるので活用したい。観たい映画を挙げてもらい、期待するポイ
ントを書きあげていくとか。最近の映画を書いて星取り表を作るとか。

 CINEMAテーブルとカフェの関係は希薄になっています。新しい参加者がCI
NEMAテーブルに見向きもしません。ミニコミというのはオールドメディア。中身
以前の問題として、そういうイメージがあります。継続が難しくなってきてることを
感じました。ライフワークのように取り組んできた仕事なんですが、先が見えてきた
ような気がしました。

 あと二三年で終わりということはないんですが、「物事すべてには終わりがある」
ということは何事につけ、常に意識する必要があります。


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 近況など……… 
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 ホームページにメルマガ、二つのミニコミ、二つのカフェ。合間を縫って映画館。
金にもならんことばかりで忙しい毎日です。

 絵を描いてることを「趣味ですか?」と聞かれた。趣味なら描くのが好きなはず。
収入になってるわけでもない。あえて言えば「表現活動」です。表現しなければ生き
ていけない。そう思うから制作と発信を続けているだけです。

 能力的にはもうこれ以上手を広げられませんが、まだ何かやれることはないかと、
あたりをうかがっています。


「じべたでひろたもん」6.22 白いビニル傘
「長岡京市の裏百景」6.19 カフェグランパ
「Japanese Words Dictionary」6.16 全項目に発音データ
「出版案内ページ」6.16 ひょっこり通信発行
「映画カフェ」6.16 当日参加者15人
「新編図解辞典・大誤解」6.16 新規追加
「御漫画」6.14 アベノリクツはアベカリプス?
「船越屋画廊」6.8『光雲』
「長岡京市の裏百景」6.4「階段噺」
「じべたでひろたもん」5.23 編み籠
「省エネカフェ」次回は7月15日「電気とガス どちらが有利?」
「省エネの小部屋」5.11 LED電球とペットボトル

『はじまりのみち』‥‥‥‥‥‥美化しすぎかなという気もするが
『ある会社員』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥期待通りの韓国製アクション
『キング・オブ・マンハッタン』‥‥‥‥‥‥‥面白いが印象薄い
『イノセント・ガーデン』‥‥‥‥‥予想外のラストに違和感あり
『オブリビオン』‥‥‥‥‥‥‥‥‥骨太なSFサスペンスの秀作
『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』‥‥大胆な映画構成に驚嘆
『体脂肪計タニタの社員食堂』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ちょっと甘い
『藁の楯』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥日本映画の久々の快作!
このあとは『セディック・バレ』に期待
 

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 楽 ┃ ┏━━┓ ┃┃ ┏━━┓ ┃2013.5.26
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Contents
 ・『藁の楯』
 ・「あ」からのレンタル

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◎ 公開中の新作から……… 『藁の楯』  2013年度作品
………………………………………………………………………………………………………
 監督:三池崇史
 原作:木内一裕
 出演:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、本田博太郎、高
    橋和也、菅原大吉、余貴美子、藤原竜也、山崎努、ほか
 配給:ワーナー

 公開日を確認すると4月26日。一か月たっている。いくらなんでも遅すぎて紹介
するのはペケだろう。と思ったが、作品に魅力ありすぎる。公開日に関係なく、面白
いものは紹介してしまいましょう。

 幼女暴行殺人容疑者(藤原竜也)を、被害者の祖父で財閥の総帥(山崎努)が大金
を用意し、日本の全国民に処刑してくれと依頼するという話。九州から東京の本庁ま
で、要人警護(SP)が護送し、四方から襲いかかる襲撃者と戦うというストーリー。
おまけに警察内部にも裏切り者がいて、誰一人信用できない。

 この設定だけである程度の面白さは保証されたようなものだが、配給がワーナー・
ブラザーズというメジャーなのだ。メジャー映画はあまり信用してない。なので観る
のを先送りしていた。

 結果は、メジャー映画らしからぬシビアな映画だった。容赦なく、ほとんど救いが
ない。安易に媚びて腰折れる日本の大手とは違った。

 突拍子もない展開が続くので、突っ込みどころは少なくない。それでも面白さが勝
る。松嶋菜々子が珍しくイケてないなと思ったら、それじたいが終盤の伏線になって
たりして。主演級の女優には酷な設定ではないか。

 藤原竜也の外道な犯罪者は今年度の助演男優賞もの。憎たらしいというより、気色
悪いから近寄らないでほしいという、どす黒いキャラクター。現実にはこんな整った
顔立ちの異常なヘンタイなどいそうにないが、演技でリアルに見せる。男前であるだ
け、よけいにその異形なキャラが際立ってくる。悪意のない凶悪犯罪者には、警察も
司法も無力だ。

 そういやカンヌ映画祭に公式出展されてるんだっけ。こういう娯楽一辺倒な映画は
カンヌでは評価されないのではないかな。


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◎ これ、掘り出し物かも、という映画
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『ハナ 奇跡の46日間』
   2012年度作品 京都公開はみなみ会館で8月?
   監督:ムン・ヒョンソン
   出演:ハ・ジウォン、ペ・ドゥナ、ほか
   配給:SUMOMO

 実在する二人の卓球選手の闘いのドラマ。実にわかりやすい映画ですが、主人公が
韓国と北朝鮮の統一ペアなので、政治的に微妙。今、北朝鮮ものは避けられている。
映画はそんなの関係ないと思うんですけどね。面白ければなんでもありですよ。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… 
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 DVDをレンタルするとき、何を借りるか迷いまくる。どのパッケージを見ても、
「ひょっとしたらハズレかも」という疑問が晴れず、結局ひとつも借りずに帰ってし
まうことがあります。

 日本映画の「ドラマ」という棚の端から順番に借りてみることにしました。「邦画
ドラマ」の棚はわりあい質が高い。五十音順で「あ」から順番。明白なダメ映画以外
を片っ端から観まくる。それでいこう。で、なぜか吉永小百合が連発になってしまっ
た。『あゝひめゆりの塔』『愛と死をみつめて』『青い山脈』‥‥。

 いい映画は何本もあったが、『アイデン&ティティ』(田口トモロヲ、2003年)
と『青空のルーレット』(西谷真一、2007年)が目を引いた。たまたまだが、どち
らもロックスターをめざす貧乏ミュージシャンの青春ものです。熱くなれますよ。

 まだ「あ」のところで止まってます(苦笑)。先は長い。

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 近況など……… 
………………………………………………………………………………………………………

 次回の映画カフェは6月16日。テスト的に今年は年三回です。カフェ(パーティ)
と同時に発行していたひょっこり通信も、それに連動させて今年は年三回発行になり
ます。忙しくなりましたが、原稿はほぼできています。


「じべたでひろたもん」5.23 編み籠
「省エネカフェ」次回は7月15日「電気とガス どちらが有利?」
「省エネカフェ」5.12 「ゴミ減らせんかい?」終了
「省エネの小部屋」5.11 LED電球とペットボトル
「船越屋画廊」5.11『ひかり』
「変神探訪」5.4「大将軍八神社のモノノケ市」
「長岡京市の裏百景」5.2「友岡踏切道祖神」
「シネマージュ 映画カフェ」4.3 次回は6月16日に
「壁紙ギャラリー」3.25 金紙・銀紙
「Japanese Words Dictionary」3.12 40項目ほど追加

『藁の楯』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥日本映画の久々の快作!
『愛、アムール』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥やはり合わない映画だった
『ハッシュパピー』‥‥‥‥‥‥‥‥大傑作ではないものの、満足
『探偵はBARにいる2』‥‥‥‥‥‥このシリーズはGood!
『L.A.ギャングストーリー』‥‥‥ウェルメイドな娯楽映画の良品
『ペタルダンス』‥‥‥‥‥‥‥女優たちを見てるだけで目の保養
『舟を編む』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥悪くはないんですけどね
『シャドー・ダンサー』‥‥‥‥‥スリリングなサスペンスの秀作
『故郷よ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥心にしみいる秀作
このあとは『イノセント・ガーデン』に期待
 

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 極 ┃      ┃┃      ┃
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Contents
 ・『ペタル ダンス』
 ・キアヌ・リーヴスの『忠臣蔵』
 ・パソコンがオシャカに

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◎ 公開中の新作から……… 『ペタル ダンス』  2013年度作品
………………………………………………………………………………………………………
 監督:石川寛
 出演:宮崎あおい、忽那汐里、安藤サクラ、吹石一恵、後藤まりこ、韓英恵、安藤
    政信、風間俊介、ほか
 配給:ビターズ・エンド

 ペタルは花びら。花びらは出てこないけど、グライダーやカモメがスクリーンを滑
空する。

 「説明しない」系の映画。感じ取る映画。女性のほうがヴィヴィッドに感じられる
ところが多そう。僕では届かない部分が多少ある。

 話はシンプル。海に落ちたかつての友人を病院に見舞う女性たち。ストーリーを書
けばそれだけで終わってしまう。

 この監督の映画は初めてです。各シーンの演技は若手女優陣に一任しているように
見える。そのせいか、ときおりリアクションにまごつきが見える。しばしば「えっ、
なんて?」と聞き返すのは、リアクションを考える時間稼ぎに見える。

 女たちがそぞろ歩く冬の海辺。彼女たちは飛ぶカモメを見る。花びらは彼女たち自
身なのかもしれない。海は青森の陸奥周辺。ただし映画の中ではその場所を明らかに
していない。

 日本の若手女優のトップクラスを4人並べただけでも贅沢な配役です。中でも9月
公開の『許されざる者』で顔を切られる娼婦を演じている忽那汐里は、まだまだこれ
からの潜在力を感じさせる。出番は少ないものの、後藤まりこも強い印象を残した。


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◎ これは笑えるかも、という映画
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『体脂肪計タニタの社員食堂』
   5月25日全国公開 2013年度作品
   監督:李闘士男  原作:
   出演:優香、浜野謙太、宮崎吐夢、小林きな子、草野イニ、草刈正雄、壇蜜、
      ほか
   配給:角川映画


 デブデブ社員たちの悲惨なダイエット戦争。優香がコメディーをきちんとこなせる
かどうかが成否の分かれ目。



『TOKYOてやんでぃ』
   5月25日全国公開 2013年度作品
   監督:神田裕司
   出演:ノゾエ征爾、南沢奈央、黒田福美、伊藤克信、池田鉄洋、ラサール石井、
      でんでん、夕霧、三谷昇、真野響子、安達祐実、小松政夫、ほか
   配給:アイエス・フィールド

 おなじみ、落語家もの。濃い顔の役者が揃ったが、主演のノゾエ征爾のキャラクタ
ーで成功しそうな一篇。売れない芸人そのまんま。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… 
………………………………………………………………………………………………………

 『47RONIN』が日本で公開されるかどうかは、微妙。キアヌ・リーヴス主演
の忠臣蔵です。キアヌの役は四十七士の一人だそうです。普通、『忠臣蔵』の主役と
いったら大石内蔵助でしょう。内蔵助は真田広之。浅野忠信が吉良上野介で、浅野内
匠頭にあたる役は不明。いないかもしれない。

 監督はカール・リンシュ。スタッフは基本的に米国、配役は日米ごちゃ混ぜ。すご
そうなトンデモ映画ができそうです。キャストの顔ぶれだけ見てても興味深くて、ど
んな感じかと覗いてみたくなります。今のところ予告篇映像すらなくて、わからない
のです。

 キアヌ・リーヴスの『忠臣蔵』は2002年時点ですでにウォーレン・ベイティ監
督というのがキネマ旬報に挙がっていました。浅野内匠頭役です。大石内蔵助はロバ
ート・デ・ニーロ、吉良上野介はアンソニー・ホプキンス。ほかにリーアム・ニーソ
ン、ニコラス・ケイジ、ハリソン・フォード、トム・クルーズ、ユマ・サーマン、ペ
ネロペ・クルス、ハリソン・フォード、ジュード・ロウ、クリスチャン・スレーター、
ジェフ・ダニエルズ、グレン・クローズ、キャシー・ベイツというオールスターキャ
ストです。

 ほんとですよ。橋本治の「嘘つき映画館 シネマほらセット」というコラムにちゃ
んと書いてありました。


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 近況など……… 
………………………………………………………………………………………………………

 前回のメルマガ(『故郷よ』紹介)発行の翌日、4月7日。ノートパソコンがフリ
ーズしたと思ったら、二度と起動しなくなった。ハードウェア障害。修理も考えまし
たが、年数を考えたら寿命かと。買ったときすでに中古品。中古のノートは寿命が短
いですね。

 3年半なので3年保証の期間も過ぎてます。期間内なら修理に出してたでしょう。
去年から検討していた大画面のデスクトップパソコンを購入することにしました。年
金が最初に振り込まれるのは今年の後半なので、この意味でもタイミングは悪い。

 21.5インチのデスクトップ。15インチのノートパソコンに比べるとぐっと広
くなりました。小さい画面のちっちゃい文字を読みながら作業するのは疲れます。こ
れで少しは楽になるか。

 データのバックアップはMOへまめにコピーしてあるから大丈夫ですけど、問題は
アプリケーション環境。OSが更新されるのでそのまんまというわけにいかない。せ
っかくベストの環境を構築したと思ったのに、またやり直しです。

 ほとんど兆候らしきものがなく、いきなりアウトでした。人間も前触れ一切なくい
きなりアウト。というわけにはいかんのでしょうね。

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 近況その2……… 
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 3月16日に開催した省エネカフェが4月5日の京都新聞に載りました。洛西版の
頁ですが、写真はカラーでかなり扱いが大きい。カラー写真で紹介されたの、初めて
です。

 省エネカフェの報告ページのいちばん下に記事をコピーして入れました。
https://funakoshiya.net/old/cafe20130316.htm


「長岡京市の裏百景」4.14「Welcomeの声」
「シネマージュ 映画カフェ」4.3 次回は6月16日に
「壁紙ギャラリー」3.25 金紙
「省エネカフェ」3.16 次回は「ゴミ減らせんかい?」5/12
「Japanese Words Dictionary」3.12 40項目ほど追加
「じべたでひろたもん」3.9  各種のペン
「長岡京市の裏百景」3.7「路上アート lane art」
「船越屋画廊」3.7『ゴースト』

『舟を編む』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥悪くはないんですけどね
『シャドー・ダンサー』‥‥‥‥‥スリリングなサスペンスの秀作
『故郷よ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥心にしみいる秀作
『ザ・マスター』‥‥‥‥‥‥‥相変わらずマイペースな監督です
『アウトロー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥サスペンスミステリーの秀作
『世界にひとつのプレイブック』‥‥‥‥‥‥少々期待過剰でした
『わたしたちの宣戦布告』‥‥‥‥‥‥‥‥‥今ひとつ乗りきれず
『ゼロ・ダーク・サーティ』‥‥抜群に面白いサスペンス映画です
このあとは『欲望のバージニア』に期待
 

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Contents
 ・『故郷よ』

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◎ 公開中の新作から……… 『故郷よ』  2011年度作品
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 監督:ミハル・ボガニム
 出演:オルガ・キュリレンコ、ほか
 配給:彩プロ

 チェルノブイリ近郊に多くの人が住み続けていることは本で読んだので知ってはい
たが、映像で見るのは初めて。ドキュメンタリではなくドラマだが、撮影は立ち入り
制限区域内で行われている。

 住民は作物を育て、家畜を飼っている。健康を害することなく、普通に暮らしてい
る。たぶん確率の問題なんだろう。高い線量の放射線を浴びても平気な人が多いこと
は、先の本にも記してあった。

 ドキュメンタリ風ではない。ドラマティックなドラマ。主人公は原発事故の日に結
婚式を挙げたアーニャ(オルガ・キュリレンコ)。式の最中に消防士の新郎は招集さ
れ、そのまま帰らぬ人となった。

 彼女を含めた4人がドラマの中心だが、みな生まれ故郷のプリピャチ(チェルノブ
イリからわずか3キロの町)から離れようとしない。あるいは戻ろうとする。アーニ
ャは10年後、海外に出て人生をやり直すチャンスをつかむが、結局は汚染された故
郷に戻っていく。

 彼らは未来の幸せを見ていない。過去の追憶の中へ引き寄せられていく。人の幸せ
は純粋にその人の価値観による。他人がとやかく口出しすることではない。とはいえ、
それでいいんだろうか。過去の幸せな記憶に埋もれ、未来を捨て去っていいものだろ
うか。やるせなさを感じる。

 オルガはプロデューサーも引き受けている。声高な社会派映画よりも強い熱気をは
らむ。彼女の熱い思いを感じさせる秀作だ。


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◎ これは当たるも八卦、かも、という映画
………………………………………………………………………………………………………

『欲望のバージニア』
   6月29日全国公開 2012年度作品
   監督:ジョン・ヒルコート
   出演:シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ジェシカ・チャステイン、ガイ
      ・ピアース、ミア・ワシコウスカ、ゲイリー・オールドマン、ほか
   配給:ギャガ

 『ザ・ロード』のジョン・ヒルコート監督作品だということに尽きる。話は禁酒法
時代の無法者兄弟VS悪辣な特別補佐官の戦い。前作より娯楽色は濃厚?



『悪人に平穏なし』
   5月ごろ京都公開予定 2011年度作品
   監督:エンリケ・ウルビス
   出演:ホセ・コロナド、ほか
   配給:シンカ


 予告篇映像に力がみなぎる。タイトルもいい。中年捜査官の孤独な戦いを描くハー
ドなスペイン製アクション。



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 近況など……… 
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 厚生年金・企業年金の受給請求を3月28日にすませ(誕生日は29日です)、あ
とは振り込まれるのを待つばかり。

 29日はさっそくシニア料金で映画を観ました。いつでも千円だと思うとかえって
観なくなってしまうのではないかと思い、この日に1本は観るぞと決めていたのです。

 観たい映画は『ザ・マスター』しかなかった。『故郷よ』もやってたが、京都シネ
マは900円で観られるので、こちらは日を改めることにしました。

 気になる程度まで範囲を広げると際限がなくなるので、観たい映画しか観ません。
『ザ・マスター』は残念ながら不満足な映画で楽しめませんでした。


「シネマージュ 映画カフェ」4.3 次回は6月16日に
「壁紙ギャラリー」3.25 金紙
「省エネカフェ」3.16 次回は「ゴミ減らせんかい?」5/12
「Japanese Words Dictionary」3.12 40項目ほど追加
「じべたでひろたもん」3.9  各種のペン
「長岡京市の裏百景」3.7「路上アート lane art」
「船越屋画廊」3.7『ゴースト』
「新編図解辞典 大誤解」3.2 新規追加

『故郷よ』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥心にしみいる秀作
『ザ・マスター』‥‥‥‥‥‥‥相変わらずマイペースな監督です
『アウトロー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥サスペンスミステリーの秀作
『世界にひとつのプレイブック』‥‥‥‥‥‥少々期待過剰でした
『わたしたちの宣戦布告』‥‥‥‥‥‥‥‥‥今ひとつ乗りきれず
『ゼロ・ダーク・サーティ』‥‥抜群に面白いサスペンス映画です
『みなさん、さようなら』‥‥‥気色悪いほどに濱田がはまりすぎ
このあとは『欲望のバージニア』に期待
 

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 楽 ┃ ┏━━┓ ┃┃ ┏━━┓ ┃2013.3.2
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Contents
 ・『世界にひとつのプレイブック』
 ・キネマ旬報の個人賞
 ・2月24日映画カフェ

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◎ 公開中の新作から……… 『世界にひとつのプレイブック』 2012年度作品
………………………………………………………………………………………………………


 監督:デヴィッド・O・ラッセル 
 出演:ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニー
    ロ、ジャッキー・ウィーヴァー、クリス・タッカー、ジュリア・スタイルズ
 配給:ギャガ
 原題:Silver Linings Playbook

 突出したもののなかった米国アカデミー賞は、案の定きれいに分散受賞してしまっ
た。バランスよく、うまくおさまったというべきか。

 低予算映画が作品賞レースで超大作と勝負してるのはなかなか面白い。低予算代表
が本作。観る前はコメディと思っていた。一般的にはコメディに分類されているのか
もしれないが、コメディのつもりで観に行けばすかされる。現に僕がそうで、最初の
ほうのあまりのシリアスさに乗りそこねた。

 夫が事故死した女と、妻が浮気して出て行った男。どちらも精神に異常をきたし、
回復期にあるが支離滅裂な言動をくり返す。僕なら『なんぎな二人』とでもタイトル
をつける。映画の中だから平気でいられるが、実生活で関わるのはごめんこうむりた
い二人だ。

 二人の非常識で予測不能な行動ゆえ、話はイレギュラーに転がっていく。そこにこ
の映画のユニークさと面白さがあるのだと思う。それだけに終盤、あるべきラストへ
収束していくのは残念だった。さらにひねりをきかしてトンデモな転がり方を見せて
ほしかった。


 英語には強くないので自信はないが、原題は「見通しの明るい戯曲」ぐらい。これ
だけでハッピーエンドをばらしてるようなものだが、そこをひっくり返してビターな
エンドにするぐらいの茶目っ気があればよかった。ちなみにこの映画、演劇とは関係
がない。

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◎ これは現在注目中、という映画
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『ペタル ダンス』
   4月20日全国公開 2013年度作品
   監督:石川寛
   出演:宮崎あおい、忽那汐里、安藤サクラ、吹石一恵、風間俊介、韓英恵、
      安藤政信、後藤まりこ、ほか
   配給:ビターズ・エンド

 ペタルは花びら。何も考えず、予備知識をゼロにして接してみたい映画であります。



『舟を編む』
   4月13日全国公開 2013年度作品
   監督:石井裕也  原作:三浦しをん
   出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、ほか
   配給:松竹、アスミック

 予告篇はさほどでもなく、キャストも魅力的ではない。が、辞典編集の話となると
他人事ではなくなる。ただそれだけでぐっと身近な世界に感じられる。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… キネマ旬報の個人賞
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 森山未來が『苦役列車』でキネマ旬報の主演男優賞。これは演技の善し悪しと関係
ないんじゃないですか。俳優としての経歴に傷がつきかねないほど汚いキャラを演じ
た蛮勇に対する評価ではないか、と。

 女優賞を一人が独占したことはキネマ旬報では初めてだと思います。独り占めする
と日本は女優の層が薄いのかと思われそうなのでよくないのですが、安藤サクラが目
立ったのは事実です。狙える実力を持った女優が去年は概ねおとなしかった。ぼちぼ
ち谷村美月や田畑智子、中越典子あたりが・・と思ってるのですが。

 キネマ旬報のベストでは外国映画に『別離』が入り、『アーティスト』はもれた。
『灼熱の魂』は前年度公開扱いで、対象外。

 個人的なベストは省略します。すでにメルマガでいろいろ書いてるし。


………………………………………………………………………………………………………
 近況など……… 2月24日映画カフェ
………………………………………………………………………………………………………

 パーティからカフェに名称変更して第一回。参加者数17名は2006年に京都市
内の集酉楽サカタニで開催したときと同数で、最多です。初参加者の7名も初回を別
にして最多。大幅に増えたのは、パーティという閉鎖的なイメージが取っ払われたか
らかもしれません。

 このあと省エネカフェ開催(3/16)があり、力を抜きたい気分がありました。
映画カフェは成り行きに任せても盛り上がるという気もあって、あまり仕切ってませ
ん。それではいけないんだろうなとは思いますが。

 次回、少しやり方を変えてみたい。新しい人たちが年2回の開催は少ないから合間
にこことは別個にやろうよと相談されていました。別の人も自分の自宅でイレギュラ
ーにやってもと提案されたこともありました。

 以前、アンケートをとって回数を増やすことに否定的な反応が多かったのですが、
1回増やして3回でやってみたい。うまくいかなければもとに戻せばいい。2・6・
10月に開催し、時間枠も4時間は少々長い気がするので3時間で。参加費も連動し
て減らし、400円か300円、というやり方ではどうでしょうか。


「出版案内」2.27 ひょっこり通信発行
「シネマージュ 映画カフェ」2.24 過去最多17名の参加
「じべたでひろたもん」2.15  フタつきバケツ
「日本映画のデータベース」2.15 2012年度公開分を更新
「ネタばれしても委員会」2.8『戦争のはらわた』
「じべたでひろたもん」2.7  水性ペイント
「省エネカフェ」第一回は3/16「節電してまっか?」

『わたしたちの宣戦布告』‥‥‥‥‥‥‥‥‥今ひとつ乗りきれず
『ゼロ・ダーク・サーティ』‥‥抜群に面白いサスペンス映画です
『みなさん、さようなら』‥‥‥気色悪いほどに濱田がはまりすぎ
『北のカナリアたち』‥‥‥‥‥‥‥近年珍しいほどの凡庸な映画
『東ベルリンから来た女』‥‥‥‥‥疲れてたのか、入りそこねた
『プリズナー・オブ・パワー』‥‥‥‥‥‥‥観るだけ時間の無駄
『さよならドビュッシー』‥‥‥‥‥‥‥‥‥バランス崩して失格
『そして友よ、静かに死ね』‥‥新たなフレンチ・ノワールの秀作
『96時間リベンジ』‥‥‥‥‥‥‥前作に引けをとらない面白さ
『フランケンウィニー』‥‥‥‥‥‥‥‥人形アニメの最高峰です
『おだやかな日常』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥今年の日本映画のベスト
このあとは『ペタル ダンス』に期待
 

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