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2006.9.11 映画の漫画コラムページです。
『南極物語』
2006年 監督:フランク・マーシャル 出演:ポール・ウォーカー、ブルース・グリーンウッド、ジェイソン・ビッグズ、ムーン・ブラッドグッド
ディズニーの動物映画です。なので、人間ドラマがイマイチなのはしかたないかもしれない。しかし犬たちのサバイバルシーンはしっかりと作ってほしかった。
不自然なのは、犬たちが狩りをするシーンがほとんどないこと。カモメみたいな鳥を三羽獲るシーンがある。たったそれだけ。死んだシャチの肉を食らうシーンもあった。
生きて抜いていくためには食わねばならない。きれいごとをいってる場合ではない。飢えて殺気立つこともあるだろう。凄絶な戦いもあってしかるべきだろう。そんなシーンはまるでなく、アトラクションのサバイバルゲームのような軽さで、拍子抜けしてしまった。
ペンギンが冒頭(のみ)に出てくる。動きがトロくて食いでのあるペンギンをとらえて食って生きるのが真実だろう。ペンギンの殺戮シーンを描けなかったにちがいない。動物愛護団体からのバッシングが怖いんだ。ペンギンはダメ。カモメはOK。イルカやクジラはダメ。シャチはOK。ったく、西洋人のエセヒューマニズムってやつほど、食えねぇもんはねー。
犬だって、当初の脚本では8頭すべてが生還することになってたそうだ。それを日本人プロデューサー(オリジナル版のプロデューサー)が粘って、わずかだが犠牲を出すことに変更してもらったそうな。しょせんはディズニーの動物映画。真実のドラマを期待してはいけなかったのです。