長岡京市の裏百景

旧今里村の間歩

 間歩(まぶ)というのはトンネルのことです。間府あるいは間分ともいいます。意味は「鉱山の坑道」。ポルトガル語由来という説があるが、とすれば坑道のmeu(メウ)が語源か。

 今は機能していませんが、旧今里村の農業用の導水用トンネルです。その痕跡を探しました。

 地図1


 赤いラインで囲んだ部分が間歩。国土地理院地図をベースにしている。オレンジ色の小さな丸の場所が入り口と出口です。入り口は左。





 間歩の出口写真。「今里土地改良区 五十年のあゆみ」に載ってました。長岡京図書館の郷土資料のコーナーに置いてます。





 出口は完全に崩落し、土砂で埋まってしまい、痕跡も見つけられませんでした。この下にあるはずなのですが。



 尾根道になっているハイキングコースを越え、入り口のほうへ移動します。



 場所はこのへんですが‥。




 その上に登って裂け目を見つける。下にトンネルが通っている!



 なんとか奥を覗き込もうとしたけど、これが限界。


 入り口側は完全に崩落しておらず、中にトンネルがあることがわかりました。


 長岡京市図書館の郷土資料コーナーにある「長岡の語り部」と「今里土地改良区 五十年のあゆみ」を参考にしています。手元にはありませんが、「京おとくにのかくれた名所旧蹟ガイド」と「西山連峰トレッキングマップ」にも載っているそうです。

 以下のページも参考にしました。 ふるさとファイル 西山ため池


 地図2


 上記ガイドとマップに載っている地図を提供いただきました。トップにあげている地図1の赤い星の位置が間歩の出口だと、地図2は示しています。地図1を見ればわかるように、とんでもなく位置が狂っています。入り口ポイントが正しいのなら、トンネルがこことつながるわけがない。

 地図2のポイントもいちおうは調べました。谷につながるポイントはなく、地形から見てトンネルの出口になりそうな場所はありませんでした。



  2025.1.21



[2025.1.27追加調査]
 入り口のアクセスを調査。木橋の近くから左岸を行くのがベストですが、道ではありません。



 開けた場所に出ます。間歩はその奥です。




 南から流れる小川へ西からの支流がぶつかる位置にあります。




 その上部にある亀裂の中を覗き込む。あまり深くない。この空洞が間歩そのものではなく、崩落したことによって生まれた空洞らしいと思える。




 出口のほうへ通じる道が見つかりました。トレイル道から竹林への道を入って行き止まる。そこから少し戻ったところに左へ降りる道がありました。降りた先が間歩の出口です。最も楽に到達できるルートです。


 ちなみに入り口と出口の高度差は数メートル程度。地図2の出口ポイントでは、地図1の入り口と高度差がほとんどありません。



  2025.1.27





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