長岡京市の裏百景

変体字天満宮

天満宮

長岡京市の裏百景 変体字天満宮


 気がついた。長岡天満宮の鳥居の扁額。「天満宮」の文字はすべて異体字だ。

 「天」は横棒の下が長い。「満」内側が「山」ではなく「小」。「宮」は「ノ」がない。

 上は八条が池の東側にある正面の大きな鳥居。他の鳥居の文字はどうなってる?

 いくつ鳥居があるのかさえ知らない。まずはすべて確認しよう。


長岡天満宮

 北側参道入り口にある鳥居。「満」の中が「人人」になってて、あとは同じ。

 東鳥居には「長岡」の文字がなかったが、こちらは入っている。

 表玄関ではないせいか、汚れやくすみがそのまんま放置。


天満宮

 本殿に上がっていく階段下。えらく汚い扁額。

 「満」の中は「山」。「宮」は「ノ」あり。


天満宮

 階段上。「満」は「人人」。「宮」は「ノ」なし。「長岡」なし。

 本殿に近いからか、ちゃんと清掃してある。鳥居は以上、四つ。


天満宮

 本殿の扁額。キラキラ輝いている。

 「天」は上長。「宮」は「ノ」なし。崩し字なので「満」の形が読み取れない。

 扁額のフルネームは北鳥居のみだった。


長岡天満宮

 看板などの表記も調べる。正面の大鳥居の下にある看板。

 すべて正字です。


天満宮

 北側参道入り口にある灯篭。

 「天」はたぶん下長。「満」は「水」。「宮」は「ノ」なし。


長岡天満宮

 本殿に通じる階段の石柱はたくさんあるので、代表して一コだけ。すべて正字。


長岡天満宮

 本殿脇の看板。すべて正字。


長岡天満宮

 使用してない看板が倉庫脇に。「天」は下長。あとは正字。


長岡天満宮

 長岡公園につながる通路の看板。すべて正字。

 使用してない看板がきれいなのに、使用中の看板はボロボロ。


天満宮

 錦水亭への道にもう一つ灯篭。

 「天」は上長。「宮」は「ノ」なし。「満」の中は縦一本線だけに見える。


天満宮

 正面大鳥居の周囲にもまだいくつか見つかった。

 石柱で、イロハモミジに隠れるように。

 「天」は下長。「満」の中は「小」。「宮」は「ノ」なし。


天満宮

 ふれあい回廊のみちの石柱。

 「天」は下長。あとは正字。


天満宮

 ふれあい回廊のみちの一対の灯篭。

 「天」は上長。「満」は「水」か? 「宮」は「ノ」なし。

 まだ見落としがあるかもしれないけど、調査はここまでにする。


 表記の揺れに何か意味があるのかというと、ほとんど意味はない(と思う)。膨大な数の異体字は、旧字体か、あるいは単なる書き間違いです。

 誤字も、長い年月を経ることで市民権を得たかのような顔になってくる。扁額に異体字を多用するのも、いかにも由緒あるように見せかけているだけ。

 異体字の多いのは、豊かな日本語を象徴しているようで、その実、単に不統一と煩雑さを増やしているだけで、日本語を貧しくさせている。個人的な意見ですが、基本的には異体字を全廃し、一つの漢字表記は1コのみ、とすべき。


  2023.8.1




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