終末映画の娯しみ『マザー アンドロイド』



マザー アンドロイド



『マザー アンドロイド』
2016年度作品 監督:マットソン・トムリン 出演:クロエ・グレース・モレッツ、アルジー・スミス、ラウル・カスティーロ、ほか 原題:Mother/Android

 人類を抹殺しようとする「敵」が異なってるが、大枠で『フィフス・ウェイブ』と似ている。『マザー アンドロイド』のほうがより暗く、絶望的だ。よくぞこんな映画を作ってくれたと褒め称えたい。

 この2本、悪魔的なやり口で人を欺く点で似ている。ここは「ネタバレしても委員会」のコーナーではないので、ネタばらしになることを極力避けたい。なので悪魔的な詐術に関してはノーコメント。

 この映画で人間と敵対するのは人間が作ったアンドロイド。AIロボットの反乱です。人類を殲滅せんとして、いきなり一斉蜂起する。

 臨月のクロエ・グレース・モレッツが恋人と逃げまくる。無茶な話。逃げるだけじゃなく、捕まった恋人を救出する。無茶苦茶。

 思うんだけど、あんな回りくどい手を使わなくても、アンドロイド軍団は人類なんてあっさりひねりつぶせる気がする。いや、そうではなく、人間をとことんいたぶって精神的に追い詰めてから始末したかったのかも。だとすると、アンドロイドたちは憎しみや快楽という感情を獲得していたことになる。それはそれで素晴らしいことだ。

 クロエは終始厳しい顔をしている。怯え、怒り、悲しみ。追い詰められた小さな生き物のようなクロエの姿こそ、この映画のキモだった気がする。

クロエ・グレース・モレッツ


   2022.8.20




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