終末映画の娯しみ『クワイエット・プレイス』



A Quiet Place


『クワイエット・プレイス』
2019年度作品 監督:ジョン・クラシンスキー 出演:ジョン・クラシンスキー、エミリー・ブラント、ミリセント・シモンズ、ノア・ジュープ、ほか 原題:A Quiet Place

 『ザ・サイレンス 闇のハンター』と似た設定で、当然ながら違う点はいくつかある。こちらはモンスターの正体も出どころも明らかではない。おそろしく手強いやつで、普通の銃ぐらいでは皮膚を貫通しないし、鉄板を引き裂くほどの怪力も持っている。

 二部作の一作目だが、この映画の終盤で特殊なノイズに弱点があると判明する。このへんは『マーズ・アタック!』と似ている。音には敏感だけど視力はゼロ。

 二作目の終盤になって泳げないという弱点が露呈する。泳げない飛べない。それなら水上もしくは島に退避すれば安全だ。一部の人はそうしてる。なぜ全員がそうしないのか。

 見えてないくせに静止してる人を襲ってるシーンもある。この映画、ツッコミどころが豊富だが、看過できないシーンが一つある。

 この映画(一作目)の終盤、ろうあ者の少女(ミリセント・シモンズ)の背後でモンスターが激しくのたうちまわって苦しんでいる。少女は気づかない。これは変だ。

 映画の作り手はろうあ者の実態を理解してない。耳が聞こえなきゃ何も気づかないと思っている。ミリセント・シモンズは現実にもろうあの俳優だ。シナリオを読んでおかしいと気づき、指摘してほしかった。

ミリセント・シモンズ


   2022.8.7




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