今回のは少々ネタバレになってしまいますので、ご了承を。 夫(マイケル・シャノン)が夜ごと悪夢に苦しめられる。彼から見れば悪夢のほうが現実に思えてならない。とてつもない嵐が発生する予感に取り憑かれ、狂気に支配されていく。 金もないのにシェルターを作って妻(ジェシカ・チャステイン)に罵倒される。会社の機材を勝手に使って工事をし、クビになる。徐々に常軌を逸していく。 娯楽性に乏しく、重苦しい描写と展開に終始する。しかしラストの破壊的な嵐の訪れによって終わるエンドで、ふっきれたようにこの映画が傑作として立ち昇ってくる。なにより主演のマイケル・シャノンが素晴らしい。彼の存在感に負っている部分が大きい。 欠点としては、世界を終わらせてしまいかねない巨大な天変地異が具体的に描かれないので、何が起こるのかが明確になっていないことが挙げられる。そのへんは観る側の想像力にお任せ、ということかな。 2023.8.24 |