宇宙人はいない




宇宙人はいない



 タイムトラベルやUFO、宇宙人、あるいはコンピュータやAIロボットの反乱は、フィクションでは定番のネタです。お話としては面白くなるのでよしとしますが、それを現実とみなすのはノーノーです。どれもありえないことだからです。

 タイムトラベルの決定的な矛盾は複数ある。人が過去へ移動すれば、その人がいなかった過去を改変したことになる。記録に残る大きな歴史に関わらなくても、そこに「いる」ことが過去の改変になってしまう。歴史というのは歴史書に書かれるような事件だけを示すのではない。記録されていない小さなことも歴史の一部です。

 それ以上に大きな問題は、タイムスリップした場に存在していたはずの物質に関する説明がないことです。そこは真空ではない。空気を含め、何かが存在したはず。それは動植物であったかもしれない。それはどこに行ってしまうのか。なぜかこのことに対する指摘がどこにも見当たらない。説明できないから「なかった」ことにしてるだけだろう。

 ひょっとしたら人間(あるいは大型哺乳類など)の体がそこにあったのかも。重なった部分が切り取られ、それ以外の部分が血まみれでブッ転がっている、といった事態も想像できる。


 コンピュータやAIロボットの反乱に関しては、2023年10月発行の通信に「笑うAI」と題してすでに書いていますので説明を略します。

 今回は宇宙人(とUFO)にのみ絞り込み、何が「ありえない」のかをじっくり説明しましょう。

 UFOを信じたがる人たちは、存在の証拠を米国の政府機関が隠してるのだと言っています。UFOの存在について言われだしてから半世紀にもなる。一国政府が隠しきってるとするには無理のある長い期間だとは思わないらしい。宇宙人が来訪してるのなら、今ごろは明白な証拠が大量に出ています。

 ここでいう宇宙人は、地球人と対話可能な知的生命で、社会生活を営んでいるものたち、とします。地球人と交信可能な範囲に宇宙人はいません。交信しようと思えば相手との距離がハードルになる。せいぜい数光年という範囲内でしかコミュニケートできない。交信は往復なら2倍かかる。

 距離以外にタイミングの問題がある。地球人が外宇宙とコンタクトしようと考えてまだ数十年にしかならない。地球の歴史は46億年。人類の歴史なら数百万年。その長い歴史の中で、針の先ほどの短い期間です。他の惑星でも知的生命体へと進化したとしても、同じタイミングで接触できたら稀に見る奇跡でしょう。

 もう一つハードルがある。生命の誕生と知的生命体への進化がともに、稀な偶然によってもたらされている、ということ。地球では知的生命が誕生した。他の惑星で同様な奇跡が起こりうると考えるのは早計だ。

 知的生命の誕生に必要なものは何か。それは脳の大型化だろう。脳はエネルギーを大量消費する器官なので、糖類(炭水化物)を大量に必要とする。肉食動物はタンパク質がメインになるので、脳が発達しない。基本は草食であり、穀類・豆類・いも類を栽培して量産できる種でなければ知的になれない。

 恐竜のいた時代は糖類を大量摂取できる環境がまだなかった。肉ばかりの偏食はただの筋肉バカを生むだけ。

 脳の大型化には二足歩行も必要。大きな頭を支えるには、直立するよりない。こういった制約がいくつかあるので、知的生命体の姿は人間とそれほど大きくかけ離れたものになりようがない。

地球ではホモ・サピエンスが知的生命体に進化した。人類の系統樹は一直線ではなく、多数の種に分かれた。それらの種は、ホモ・サピエンス以外、死に絶えてしまった。ホモ・サピエンスと一部交雑したネアンデルタール人だけは、かろうじて遺伝子を現代人の中に残している 。

 ホモ・サピエンスは生き延びたけれど、地球上では環境の激変や生物の大量絶滅を何度も経験している。今まで生きのびられたことのほうが奇跡的ではなかろうか。たとえ生物が生息可能な環境があったとしても、必ず知的生物が現われるというものではない。むしろそれはきわめて例外的なことだ。

 距離とタイミングと進化。三つの厳しいハードルをクリアして、当たり前のように宇宙人と出会えると思うのは、あまりに能天気だと僕は感じる。

 人類はみんな、奇跡に等しい環境で生きているのです。国も個人も、もうちょっとお隣と仲良くできないものかと思う。


ひょっこり通信 2024.10.13




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