極楽news No.156 2022.3.14 Contents ・『アンネ・フランクと旅する日記』 ・『ガンパウダー・ミルクシェイク』 ・花粉症が始まる ……………………………………………………………………………………………………… ◎ 公開中の新作から………『アンネ・フランクと旅する日記』 2021年度作品 ……………………………………………………………………………………………………… 監督:アリ・フォルマン 配給:ハピネットファントム・スタジオ 原題:Where Is Anne Frank 『戦場でワルツを』以来のフォルマンのアニメ。何をやらかすかわからない怪しさ に惹かれて観たわけです。 観たあと、気になって『戦場でワルツを』をYouTubeで観ました。 戦場でワルツを ラスト、さすがにこれはアニメではありえないだろう、というのが出てくる。新作 の『アンネ〜』ではそこまで定石を外さないが、従来のアンネ・フランクものやナチ ス・ドイツとユダヤ人の映画とは隔絶したものを作り上げている。 ナチス・ドイツは象徴的なキャラクターのみで押し通している。戦争犯罪について 深入りすることを避けている。そこに突っ込むと当たり前の映画になってしまい、フ ォルマンの映画ではなくなる。 物語は、アンネの日記に書かれたイマジナリーフレンド(空想上の友だち)である キティーが、日記から抜け出し、戦時中と現代を行きつ戻りつする。現代ではアンネ がすでに死んでいることに気づかないまま、キティーは探しまわる。原題は「アンネ ・フランクはどこにいる?」です。 主人公がイマジナリーフレンドってのは過去にあっただろうか? イマジナリーフ レンドが出てくる映画はみな、それを夢想する人物が主人公だった(と思う)。それ だけでも十分に特異な設定と思うが、素材に実在のものを使いつつ、ストーリーは大 胆に常識を粉砕する。 アニメーション世界の中にあり、空想上の人物と設定されているはずのキティーが、 終盤では実体を伴った存在として、観る者に迫ってくる。おそるべき力を持ったアニ メーション。 ……………………………………………………………………………………………………… ◎ これは目の薬?、という映画 ……………………………………………………………………………………………………… 『ガンパウダー・ミルクシェイク』 3月18日公開 2021年度作品 監督:ナヴォット・パプシャド 原作: 出演:カレン・ギラン、レナ・ヘディ、カーラ・グギーノ、ミシェル・ヨー、 クロエ・コールマン、アダム・ナガイティス、アンジェラ・バセット、 ポール・ジアマッティ、ほか 配給:キノフィルムズ 原題:Gunpowder Milkshake 同じ配給会社で『355』が2月4日に公開された。どちらも女5人のチームが暴 れまくるアクション。一見かぶってるように見えるが、『ガンパウダー〜』のほうが 圧倒的に面白そうに思える。 ……………………………………………………………………………………………………… ◎ 映画あれこれ……… ……………………………………………………………………………………………………… 映画を観ていて、ときどき小骨が刺さるような違和感を覚える。実在した人物を描 いたり、実際にあった事件などを描いたりする映画で、(過去の)その時点での認識 や知識では誰も知りえないようなことを平気で言っている。 映像で確認できなかったので記憶のみで書くが、『真夏のオリオン』では広島の原 爆投下の直後、兵士が「原爆」と口にした。当時の日本にそういう単語は存在してい ない。 『イエスタデイ』(2019年)は、ビートルズが存在しなかった異次元世界にまぎ れこんだミュージシャンの話。ギター弾き語りで『イエスタデイ』のさわり部分を歌 ったら、聞いた人たちがみな感動している。いい曲だと認識できるまでには、ラスト まで通しで何度か聞く必要がある。ちょこっと聞いただけでは名曲だなんてわからな いんですよ。ビートルズの『イエスタデイ』が名曲だという共通認識のない世界では、 おそらく「ふ〜ん」程度のリアクションしかないでしょう。 『ミュンヘン:戦火燃ゆる前に』では、当時のイギリス首相が、第二次世界大戦の 始まる前の時点で、その後、世界がどう動くか読んだ上でヒトラーとの間に合意文書 を交わしたことになっている。その時点でこんなこと、わかるわけないんです。2月 21日以前で、現在のウクライナ情勢を正確に予測した人がいないのと同じです。 こんな感じでけっこういいかげんな言葉を映画は撒き散らし続けているので、眉に 唾つけて観ています。 ……………………………………………………………………………………………………… 近況など……… ……………………………………………………………………………………………………… 基本、ノー・マスクを通してましたが、花粉症が始まってしまった。マスク常態の 生活へ一瞬にして切り替わりました。 ウィルスなんて屁でもないとたかをくくってたのが、花粉が飛び回り始めると「こ りゃかなわん」とあっさり白旗をあげてしまうのですから、いいかげんなもんです。 船越 聡 https://funakoshiya.net/index.html 極楽page 「ヤマレコ山行記録」3/12 試峠から嵯峨皇后陵へ挑戦 「ヤマレコ山行記録」3/6 岩屋神社奥の院の陰陽岩 「じべたでひろたもん」3/3 防寒ヴェスト 「ヤマレコ日記」3/1 書いてない日記に訪問者が22人 「まんが村」2/26 プッチンプーチン 「ヤマレコ山行記録」2/24 虚空蔵谷(京田辺市) 「じべたでひろたもん」2/23 リュックサック 「長岡京市の裏百景」2/21 パン屋王国 長岡京市 『アンネ・フランクと旅する日記』・・・・ここ数年のベストワン 『ゴーストバスターズ〜』・・・・・・・・・・・・負っけんな! 『前科者』・・・・・・・・・・・・・いい映画だけど説明しすぎ 『声もなく』・・・・・・・・・・・・・好みの韓国映画で大絶賛 『MONOS猿と呼ばれし者たち』・・・・・どっぷり異世界体験 『ブラックボックス音声分析捜査』・・シャープな秀作サスペンス 『新聞記者』・・・・・・・・・・・・・・・・・・心意気を買う 『モンスーン』・・・・・・・・・・・・・・・・まるで意味不明 『無聲』・・・・・・・・・・・・・・・・重たい映画だが、深い 『ユンヒへ』・・・・・・・・・・あまりにも地味すぎて盛り下げ 『消えない罪』・・・・・・・・・・・・・・・・・想定外の秀作 『ファイター、北からの挑戦者』・・ビターなテイストにしびれる このあとは『ガンパウダー・ミルクシェイク』に期待 |
極楽news No.155 2022.3.5 Contents ・『フィフス・ウェイブ』と『マザー アンドロイド』 ・シリーズもの映画 ・ヤマレコマップ ……………………………………………………………………………………………………… ◎ 公開中の新作から……… 『フィフス・ウェイブ』と『マザー アンドロイド』 ……………………………………………………………………………………………………… 『フィフス・ウェイブ』 監督:J・ブレイクソン 原作:リック・ナンシー 出演:クロエ・グレース・モレッツ、ニック・ロビンソン、アレックス・ロウ、他 配給:ソニー 原題:The 5th Wave 2016年度作品 『マザー アンドロイド』 監督:マットソン・トムリン 出演:クロエ・グレース・モレッツ、アルジー・スミス、ラウル・カスティーロ、他 配給:Netflix 原題:Mother/Android 2021年度作品 どちらもNetflixで観ました。2本を一気観してしまい、一時は両者、錯綜した。 ともに、強大な「敵」の出現により人類が壊滅的な状況に陥るSF映画です。主演 も共通してますが、クロエ・グレース・モレッツの新作をサーチして見つけました。 ファンだとかいうことではありません。 前者が異星人来襲、後者がアンドロイドの反乱。それ以外は共通点が多い。ネタバ レ厳禁ストーリーなのでうかつなことを書けません。悪賢い「敵」が人間の弱みであ る「心」を突き、殲滅作戦に利用することは共通しています。悪辣なやり方で、絶望 的な気分になります。 こんな状況はSF映画の中だけかと思ったけど、今は現実にも、狡猾で残忍な大国 が小国を攻撃している。他国での暗殺行為を否定し、サイバーテロは日常茶飯。そう いう意味でこれらの映画、リアルに感じられる。 ウクライナ問題ではすでに『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』という映画で、 ウクライナに対する旧ソ連の苛烈な搾取(ホロドモール=人工的な大飢饉と呼ばれて いる)が描かれていた。現在のロシアはこの時代のソ連と1ミリも変わってない。 両方の映画の中で人類は敗北を続け、危機的な状況となる。前者ではいちおう希望 の持てそうなエンドとなるが、置かれた状況を見れば極めて深刻。現実世界のほうは 希望があるのでしょうか。 ……………………………………………………………………………………………………… ◎ これはなかなかにユニーク、という映画 ……………………………………………………………………………………………………… 『アンネ・フランクと旅する日記』 3月11日公開 2021年度作品 監督:アリ・フォルマン 原作:アンネ・フランク 配給:ハピネットファントム・スタジオ 原題:Where Is Anne Frank アンネの日記に登場するイマジナリーフレンドが、日記から現代に蘇るというアニ メーション。状況を何も理解しておらず、友だちのアンネを探しまわる。 誰に聞いても、アンネ・フランクは知っている。けど(常識的なことなので)誰も まともに相手してくれず、教えてくれない。 そういう設定で、どう展開していくのでしょうか。評判はなかなかいいです。 ……………………………………………………………………………………………………… ◎ 映画あれこれ……… シリーズもの映画考、序章? ……………………………………………………………………………………………………… 世界中の映画でシリーズものはいくつあるんだろう、ということを考えた。ちょっ と拾い上げてみるだけで何十と出てくる。どう見ても3桁に達する。 なんでこんなことが気になったかというと、シリーズの第2作が出来栄えで第1作 を凌駕することが案外多いと気づいたから。『ターミネーター』『ゴッドファーザー』 『ナルニア国物語』(いずれも評価は主観)。初期2作の出来栄え比較をしていて、 シリーズは全体でいくつあるのかと気になった。 2作目のほうが上回る例で最初に目についたのは『ボーダーライン』の連作だった。 2作目は『ボーダーライン ソルジャーズデイ』(監督:ステファノ・ソッリマ)。 ドゥニ・ヴィルヌーヴの1作目より好感を持った。Netflixで一気見してそう感じた。 どちらも再見。 最近Netflixべったりになって、平均一日一本ぐらい観ている。中毒です。ぼちぼち 映画断ちして、外へ出て行かなきゃ。 ……………………………………………………………………………………………………… 近況など……… ヤマレコマップ ……………………………………………………………………………………………………… ヤマレコマップに登録し、山行記録を公開してます。GPSで地図上の位置と経路 を示し、記録してくれます。地図上では全登録者の歩いた足跡が点々と。 山で道に迷うことが減って便利だけど、反面、どこに立ち寄ったとかが丸見えにな ってることを感じる。ああこいつ、このコンビニに寄って昼飯の買い出しをしたな、 とか。記録オン状態ではあまり好き勝手な行動をとりにくい。立入禁止区域に侵入し にくいとか。侵入しますけどね。 船越 聡 https://funakoshiya.net/index.html 極楽page 「じべたでひろたもん」3/3 防寒ヴェスト 「ヤマレコ日記」3/1 書いてない日記に訪問者が22人 「まんが村」2/26 プッチンプーチン 「ヤマレコ山行記録」2/24 虚空蔵谷(京田辺市) 「じべたでひろたもん」2/23 リュックサック 「長岡京市の裏百景」2/21 パン屋王国 長岡京市 「ヤマレコ山行記録」1/30 天ヶ瀬森林公園 「ヤマレコ山行記録」1/25 明治池・早尾神社・三鈷寺ルート 「船越屋画廊」1/13『鳥たち』 『前科者』・・・・・・・・・・・・・いい映画だけど説明しすぎ 『声もなく』・・・・・・・・・・・・・好みの韓国映画で大絶賛 『MONOS猿と呼ばれし者たち』・・・・・どっぷり異世界体験 『ブラックボックス音声分析捜査』・・シャープな秀作サスペンス 『新聞記者』・・・・・・・・・・・・・・・・・・心意気を買う 『モンスーン』・・・・・・・・・・・・・・・・まるで意味不明 『無聲』・・・・・・・・・・・・・・・・重たい映画だが、深い 『ユンヒへ』・・・・・・・・・・あまりにも地味すぎて盛り下げ 『消えない罪』・・・・・・・・・・・・・・・・・想定外の秀作 『ファイター、北からの挑戦者』・・ビターなテイストにしびれる 『ただ悪より救いたまえ』・・・・・・・・・今年の最高傑作かも このあとは『ガンパウダー・ミルクシェイク』に期待 |