極楽news No.165    2023.10.21
Contents
 ・『ヨーロッパ新世紀』
 ・『パトリシア・ハイスミスに恋して』
 ・映画を選択する基準

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◎ 公開中の新作から……… 『ヨーロッパ新世紀』  2022年度作品
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 監督:クリスティアン・ムンジウ
 出演:エディット・スターテ、マリン・グリゴーレ、マクリーナ・バルラデアヌ他
 配給:活弁シネマ倶楽部、インターフィルム
 原題:R.M.N.

 ルーマニアにあるトランシルバニアの村で住民が、仕事を奪われるとしてアジア人
労働者を排斥しようとする。スリランカからわずか3人がパン工場へ出稼ぎに来てる
だけ。過剰反応に見えるが、流入を一人でも認めれば雪崩を打って入ってくるという
危機感を村人たちは持っている。

 村人たちのエキセントリックな訴えは、常識的な観点では間違いだらけなのですが、
論理が通用する地点をすでに通り越している。

 排除しようとする群衆は、自らの苦境を他者のせいにしようとしているだけ。追い
出せば解決するというものではない。そのことがよく感じられる映画だ。

 微妙に近い内容の『福田村事件』では、日本人は虐待した朝鮮人が反撃してくるの
を恐れていた、と解釈していた。それが事実と合致するかどうかは知らない。『ヨー
ロッパ新世紀』のほうが納得いく答を示しているように感じた。

 ヒロインがくり返しパソコンで聞いてから、チェロで練習している曲は、梅林茂の
『In the Mood for Love』です。沢田研二主演の『夢二』(1991年)のテーマ曲で
す。この曲はウォン・カーウァイ監督の香港映画『花様年華』(2000年)でもテー
マ曲として使われています。『ヨーロッパ新世紀』ではエンドでも。都合3本の映画
でテーマ曲になったことになる。名曲なので、こんなふうに再活用されると嬉しい。


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◎ これは必須、という映画
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『パトリシア・ハイスミスに恋して』
   11月3日公開 2022年度作品
   監督:エバ・ビティヤ
   出演:パトリシア・ハイスミス
   配給:ミモザフィルムズ
   原題:Loving Highsmith

 1995年に亡くなった小説家のドキュメンタリです。偏愛している作家で、著作
の大半を読んでいます。

 映画化も多く、日本公開のあったものだけでも10本を超す。それらもほとんど観
ました。映像化されたものでも傑作が多い。個人的にはマット・デイモンが主演した
『リプリー』がいちばん好き。

 というわけで、良し悪し以前の基準で、必ず観るドキュメンタリなのです。


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◎ 映画あれこれ……… 映画を選択する基準
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 映画館の映画を選択する基準は「それが面白いかどうか」。さらに言えば「自分に
あっているかどうか」。

 判断材料の大半は予告篇です。ここでイマイチと感じれば観ません。あまりしつこ
く見ると、予告編だけで飽きる恐れがあるので、観ると決めたものは2回までにして
ます。

 料金が上がり、交通費も上がりました。そのぶん、選択基準がシビアになるのです。
かつてのように月間10本なんて無理です。映画以外の用事も多いし、5本で御の字。


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 近況など……… 
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 まわりで新型コロナウィルスの感染者がゼロだったのが、ついに一人出た。いっし
ょに作業してる男性。

 電話で連絡を受け、さっそく検温した。36・1度。まるっきりの平温。その後も
ちょくちょく測った。

 内心、自分は絶対感染しないという、根拠のない自信を持っている。間違って感染
したとしても、基礎疾患はなく、比較的体は順調なので、重症化はしない。なんて思
って油断してるのがいかんのかも。


船越 聡
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「ヤマレコ山行記録」10/17 竜の背骨(高槻市成合)
「山歩きMap」10/4 山科区・疏水道と山歩き
「長岡京市の裏百景」10/2 値引き商品争奪戦
「ヤマレコ山行記録」9/30 みささぎの森から(山科区)
「歩きMap」9/28 西高瀬川と東高瀬川
「じべたでひろたもん」9/19 メッシュポーチ

『ヨーロッパ新世紀』・・・・・・・・・・・・・・・今年の本命
『シック・オブ・マイセルフ』・・・・・・・今年最大の選択ミス
『バッド・ランズ』・・・・・・・・・・・どうにも違和感が強い
『PIGGYピギー』・・・・・・・・・・・強烈なパンチを喰らった
『ヒンターラント』・・・・・・・・・・・・濃厚な空気感に酔う
『私の大嫌いな弟へ』・・・・・・・・・家族の絆にとらわれすぎ
『福田村事件』・・・・・・・・視点が偏りすぎてるように感じた
このあとは『パトリシア・ハイスミスに恋して』に期待

極楽news No.164    2023.9.25
Contents
 ・『PIGGY ピギー』
 ・『SISU シス 不死身の男』
 ・みなみ会館が閉館

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◎ 公開中の新作から……… 『PIGGY ピギー』  2022年度作品
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 監督:カルロタ・ペレダ
 出演:ラウラ・ガラン、カルメン・マチ、リチャード・ホームズ、カミーユ・アギラ
    ル、ほか
 配給:シノニム、エクストリーム
 原題:Cerdita / Piggy

 スペイン映画。京都みなみ会館のクロージング作品となってしまいました。

 予告篇に惹かれるものがあった。劇場で観ると決め、情報を一切入れなかった。予
告篇を見直すこともしなかった。

 なので内容については少々誤解していた。いじめられていたデブの女の子が、報復
に立ち上がり、暴走し始める。そんな映画じゃなかった。誘拐と殺人事件の目撃者と
なってしまう。ちっちゃなプライドがじゃまして誰にも言えず、一人抱え込んでしま
う。そういう話。

 想定外のストーリーだったが、期待以上の出来で満足した。初の主演となるラウラ
・ガランは強烈な個性をぶちかます。まさかこのおデブちゃんに感情移入するとは思
わなかった。共通点があるとか、そんなのはないです。僕は身長170センチで体重
は63〜64キロぐらい。標準サイズです。深刻ないじめも経験しませんでした。

 宣伝ヴィジュアルは過激でスプラッターなカラーを前面に押し出しすぎている。そ
のほうが売れるし、そういう側面もあるけど、これはピュアな青春映画だ。と言いき
ってしまうと、また誤解を招きそうだが…。


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◎ これは至福、という映画
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『SISU シス 不死身の男』
   10月27日公開 2022年度作品
   監督:ヤルマリ・ヘランダー
   出演:ヨルマ・トンミラ、アクセル・ヘニー、ジャック・ドゥーラン、ミモサ・ヴ
      ィッラモ、ほか
   配給:ハピネットファントム・スタジオ
   原題:Sisu

 ナチスドイツ制圧下のフィンランド。伝説の老兵士がドイツに対して暴れまくる話。
『PIGGY ピギー』とは違い、ド派手なイケイケ映画。たまにはこういう映画も観なき
ゃね。


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◎ 映画あれこれ……… みなみ会館が閉館
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 京都の代表的なミニシアター、京都みなみ会館が9月30日ついに閉館。3スクリ
ーン合計で一日の集客が2桁では厳しすぎました。ただし最後の一か月ほどは3桁い
ってたようですけど。

 京都はミニシアターが四つ。キャパシティから考えて多すぎです。ミニシアター系
映画はシネコンも取り込んでおり、結局、集客力の弱い映画がみなみ会館に吹き溜ま
っていた、という印象です。

 映画館が減っても、なんとか観る場を確保する。これまでやってきたことのくり返
しになります。これ以上減ってくれては困りますけどね。


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 近況など……… 
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 CINEMAテーブルのページに自分の評だけ全部放り込みました。外部発信より
自分の都合を考えて。

 観た映画を片っ端から忘れていくので、「これどんな映画だったっけ」が簡単にわ
かるデータ集として利用するのです。だから忘れていいような映画はどんどん外す。

 読み返すとあれこれ思いをいたすことが多い。以前はこんなふうに感じ、考えたこ
ともあったのか、などと。読みふけってしまうと作業が進まないので、適当にはしょ
りつつ作業を完了しました。


船越 聡
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「じべたでひろたもん」9/19 メッシュポーチ
「ヤマレコ山行記録」9/17 西高瀬川をたどる
「背景画像」9/12 イリュージョン
「生活図鑑」9/9 赤唐辛子
「船越屋画廊」9/8『我を忘れて』
「ディープな秘境世界」9/5 封ジ山どんづまり山
「ヤマレコ山行記録」9/3 御陵の封ジ山どんづまり山
「長岡京市の裏百景」9/1 猫おばさん
「映画カフェ」10/15 開催決定

『PIGGYピギー』・・・・・・・・・・・強烈なパンチを喰らった
『ヒンターラント』・・・・・・・・・・・・濃厚な空気感に酔う
『私の大嫌いな弟へ』・・・・・・・・・家族の絆にとらわれすぎ
『福田村事件』・・・・・・・・視点が偏りすぎてるように感じた
『神回』・・・・・・・・・・・・作り手がSFのルールに無自覚
『カード・カウンター』・・・・・・・・・予告編と同じで、微妙
『1秒先の彼』・・・群衆が一斉に動き始めるシーンで肌が粟立つ
『ママボーイ』・・・・・・・・・・・・ユー・ズーユーが圧倒的
『告白、あるいは完璧な弁護』・・・・・恐るべしキム・ユンジン
『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』なんといっても伊藤沙莉です
このあとは『アンダーカレント』に期待

極楽news No.163    2023.7.4
Contents
 ・『告白、あるいは完璧な弁護』
 ・親子兄弟姉妹でいける俳優
 ・6月18日の映画カフェ

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◎ 公開中の新作から……… 『告白、あるいは完璧な弁護』  2022年度作品
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 監督:ユン・ジョンソク
 原作:オリオル・パウロ『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』
 出演:ソ・ジソブ、キム・ユンジン、ナナ、ほか
 配給:シンカ
 原題:Jabaek / Confession

 公開が6月23日で、かなり出遅れました。セカンドランや配信などでもいいから
観てもらえればと思って紹介します。それほどまでにトリッキーで面白いんです。

 元になってるのは2016年のスペイン映画『インビジブル・ゲスト悪魔の証明』。
最初の設定だけ借りて相当変更してるのかなと思った。YouTubeに日本語字幕なしの
があったので観てみた。部分的に替えてるけど、大筋は同じだった。興味あればそち
らも観てもらっても。「Contratiempo 2016」で出てきます。

 ネットビジネス長者の男性(ソ・ジソブ)が殺人容疑で逮捕され、有能な女性弁護
士がつき、事件の背景を探っていく。

 弁護士役に『セブンデイズ』のキム・ユンジン。この人が出てるというだけで「何
かある」と感じさせる。怪しげな雰囲気をかもす人です。さて、本作ではどんな役回
りでしょうか。

 ネタバレ厳禁映画なので書けることがほとんどありません。惜しいと思うのは、ラ
スト周辺でバタバタと拙速に解決へとなだれこんだこと。そこでかなりストーリーの
ほつれが見えた。原典のスペイン映画ではそこを簡潔にまとめていたのですが、サー
ビス精神旺盛な韓国映画は、てんこ盛りで派手に盛り上げたかったのでしょう。


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◎ これは朗報、という映画
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『あしたの少女』
   8月23日京都シネマ公開 2022年度作品
   監督:チョン・ジュリ
   出演:ペ・ドゥナ、キム・シウン、ほか
   配給:ライツキューブ
   原題:Da-eum So-hee / Next Sohee

 ペ・ドゥナが『ベイビー・ブローカー』に続いて刑事役。韓国の労働現場の闇を暴
いていく。今現在、最も期待している映画です。そういや今年は韓国映画の秀作が多
いね。


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◎ 映画あれこれ……… 親子兄弟姉妹でいける俳優
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 誰かが誰かに似ていることを見つけるのが好きです。探しても見つからないけど、
ふいに現われる。映画を見ている最中、見つけてしまうと嬉しくなる。

 似ている俳優同士を親子兄弟姉妹と仮定して映画に当てはめたくなる。実際の映画
は、あまりにも似てない人を起用しがちだから。

 たとえば三浦貴大と松坂桃李はどうでしょうか。寺島しのぶと水川あさみでは?
三浦透子は特異な風貌ですが、小池栄子と面影が近いような。あるいは田畑智子とも
一致点がありそう。菅野美穂と関めぐみはどうですか。宮崎あおいと二階堂ふみは?
鈴木砂羽と友近や、中村獅童と浅利陽介、岸井ゆきのと古川琴音、瀧内公美と成海璃
子、田丸麻紀と真木よう子。

 昔、左時枝と吉村実子は時々どっちがどっちかわからなくなりました。ともに姉が
女優という共通点もあった。亀梨和也と佐藤健はいまだに混同してます。

 親子関係だと、萩本欽一と大泉洋、川上麻衣子と木南晴夏、蛭子能収と前野朋哉、
吉田羊と北川景子、若村麻由美と吉岡里帆、阿川佐和子と西田尚美。俳優じゃない人
も混ぜ込んでしまいますが。

 いっぺん画像検索して比較してみてください。それともこれらみな、個人的な見え
方にすぎないのかな。


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 近況など……… 6月18日の映画カフェ
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 6月18日の映画カフェの参加者は、目標の2桁には達しなかったけど、新しい人
も加わり、ようやく底を打った感じで、一安心。

 その場でみんなに聞いてみたかったことがあったけど、言うの忘れてました。サイ
トのビジターから質問が来てます。ベトナム戦争の米国映画で、一場面を鮮明に記憶
してるけど、タイトルが出ない、というものです。

 (おそらくベトナムで)現地の若い娘2人がほほ笑みながら若い米兵に歩み寄って
いく。それを見た古参兵が機関銃を娘たちに向けて射撃。銃弾が娘たちに命中し、隠
し持っていた爆弾が爆発する。

 こんなシーンだそうです。最初はすぐ見つかるだろう思ってたんですが、今は泥沼
にはまってます。こんな映画、どなたかご存知ありませんでしょうか。


船越 聡
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「まんが村」7/4 欠陥カードは返納じゃーっ!
「エコまんが」7/1 できたよ!自家製野菜
「まんが教室」6/28 2コマ漫画を作ろう
「ヤマレコ山行記録」6/25 源内峠(源内道)大津市
「船越屋画廊」6/21『弱い男たちが…』
「じべたでひろたもん」6/20 週刊文春
「生活図鑑」6/19 杖
「ヤマレコ山行記録」6/10 日ノ岡・大日山の裏道探索
「長岡京市の裏百景」6/8 野草の独り言

『告白、あるいは完璧な弁護』・・・・・恐るべしキム・ユンジン
『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』なんといっても伊藤沙莉です
『アシスタント』・・・・・・・・・映像は緻密だが、話が小さい
『マリウポリ7日間の記録』・・・・・・・・・・・・・選択ミス
『世界が引き裂かれる時』・・・・・・・映画の強度に圧倒される
『オマージュ』・・・・・・・・イ・ジョンウンのキャラが生きる
『アフターサン』・・・・・・・・・・・・・久々に当たりが出た
『イーオー』・・・・・・・・・・・イーオー可哀想で可愛らしい
『せかいのおきく』・・・・・・・・・まさに匂い立つ映画(笑)
『レッド・ロケット』・・・・・・・・・・・選択ミスだったかも
『Ryuichi Sakamoto: CODA』ドキュメンタリとして並のレヴェル
『聖地には蜘蛛が巣を張る』・・・・・・・イランの夜の闇は深い
このあとは『ファルコン・レイク』に期待

極楽news No.162    2023.4.6
Contents
 ・『その瞳に映るのは』
 ・『フリークスアウト』
 ・花粉症到来

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◎ 公開中の新作から……… 『その瞳に映るのは』  2021年度作品
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 監督:オーレ・ボールネダル
 出演:エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン、ファニー・リアンダー・ボールネダル、
    マレーネ・ベルトフト・オルセン、アレックス・ホイ・アンデルセン、ほか
 配給:Netflix
 原題:Skyggen i mit oje / The Bombardment デンマーク映画

 ネットフリックス配信の映画です。

 第二次世界大戦中、英国空軍が誤ってデンマークの小学校を吹っ飛ばしてしまった
事件。救いようのない誤爆を、起こって当然とも思えるプロセスでリアルに描く。

 教会が運営してるらしい小学校には大勢の子どもたちが通っている。そこへ、ゲシ
ュタポの司令部と誤認した英国の爆撃機がドカドカと爆弾を投下していく。

 演出が非凡で、それぞれのエピソードが強いイメージを持って立ちのぼる。ありき
たりなシーンなど、1秒たりともさしはさまないという強い意志を感じる。

 ラストシーンに奇妙なインパクトを感じ、そこをくり返し見た。主人公の一人の少
女、エヴァ(エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン)が黙々と粥をすくって食べ続
けるだけのシーン。そこになんの意味があるのだろう。

 外で起こってことは我関せず。いま自分がすべきことは、しっかり朝食を食べ、生
き続けることなんだと、強い意志で思い定めたように感じた。それが強く響いたらし
い。しかしこのシーン、観る人次第でいろんな解釈が出てきそうだけど。


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◎ これはこれは、という映画
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『フリークスアウト』
   5月12日公開 2021年度作品
   監督:ガブリエーレ・マイネッティ
   出演:クラウディオ・サンタマリア、アウロラ・ジョビナッツォ、ピエトロ・
      カステリット、ジョルジョ・ティラバッシ、マックス・マッツォッタ、
      ジャンカルロ・マルティニ、フランツ・ロゴフスキ、ほか
   配給:クロックワークス
   原題:Freaks Out

 それぞれ特殊能力を持つサーカスの団員たちがナチスドイツと戦うという、おバカ
なナチものっぽい空気が充満しております。


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◎ 映画あれこれ……… 
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 映画に使われる曲目を調べるのに重宝しているサイトは、IMDbというデータベース
サイトです。僕自身もこのサイトに曲目入力してましたが、アカウントを持つ大勢の
会員が入力している。

 データがあるからといって信用しきってたら大変です。ミスがある。入力時のミス。
エンドクレジットそのものも間違ってる時がある。見るのは音楽クレジットだけです
が、他の項目も怪しいもんです。

 最も発生しやすいミスは、映画の編集段階で曲を差し替えてしまう場合です。エン
ドクレジットの映像はすでに発注してる。訂正が間に合わない。あるいは修正を省略
してしまう。予算の枠もあるでしょうから、「細かいことは目をつぶろう」でいくこ
ともありうる。

 最初から抜け落ちてる曲目もあります。既成曲を流してるけど、忘れてた、とか。
そういう抜けを発見するのもまた、映画を観る楽しみになってます。


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 近況など……… 花粉症の季節
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 ウィルスなんて屁とも思ってなかったくせに、花粉症の季節到来でマスクが離せな
くなった。花粉には勝てません。

 今年は花粉がめちゃくちゃ多いとか。花粉症はストレスも発症の引き金になるよう
なので、これまで大丈夫だった人もお仲間になれるかも。


船越 聡
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「YouTube投稿」4/6 『故郷(ふるさと)』
「ヤマレコ山行記録」3/30 もう一つの淀川背割堤
「じべたでひろたもん」3/28 ネギ
「まんが村」3/26 召し取ってや、って…
「壁紙ギャラリー」3/21 チャオチャオ
「ヤマレコ山行記録」3/18 小倉神社ルートの脇道探索
「まんが村」3/14 高市さん、もう終わりでっせ
「映画カフェ」6/18 開催決定

『エスター ファースト・キル』・・・・・意外な悪党役が面白い
『その瞳に映るのは』・・・・・・・・・・今年のベストワン登場
『コンペティション』・・・・・破砕機で壊しまくるシーンが爽快
『コペンハーゲンに山を』・・・・・・・・・・・小さい山だった
『ボーンズアンドオール』・・・・・・・・・・人間は不味そうだ
『こちらあみ子』・・・・・・・・あみ子よりも周囲の大人に驚愕
このあとは『フリークスアウト』に期待

極楽news No.161    2023.2.20
Contents
 ・『ボーンズ アンド オール』
 ・『EO イーオー』
 ・映画から見える外国人の姿
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◎ 公開中の新作から……… 『ボーンズ アンド オール』  2022年度作品
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 監督:ルカ・グァダニーノ  原作:カミール・デアンジェリス
 出演:テイラー・ラッセル、ティモシー・シャラメ、マーク・ライランス、ジェシ
    カ・ハーパー、クロウ・セヴィニー、ほか
 配給:ワーナー
 原題:Bones and All

 人類社会にヒトを食う生き物が混じりこんでいる。見た目は人間そっくりなのに、
超危険な連中。

 『寄生獣』など、似たような設定の映画はあるが、一貫して彼らに寄り添って描い
ている点が他の映画とは異なる。

 映画の中で警察のリアクションがゼロなのが気になるが、これは彼らイーターが人
間を常食してないことが要因としてある。大勢いて、各地でヒトを襲ってるが、散発
的で稀な事件なので、人間社会に正体を知られてない、ということらしい。骨まで残
さず食ってしまうこともあって、遺体が残らない場合も多い。

 感染することで変異するのではなく、イーターとしての遺伝子を持った者が次世代
に受け継がれていく、というものだ。これまでになかった設定とストーリーが斬新。

 映画はイーターの一人少女マレン(テイラー・ラッセル)を中心として描かれる。
マレンの視点で他のイーターたちが描かれている。純真な心を持ったマレンを映画は
温かく見つめている。人間から見たら怪物だろうけど、当人はそういう認識を持って
るわけではなく、自身のありように悩む。

 ストーリーは書きません。これから映画を観る人が、先にストーリーを知りたい、
などとは思わないでしようから。

 思うんだけど、人間って、食材とてしてはとっても不味そうに見える。その点だけ
強い違和感を覚えた。

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◎ これは大注目、という映画
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『EO イーオー』
   5月5日公開(京都シネマ) 2022年度作品
   監督:イエジー・スコリモフスキ
   出演:イザベル・ユペール、サンドラ・ジマルスカ、ロレンツォ・ズルゾロ他
   配給:ファインフィルムズ
   原題:Eo

 ロバが主人公なんて『バルタザールどこへ行く』以来ではないか。映像も魅力的。
バルタザールは哀れだったが、イーオーはどうなんだろう。


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◎ 映画あれこれ……… 映画から見える外国人の姿
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 大量の外国映画を観てると、外国の人たちの気質が映画から感じ取れる。感じ取っ
たことをズレや思い込み、偏見も交えて書きます。

 外国人は自己主張が強い。どの国と言わず、どこも同じ。人の意見をろくに聞かず、
自分の主張のみをまくしたてる。それってコミ障では?と思うが、外国人から見れば
自分の意見を言わない日本人のほうがコミ障なんでしょう。

 外国の人は盗みなどの軽い犯罪に対してハードルが低い。これも日本以外のすべて
の国に言える。特に、自分が困ってるとき、人のものに手を出すことは許されると思
っている。

 『MONーZEN』というドイツ映画がある。日本に来て一文なしになったドイツ
人男性が回転寿司店で食い逃げする。いや、逃げずに立ち去ってるだけ。ドイツでは
どうだか知らないが、日本じゃ食い逃げは即とっ捕まってしまう。ドーリス・ドリエ
監督は日本びいきらしいが、日本を理解してない。

 東アジアで顕著に感じられることは、異様なほどプライドが高いこと。プライドの
高さは劣等感と連動してるので、強い劣等感があるのかと思ってしまう。

 家族の絆がきわめて強い。これもほとんどの外国で見られる。日本でも一部見られ
るが、執着の度合いが違う。そこまで家族って大切かねと思うけど。これは僕が家族
に対する絆感覚が希薄なせいだろう。


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 近況など……… 映画カフェ
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 映画カフェまでもうすぐ。23日(木曜・祝日)です。よろしく。


船越 聡
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「船越屋画廊」2/10『抗う』
「ヤマレコ山行記録」2/11 太閤道の脇道うろうろ
「裏百景」2/10 雀のYouTuber(八条が池)
「ヤマレコ山行記録」2/5 道のない疏水道をつないで
「船越屋画廊」1/28『iの字』
「じべたでひろたもん」1/26 みかん1コ
「裏百景」1/21 長岡京市の境界線上を歩く
「ヤマレコ山行記録」1/19 一本の木を探して(天王山にて)
「映画カフェ」2/23(木・祝)開催決定

『ボーンズアンドオール』・・・・・・・・・・人間は不味そうだ
『こちらあみ子』・・・・・・・・あみ子よりも周囲の大人に驚愕
『シャドウプレイ【完全版】』・・・・・・・・・・・目が疲れる
『パーフェクト・ドライバー』・・・・・・・・・ほぼパーフェクト
『シー・セッドその名を暴け』・・・・・・・・・・・気合充分!
『ファイブ・デビルズ』・・・・・・・・・ラストで救われた気が
『ケイコ 目を澄ませて』・・・・・・・・・・・・じわっと感動
『MEN  同じ顔の男たち』・・・・・・・・・・・シビアなホラー
このあとは『エスター ファースト・キル』に期待

極楽news No.160    2023.1.25
Contents
 ・『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』
 ・『エスター ファースト・キル』
 ・女性監督が増えている
 ・YouTube投稿の『赤とんぼ』

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◎公開中の新作から『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』2022年度作品
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 監督:パク・デミン
 出演:パク・ソダム、ヨム・ヘラン、キム・ウィソン、チョン・ヒョンジュン、
    ソン・セビョク、キム・ドゥシク、ほか
 配給:カルチュア・パブリッシャーズ
 原題:Special Delivery / Teuksong

 『パラサイト半地下の家族』の長女役、パク・ソダム主演のアクション映画。ゆる
い顔立ちの彼女がハードなアクションに挑むというギャップ感が新鮮です。

 予告映像などで見た冒頭のカーアクションが一番の見どころで、あとは尻すぼみ、
という予想は外れた。韓国のアクション映画がこのレヴェルを続けられるなら、ハリ
ウッドのアクション映画は、もういらんかな、という気もする。

 無表情なヒロインが次にどういう行動を取るかが見通せない。あえて伏線を張らず、
瞬発的なアクションで映画を語っているかのようだ。

 韓国映画は善悪がはっきりしている。中間が存在しないことで実にわかりやすい。
悪いやつはとことん悪辣で、成敗せねば許せない感じ。韓国映画では「悪が勝つ」は
ほとんどない(『The Witch 魔女』ぐらい)。この映画でも、悪党たちを一人残らず
コテンパンに始末してしまいます。

 一つ残念だったのは、あまりにも無理筋すぎるエンドです。そこんところはもうち
ょい慎重に作ってほしかった。


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◎ これは驚き、という映画
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『エスター ファースト・キル』
   3月公開 2022年度作品
   監督:ウィリアム・ブレント・ベル
   出演:イザベル・ファーマン、ジュリア・スタイルズ、ヒロ・カナガワ、ほか
   配給:ハピネットファントム・スタジオ
   原題:Orphan: First Kill

 スリラー映画『エスター』(2009年)の前日譚。なので、前回同様、イザベル・
ファーマンが主演です。そして今回は10歳の役。当人は現在、25歳です。予告篇
は見たけど、どんなふうにして10歳になりおおせてるのかを見たい。

 そういや、当時二十代だったジュヌヴィエーヴ・ビジョルドも、『愛のメモリー』
(1976年)で、10歳ぐらいの少女と大人の時とを一人で演じていた。あれもスリ
ラー映画だ。


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◎ 映画あれこれ……… 女性監督が増えている
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 『シー・セッドその名を暴け』は女性中心の物語ですが、監督も女性。このところ
女性監督が目につくように感じます。最近一年間に観た映画の監督を調べました。

 結果、三分の一にも満たなかったのですが、かなり多い印象。23人です。多くな
るけど、リストアップします。

ノラ・フィングシャイト『消えない罪』
セリーヌ・ヘルド『きっと地上には満天の星』
シアン・ヘダー『コーダ あいのうた』
アンナ・フォースター『LOU ルー』
コーキー・ギェドロイツ『ビルド・ア・ガール』
ソ・ユミン『君だけが知らない』
エリザベス・ロー『ストレイ 犬が見た世界』
ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドック』
イルディコー・エニェディ『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』
オリヴィア・ワイルド『ドント・ウォーリー・ダーリン』
マギー・ギレンホール『ロスト・ドーター』
ナンシー・マイヤーズ『マイ・インターン』
レベッカ・ホール『Passing 白い黒人』
タナダユキ『マイ・ブロークン・マリコ』
フェルナンダ・バラデス『息子の面影』
オリヴィア・ニューマン『ザリガニの鳴くところ』
リズ・ガーバス『ロストガールズ』
ロリー・ケネディ『地に落ちた信頼 ボーイング737MAX墜落事故』
モニカ・ミッチェル『傲慢な花』
井樫彩『あの娘は知らない』
レア・ミシウス『ファイブ・デビルズ』
ロアン・フォンイー『アメリカから来た少女』
マリア・シュラーダー『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』

 『マイ・インターン』以外はほぼ新作。女優の監督作も目立つようになりました。


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 近況など……… YouTube投稿の『赤とんぼ』
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 去年の12月14日、YouTubeに投稿した防災無線スピーカーによる『赤とんぼ』
の視聴者数が6000を超した。それまでに投稿した他のYouTube映像すべての視聴
者数は7000あまり。今もハイペースで増えていってるので、近々そのラインを超え
そうです。1万件突破も視野に入っています。

 実のところ、どうしてこの映像だけが好調を維持してるのか、要因はさっぱりわかり
ません。映像としての出来映えはまずまず。大傑作ではありません。
https://youtu.be/l864vIvOQ4M


船越 聡
https://funakoshiya.net/index.html
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「裏百景」1/21 長岡京市の境界線上を歩く
「ヤマレコ山行記録」1/19 一本の木を探して(天王山にて)
「生活図鑑」1/10 風鈴
「ヤマレコ山行記録」1/3 伏見〜東山 裏トレイルコース
「ヤマレコ山行記録」12/30 カモの楽園、番田井路
「映画カフェ」2/23(木・祝)開催決定

『パーフェクト・ドライバー』・・・・・・・・ほぼパーフェクト
『シー・セッドその名を暴け』・・・・・・・・・・気合い充分!
『ファイブ・デビルズ』・・・・・・・・・ラストで救われた気が
『ケイコ 目を澄ませて』・・・・・・・・・・・・じわっと感動
『MEN  同じ顔の男たち』・・・・・・・・・・・シビアなホラー
『ある男』・・・・・・・・・・・・ぐっとヘヴィーに迫ってくる
『ザリガニの鳴くところ』・・・・・・・・・納得のエンディング
『グッド・ナース』・・・・・・・・・・・・・・底知れぬ闇が…
『ドント・ウォーリー・ダーリン』・・・・・主演女優賞を狙え!
このあとは『エスター ファースト・キル』に期待

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