極楽news No.162    2023.4.6
Contents
 ・『その瞳に映るのは』
 ・『フリークスアウト』
 ・花粉症到来

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◎ 公開中の新作から……… 『その瞳に映るのは』  2021年度作品
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 監督:オーレ・ボールネダル
 出演:エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン、ファニー・リアンダー・ボールネダル、
    マレーネ・ベルトフト・オルセン、アレックス・ホイ・アンデルセン、ほか
 配給:Netflix
 原題:Skyggen i mit oje / The Bombardment デンマーク映画

 ネットフリックス配信の映画です。

 第二次世界大戦中、英国空軍が誤ってデンマークの小学校を吹っ飛ばしてしまった
事件。救いようのない誤爆を、起こって当然とも思えるプロセスでリアルに描く。

 教会が運営してるらしい小学校には大勢の子どもたちが通っている。そこへ、ゲシ
ュタポの司令部と誤認した英国の爆撃機がドカドカと爆弾を投下していく。

 演出が非凡で、それぞれのエピソードが強いイメージを持って立ちのぼる。ありき
たりなシーンなど、1秒たりともさしはさまないという強い意志を感じる。

 ラストシーンに奇妙なインパクトを感じ、そこをくり返し見た。主人公の一人の少
女、エヴァ(エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン)が黙々と粥をすくって食べ続
けるだけのシーン。そこになんの意味があるのだろう。

 外で起こってことは我関せず。いま自分がすべきことは、しっかり朝食を食べ、生
き続けることなんだと、強い意志で思い定めたように感じた。それが強く響いたらし
い。しかしこのシーン、観る人次第でいろんな解釈が出てきそうだけど。


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◎ これはこれは、という映画
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『フリークスアウト』
   5月12日公開 2021年度作品
   監督:ガブリエーレ・マイネッティ
   出演:クラウディオ・サンタマリア、アウロラ・ジョビナッツォ、ピエトロ・
      カステリット、ジョルジョ・ティラバッシ、マックス・マッツォッタ、
      ジャンカルロ・マルティニ、フランツ・ロゴフスキ、ほか
   配給:クロックワークス
   原題:Freaks Out

 それぞれ特殊能力を持つサーカスの団員たちがナチスドイツと戦うという、おバカ
なナチものっぽい空気が充満しております。


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◎ 映画あれこれ……… 
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 映画に使われる曲目を調べるのに重宝しているサイトは、IMDbというデータベース
サイトです。僕自身もこのサイトに曲目入力してましたが、アカウントを持つ大勢の
会員が入力している。

 データがあるからといって信用しきってたら大変です。ミスがある。入力時のミス。
エンドクレジットそのものも間違ってる時がある。見るのは音楽クレジットだけです
が、他の項目も怪しいもんです。

 最も発生しやすいミスは、映画の編集段階で曲を差し替えてしまう場合です。エン
ドクレジットの映像はすでに発注してる。訂正が間に合わない。あるいは修正を省略
してしまう。予算の枠もあるでしょうから、「細かいことは目をつぶろう」でいくこ
ともありうる。

 最初から抜け落ちてる曲目もあります。既成曲を流してるけど、忘れてた、とか。
そういう抜けを発見するのもまた、映画を観る楽しみになってます。


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 近況など……… 花粉症の季節
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 ウィルスなんて屁とも思ってなかったくせに、花粉症の季節到来でマスクが離せな
くなった。花粉には勝てません。

 今年は花粉がめちゃくちゃ多いとか。花粉症はストレスも発症の引き金になるよう
なので、これまで大丈夫だった人もお仲間になれるかも。


船越 聡
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極楽page

「YouTube投稿」4/6 『故郷(ふるさと)』
「ヤマレコ山行記録」3/30 もう一つの淀川背割堤
「じべたでひろたもん」3/28 ネギ
「まんが村」3/26 召し取ってや、って…
「壁紙ギャラリー」3/21 チャオチャオ
「ヤマレコ山行記録」3/18 小倉神社ルートの脇道探索
「まんが村」3/14 高市さん、もう終わりでっせ
「映画カフェ」6/18 開催決定

『エスター ファースト・キル』・・・・・意外な悪党役が面白い
『その瞳に映るのは』・・・・・・・・・・今年のベストワン登場
『コンペティション』・・・・・破砕機で壊しまくるシーンが爽快
『コペンハーゲンに山を』・・・・・・・・・・・小さい山だった
『ボーンズアンドオール』・・・・・・・・・・人間は不味そうだ
『こちらあみ子』・・・・・・・・あみ子よりも周囲の大人に驚愕
このあとは『フリークスアウト』に期待

極楽news No.161    2023.2.20
Contents
 ・『ボーンズ アンド オール』
 ・『EO イーオー』
 ・映画から見える外国人の姿
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◎ 公開中の新作から……… 『ボーンズ アンド オール』  2022年度作品
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 監督:ルカ・グァダニーノ  原作:カミール・デアンジェリス
 出演:テイラー・ラッセル、ティモシー・シャラメ、マーク・ライランス、ジェシ
    カ・ハーパー、クロウ・セヴィニー、ほか
 配給:ワーナー
 原題:Bones and All

 人類社会にヒトを食う生き物が混じりこんでいる。見た目は人間そっくりなのに、
超危険な連中。

 『寄生獣』など、似たような設定の映画はあるが、一貫して彼らに寄り添って描い
ている点が他の映画とは異なる。

 映画の中で警察のリアクションがゼロなのが気になるが、これは彼らイーターが人
間を常食してないことが要因としてある。大勢いて、各地でヒトを襲ってるが、散発
的で稀な事件なので、人間社会に正体を知られてない、ということらしい。骨まで残
さず食ってしまうこともあって、遺体が残らない場合も多い。

 感染することで変異するのではなく、イーターとしての遺伝子を持った者が次世代
に受け継がれていく、というものだ。これまでになかった設定とストーリーが斬新。

 映画はイーターの一人少女マレン(テイラー・ラッセル)を中心として描かれる。
マレンの視点で他のイーターたちが描かれている。純真な心を持ったマレンを映画は
温かく見つめている。人間から見たら怪物だろうけど、当人はそういう認識を持って
るわけではなく、自身のありように悩む。

 ストーリーは書きません。これから映画を観る人が、先にストーリーを知りたい、
などとは思わないでしようから。

 思うんだけど、人間って、食材とてしてはとっても不味そうに見える。その点だけ
強い違和感を覚えた。

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◎ これは大注目、という映画
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『EO イーオー』
   5月5日公開(京都シネマ) 2022年度作品
   監督:イエジー・スコリモフスキ
   出演:イザベル・ユペール、サンドラ・ジマルスカ、ロレンツォ・ズルゾロ他
   配給:ファインフィルムズ
   原題:Eo

 ロバが主人公なんて『バルタザールどこへ行く』以来ではないか。映像も魅力的。
バルタザールは哀れだったが、イーオーはどうなんだろう。


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◎ 映画あれこれ……… 映画から見える外国人の姿
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 大量の外国映画を観てると、外国の人たちの気質が映画から感じ取れる。感じ取っ
たことをズレや思い込み、偏見も交えて書きます。

 外国人は自己主張が強い。どの国と言わず、どこも同じ。人の意見をろくに聞かず、
自分の主張のみをまくしたてる。それってコミ障では?と思うが、外国人から見れば
自分の意見を言わない日本人のほうがコミ障なんでしょう。

 外国の人は盗みなどの軽い犯罪に対してハードルが低い。これも日本以外のすべて
の国に言える。特に、自分が困ってるとき、人のものに手を出すことは許されると思
っている。

 『MONーZEN』というドイツ映画がある。日本に来て一文なしになったドイツ
人男性が回転寿司店で食い逃げする。いや、逃げずに立ち去ってるだけ。ドイツでは
どうだか知らないが、日本じゃ食い逃げは即とっ捕まってしまう。ドーリス・ドリエ
監督は日本びいきらしいが、日本を理解してない。

 東アジアで顕著に感じられることは、異様なほどプライドが高いこと。プライドの
高さは劣等感と連動してるので、強い劣等感があるのかと思ってしまう。

 家族の絆がきわめて強い。これもほとんどの外国で見られる。日本でも一部見られ
るが、執着の度合いが違う。そこまで家族って大切かねと思うけど。これは僕が家族
に対する絆感覚が希薄なせいだろう。


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 近況など……… 映画カフェ
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 映画カフェまでもうすぐ。23日(木曜・祝日)です。よろしく。


船越 聡
https://funakoshiya.net/index.html
極楽page

「船越屋画廊」2/10『抗う』
「ヤマレコ山行記録」2/11 太閤道の脇道うろうろ
「裏百景」2/10 雀のYouTuber(八条が池)
「ヤマレコ山行記録」2/5 道のない疏水道をつないで
「船越屋画廊」1/28『iの字』
「じべたでひろたもん」1/26 みかん1コ
「裏百景」1/21 長岡京市の境界線上を歩く
「ヤマレコ山行記録」1/19 一本の木を探して(天王山にて)
「映画カフェ」2/23(木・祝)開催決定

『ボーンズアンドオール』・・・・・・・・・・人間は不味そうだ
『こちらあみ子』・・・・・・・・あみ子よりも周囲の大人に驚愕
『シャドウプレイ【完全版】』・・・・・・・・・・・目が疲れる
『パーフェクト・ドライバー』・・・・・・・・・ほぼパーフェクト
『シー・セッドその名を暴け』・・・・・・・・・・・気合充分!
『ファイブ・デビルズ』・・・・・・・・・ラストで救われた気が
『ケイコ 目を澄ませて』・・・・・・・・・・・・じわっと感動
『MEN  同じ顔の男たち』・・・・・・・・・・・シビアなホラー
このあとは『エスター ファースト・キル』に期待

極楽news No.160    2023.1.25
Contents
 ・『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』
 ・『エスター ファースト・キル』
 ・女性監督が増えている
 ・YouTube投稿の『赤とんぼ』

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◎公開中の新作から『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』2022年度作品
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 監督:パク・デミン
 出演:パク・ソダム、ヨム・ヘラン、キム・ウィソン、チョン・ヒョンジュン、
    ソン・セビョク、キム・ドゥシク、ほか
 配給:カルチュア・パブリッシャーズ
 原題:Special Delivery / Teuksong

 『パラサイト半地下の家族』の長女役、パク・ソダム主演のアクション映画。ゆる
い顔立ちの彼女がハードなアクションに挑むというギャップ感が新鮮です。

 予告映像などで見た冒頭のカーアクションが一番の見どころで、あとは尻すぼみ、
という予想は外れた。韓国のアクション映画がこのレヴェルを続けられるなら、ハリ
ウッドのアクション映画は、もういらんかな、という気もする。

 無表情なヒロインが次にどういう行動を取るかが見通せない。あえて伏線を張らず、
瞬発的なアクションで映画を語っているかのようだ。

 韓国映画は善悪がはっきりしている。中間が存在しないことで実にわかりやすい。
悪いやつはとことん悪辣で、成敗せねば許せない感じ。韓国映画では「悪が勝つ」は
ほとんどない(『The Witch 魔女』ぐらい)。この映画でも、悪党たちを一人残らず
コテンパンに始末してしまいます。

 一つ残念だったのは、あまりにも無理筋すぎるエンドです。そこんところはもうち
ょい慎重に作ってほしかった。


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◎ これは驚き、という映画
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『エスター ファースト・キル』
   3月公開 2022年度作品
   監督:ウィリアム・ブレント・ベル
   出演:イザベル・ファーマン、ジュリア・スタイルズ、ヒロ・カナガワ、ほか
   配給:ハピネットファントム・スタジオ
   原題:Orphan: First Kill

 スリラー映画『エスター』(2009年)の前日譚。なので、前回同様、イザベル・
ファーマンが主演です。そして今回は10歳の役。当人は現在、25歳です。予告篇
は見たけど、どんなふうにして10歳になりおおせてるのかを見たい。

 そういや、当時二十代だったジュヌヴィエーヴ・ビジョルドも、『愛のメモリー』
(1976年)で、10歳ぐらいの少女と大人の時とを一人で演じていた。あれもスリ
ラー映画だ。


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◎ 映画あれこれ……… 女性監督が増えている
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 『シー・セッドその名を暴け』は女性中心の物語ですが、監督も女性。このところ
女性監督が目につくように感じます。最近一年間に観た映画の監督を調べました。

 結果、三分の一にも満たなかったのですが、かなり多い印象。23人です。多くな
るけど、リストアップします。

ノラ・フィングシャイト『消えない罪』
セリーヌ・ヘルド『きっと地上には満天の星』
シアン・ヘダー『コーダ あいのうた』
アンナ・フォースター『LOU ルー』
コーキー・ギェドロイツ『ビルド・ア・ガール』
ソ・ユミン『君だけが知らない』
エリザベス・ロー『ストレイ 犬が見た世界』
ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドック』
イルディコー・エニェディ『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』
オリヴィア・ワイルド『ドント・ウォーリー・ダーリン』
マギー・ギレンホール『ロスト・ドーター』
ナンシー・マイヤーズ『マイ・インターン』
レベッカ・ホール『Passing 白い黒人』
タナダユキ『マイ・ブロークン・マリコ』
フェルナンダ・バラデス『息子の面影』
オリヴィア・ニューマン『ザリガニの鳴くところ』
リズ・ガーバス『ロストガールズ』
ロリー・ケネディ『地に落ちた信頼 ボーイング737MAX墜落事故』
モニカ・ミッチェル『傲慢な花』
井樫彩『あの娘は知らない』
レア・ミシウス『ファイブ・デビルズ』
ロアン・フォンイー『アメリカから来た少女』
マリア・シュラーダー『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』

 『マイ・インターン』以外はほぼ新作。女優の監督作も目立つようになりました。


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 近況など……… YouTube投稿の『赤とんぼ』
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 去年の12月14日、YouTubeに投稿した防災無線スピーカーによる『赤とんぼ』
の視聴者数が6000を超した。それまでに投稿した他のYouTube映像すべての視聴
者数は7000あまり。今もハイペースで増えていってるので、近々そのラインを超え
そうです。1万件突破も視野に入っています。

 実のところ、どうしてこの映像だけが好調を維持してるのか、要因はさっぱりわかり
ません。映像としての出来映えはまずまず。大傑作ではありません。
https://youtu.be/l864vIvOQ4M


船越 聡
https://funakoshiya.net/index.html
極楽page

「裏百景」1/21 長岡京市の境界線上を歩く
「ヤマレコ山行記録」1/19 一本の木を探して(天王山にて)
「生活図鑑」1/10 風鈴
「ヤマレコ山行記録」1/3 伏見〜東山 裏トレイルコース
「ヤマレコ山行記録」12/30 カモの楽園、番田井路
「映画カフェ」2/23(木・祝)開催決定

『パーフェクト・ドライバー』・・・・・・・・ほぼパーフェクト
『シー・セッドその名を暴け』・・・・・・・・・・気合い充分!
『ファイブ・デビルズ』・・・・・・・・・ラストで救われた気が
『ケイコ 目を澄ませて』・・・・・・・・・・・・じわっと感動
『MEN  同じ顔の男たち』・・・・・・・・・・・シビアなホラー
『ある男』・・・・・・・・・・・・ぐっとヘヴィーに迫ってくる
『ザリガニの鳴くところ』・・・・・・・・・納得のエンディング
『グッド・ナース』・・・・・・・・・・・・・・底知れぬ闇が…
『ドント・ウォーリー・ダーリン』・・・・・主演女優賞を狙え!
このあとは『エスター ファースト・キル』に期待

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