極楽news 2024年

カチンコ2023キラーカブトガニ


『ブルーバック あの海を見ていた』

極楽news No.167    2024.5.25
Contents
 ・『関心領域』
 ・『マッドマックス:フュリオサ』

………………………………………………………………………………………………………
◎ 公開中の新作から……… 『関心領域』  2023年度作品
………………………………………………………………………………………………………

 監督:ジョナサン・グレイザー  原作:マーティン・エイミス
 出演:クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー、ほか
 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 原題:The Zone of Interest

 監督は英国人。出演者はドイツ人。スタッフはポーランド人がメイン。映画の国籍
は米国・英国・ポーランド。言語はドイツ語がほとんどです。珍しい構成です。

 第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所の所長だったルドルフ・ヘス(クリス
ティアン・フリーデル)が主人公です。収容所に隣接した邸宅に、一家揃って暮らし
ています。これで映画の枠組みが決まったように感じられるでしょうけど、映画は大
きく裏切ります。

 ヘスは家族を愛する夫であり、職務に忠実な軍人でもある。総じて常識的で温厚な
人物です。好感が持てる人物として描かれている。

 収容所そのものが映像的に描かれことはない。ただヘス一家の平和な日常がリアル
に描かれるのみ。一家にとって、塀の内側の出来事は「関心外」。


 歴史を扱う映画の多くが犯す過ちに、セリフや演出が現在の知識や認識に基づいて
なされる、ということがある。当時の人々の認識は現在の認識とは異なる。そのこと
に無自覚な映画が乱造されている状況には苛立ちを感じることが多い。この『関心領
域』はそうした認識のズレを一掃しようという気概を感じて清々しい。

 わかりにくい書き方をしたかもしれない。適切な例を思いつければいいが、なかな
か出てこない。『アルキメデスの大戦』のラスト近くで田中泯が太平洋戦争について
語ったことがそうではあるんだけど、何をどう言ったのか忘れた。

 この映画は、個人的にその点が最も評価できるポイントだが、それを別にしてもテ
ーマに対して意欲的な攻め方をしていて興味深い。ただこの映画、シネコンで上映さ
れてるのには違和感がある。途中退出者が出なかったのが不思議なほど、娯楽映画の
範囲を逸脱していたのだが。


………………………………………………………………………………………………………
◎ これは豪勢、という映画
………………………………………………………………………………………………………

『マッドマックス:フュリオサ』
   5月31日公開 2024年度作品
   監督:ジョージ・ミラー
   出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、ほか
   原題:Furiosa
   配給:ワーナー

 アニャ・テイラー=ジョイが前作のシャーリーズ・セロンの若い頃を演じる。まる
で似てないけど。

 最近売り出し中の若手女優が(たぶん)初めてアクション映画に挑戦するというの
に心惹かれます。初めて日本に紹介された頃は「アニヤ」と表記されていた。正しい
発音に修正されたのは喜ばしい。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… 三回目にて手締め
………………………………………………………………………………………………………

 古い話ですが、去年の10月の映画カフェで、初めての参加者の方から「これまで
で最も多い回数を観た映画はなんですか」というお題をいただいた。僕は答えに詰ま
った。他の参加者も、明確に回答できた人はいなかったと思う。

 はっきり覚えてないってこともあった。回数を重ねるにしてもせいぜい三回だし、
ごく稀に四回があったな、という程度です。決めてるわけじゃないけど、同じ映画を
観るの、感覚的には上限は三回だと思ってます。

 誰しもそうだろうけど、くり返し観る映画は自分のお気に入り映画です。くり返す
ことでアラが見えてくるのは避けたいという気持ちがある。それとは逆に、アバタも
エクボ状態になり、客観的な視点を失ってのめり込み状態に陥ることもある。どちら
も好ましくない。

 三回観てる映画をリストアップしてみると、おおよそ百本。正確に三回とカウント
してませんが、「たぶん三回」でリストアップしました。誰もが傑作と認める映画も
あれば、個人的に偏愛する映画も多い。一部だけでも公開しようと思ったけど、数が
多すぎるのでやめときます。


………………………………………………………………………………………………………
 近況など………
………………………………………………………………………………………………………

 前号が1月1日発行。間隔が空いてしまったのは、スケジュールの関係などで封切
り3日以内に観られないことが多くなってしまったことが大きい。『ドッグマン』の
時に書きかけたのですが、公開から10日以上たってることに気づき、やめました。

 これこそ紹介したいと思える映画が少なかったこともありました。このあとに続く
映画はどうだろうか。


船越 聡
https://funakoshiya.net/index.html
極楽page

「映画千本斬り」5/25 新規公開
「まんが教室」5/25 似顔絵を描く
「じべたでひろたもん」5/23 水性マーカー
「ヤマレコ」5/23 みどりの日記念の森から
「船越屋画廊」5/21『降りてきた』
「ヤマレコ」5/11 京青の森からマイナールート
「山歩きMap」5/10 東山裏トレイルコース
「裏百景」5/5 ドバトのシロちゃん
「映画カフェ」6/16 開催決定

『ミッシング』・・・・・・・・・・・・きついバッドエンド映画
『悪は存在しない』・・・・・・・・実は悪だらけ、だったりして
『無名』・・・・・・・・・・・・・・・・・長くて重厚で疲れた
『貴公子』・・・・・・・・・韓国映画らしい実に怪しげな語り口
『マンティコア怪物』・・・・・・・・怪物というのは少々大袈裟
『PERFECT DAYS』 ・・・・一本の映画にするほどの中身がない
『ビニールハウス』・・・・・・・・・・・ラストの寸止めが絶妙
『ドッグマン』・・・・・・・・・・・・・寓話的世界にどっぷり
『デューン砂の惑星2』 ・・・・俳優は豪華だけど物語はイマイチ
『天使の復讐』・・・・・・・・・・・・映画館での近年最低映画
このあとは『告白 コンフェッション』に期待

極楽news No.166    2024.1.1
Contents
 ・『ブルーバック あの海を見ていた』
 ・『愛のゆくえ』
 ・ネットにつながらなくなった

………………………………………………………………………………………………………
◎ 公開中の新作から………『ブルーバック あの海を見ていた』 2022年度作品
………………………………………………………………………………………………………

 12月29日公開
 監督:ロバート・コノリー  原作:ティム・ウィントン
 出演:ミア・ワシコウスカ、ラダ・ミッチェル、エリック・バナ、イルサ・フォグ、
    アリエル・ドノヒュー、ほか
 原題:Blueback
 配給:エスパース・サロウ

 きれいごとに流れるきらいはあるけれど、今はこういったものが受け止めやすい。
ウクライナではロシアに敗北する形での停戦がありうる情勢だし、イスラエルはハマ
スを壊滅させるまでパレスチナのガザ地区への攻撃をやめそうにない。米国では犯罪
王のトランプが大統領の座に返り咲きそうだ。世界のこんな空気の中では、せめて映
画の中だけでも希望の輝きを感じられるのが嬉しい。

 この映画は世界的な情勢とは無関係に、西オーストラリアの入り江での開発と環境
保護とのせめぎあいが描かれる。主人公たちは入り江の環境を守るために戦う側。

 ストーリーそのものは多くなくて、海中撮影の映像によって語らせている部分が大
きい。泳ぐ魚と潜る人。海中シーンが美しい。

 ミア・ワシコウスカの十代を演じているのがイルサ・フォグという新人で、経歴を
見るとこれがデビュー作。今のところテレビを含め、他に何もない。十代にして風格
を感じさせる。遊泳シーンも魅力的。

 ロバート・コノリー監督の前作が『渇きと偽り』だったということは、観たあとで
チラシを読んで知った。『渇きと偽り』は僕の密かなお気に入り映画です。


………………………………………………………………………………………………………
◎ これはひょっとして、という映画
………………………………………………………………………………………………………

『愛のゆくえ』
   3月1日公開 2024年度作品
   監督:宮嶋風花
   出演:長澤樹、窪塚愛流、田中麗奈、堀部圭亮、平田敦子、ほか
   配給:パルコ

 予告篇を見て気になってる映画ですが、全国一斉公開ではなさそう。内容ははっき
り把握してないので書けませんが、映像のヴィジュアルはいいです。京都でも公開し
てくれるといいんですが。


………………………………………………………………………………………………………
◎ 映画あれこれ……… 映画の予告篇を読み取る能力をアップさせたい
………………………………………………………………………………………………………

 映画カフェでも話題になったことですけど、映画を選択する材料として予告篇があ
ります。YouTubeでお手軽に見られることもあり、選択する要因として最大のものに
なってると思います。

 僕が最も頼りにしてるのが予告篇。ですが、最近は立て続けに裏切られてるような
気がする。というより良し悪しが読み取りにくくなっている。広告屋の進化に遅れを
とりつつあるんでしょうか。読み取る眼力を磨きたい。


………………………………………………………………………………………………………
 近況など……… ネットにつながらなくなった
………………………………………………………………………………………………………

 当メルマガは昨日発信するつもりでした。パソコンのトラブルが発生してそれどこ
ろではなくなったんです。昨日の朝からネット接続できなくなりました。

 こんなふうにメール発信してるのですから、今は復旧してます。大晦日ではサポー
ト窓口もお休みですから、ネット情報が頼り。タブレット端末で調べまくりました。

 古いMacがまだ生きてます。超ノロいやつですが、ネットにつながりました。なの
で原因はソフトバンクのルーターとWi-Fiの間。昨夜、電源プラグにつながるケーブル
のジャックを抜き、プラグを抜いた。そしてまたプラグを指してからジャックを突き
差し、アクセスすると回復してました。

 原因は不明ながら、壁に沿って走ってるケーブルにヘッドフォンが当たるか引っ掛
かるかして、その衝撃で切れたのかな、と。即、ヘッドフォンを掛ける位置を変更し
ました。安定的に運用するためには、たまにはこんなふうにルーターを再起動させる
のもいいかもしれません。


船越 聡
https://funakoshiya.net/index.html
極楽page

「終末映画の娯しみ」12/29『エクスティンクション 地球奪還』
「生活図鑑」12/26 アルコパルのパン皿
「ヤマレコ日記」12/25 五山送り火の山名
「ヤマレコ山行記録」12/23 ツール・ド・深泥池
「長岡京市の裏百景」12/22 クリスマスの電飾
「船越屋画廊」12/20『とびちり』
「まんが村」12/19 くるの?万博?
「じべたでひろたもん」12/17 伊右衛門(お茶)
「CINEMAテーブル」12/15 発行
「映画カフェ」2/18 開催決定!

『ブルーバックあの海を見ていた』・・・・・浸りきっていました
『市子』・・・・・・・・・・・・・・・・・主演女優賞がんばれ
『ほかげ』・・・・・・・・・・・・・・・・・もっと不可解に!
『ユリョンと呼ばれたスパイ』悪辣日本人成敗バンザイの反日映画
『サタデー・フィクション』・・・・・・・・・コン・リーが問題
『パトリシア・ハイスミスに恋して』・・ハイスミスも遠くなった
『ヨーロッパ新世紀』・・・・・・・・・・・・・・・今年の本命
このあとは『ガールフレンド』に期待

「極楽」トップページ

当ページ

極楽news 2023年

極楽news 2022年

極楽news 2021年

極楽news 2020年

極楽news 2019年

極楽news 2018年

極楽news 2017年

極楽news 2016年

極楽news 2015年

極楽news 2014年

極楽news 2013年

極楽news 2012年

極楽news 2011年

極楽news 2010年

極楽news 2009年

極楽news 2008年

極楽news 2007年

極楽news 2006年